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ヨガの哲学に学ぶ「するべきではないこと」5つを紹介

奥深いヨガ哲学を、私たちの日常に置き換えて紹介します。

今回は「八支則」という教えから、「ヤマ(するべきではないこと)」についてまとめました。哲学と聞くだけで、つい難しそうと感じてしまいますよね。ですが、ヨガ哲学は私たちの日常や人生そのもので、理解も実践非常にしやすいんです。古くから伝わるヨガの教えには、私たちの日々が健やかになるヒントがたくさん詰まっています。ヨガを実践している方はもちろん、そうでない方もぜひ教えを実践してみてくださいね。

そもそもなぜヨガをするの?ヨガ哲学って?

皆さんは「ヨガ」と聞いて何を思い浮かべますか?

体が気持ちよく伸びそうなポーズ、ボディラインがくっきりと出るウェア、深い呼吸…

一般的にはこのようにヨガのポーズに関係するイメージが浮かびやすいですよね。

では、なぜ「ヨガ」をするのでしょうか?

柔軟性を高めるため?健康な心と体を手に入れるため?

とても漠然とした質問ですが、実はこれには答えがあるのです。

「ヨガスートラ」というヨガの経典には、ヨガの目的について「 心の作用の止滅 」と記されています。

人間誰しも、多かれ少なかれ個人差はありますが感情には起伏がありますよね。

自分の感情に気づかないまま、あるいは気づかないふりをしたまま心が置き去りになったり、感情に振り回されて自分や目的を見失ってしまうことはありませんか?

このような心の作用を止め、本来の自分を見つめることがヨガの目的です。

とは言っても感情そのものを無理に抑えて落ち着かせるのではありません。

まずは感情が生じた時や変化に繊細に気づき、感情に振り回されることなく自分と向き合えていけたら良いですよね。そんな術を学ぶのがヨガです。

「なんだか思ってたより奥が深かった!」と感じた方もいるのではないでしょうか?

一般的にイメージされやすいヨガのポーズや呼吸は、この目的に辿り着くための段階に過ぎないのです。

日常にヨガ哲学を活かそう

ヨガ哲学には「 八支則 」という教えがあります。

ヨガを実践する上での8つの段階のことで、一つ一つ積み重ねた先にヨガの目的に辿り着きます。

今回はその八支則の中の一つ目「ヤマ(するべきではないこと)」を紹介します。

8つの段階からなる八支則の土台となるヤマはさらに5つに区分されています。

アヒムサ(非暴力・不殺生)

「暴力」といっても直接的に相手を傷つけることだけではありません。

  • 相手を裏切り心に傷を負わせる「行動」
  • 感情的になり乱暴になった「言葉」
  • 発言はしなくてもうちに秘めた凶暴な「思考」

これらも暴力に当てはまります。

身近に潜む暴力に思い当たることはありませんか?

自分にそのつもりはなくても、相手には棘のある言葉や行動となり意図せず暴力に繋がっていることも。

ネガティブで乱暴な感情は手放し、自分の言葉使いや行動を改めてみましょう。

サティア(嘘をつかない)

アヒムサ(非暴力)のように相手を傷つけるために嘘をつくことだけではありません。

自分のエゴやプライドを傷つけないように、自己防衛の為の嘘はついていませんか?

自分の感情に気づかないふりをし嘘をついて過ごしていませんか?

相手の気を引きたいが故に、奇をてらった言動をしていませんか?

思い当たる過去があったら嘘をつくほど大切なことだったのかを振り返り、今後は嘘の無い正直な自分でありたいですね。

アスティア(不盗)

物理的に盗むことだけが不盗に値するのではありません。

  • 遅刻することで相手から奪った「時間」
  • 心ない行いで消耗させてしまった「エネルギー」

目には見えないですが、これらも盗むことに繋がります。

遅刻していなかったら、本来有効に使えた時間があったはず。

責任を持った発言と行いがあれば、疲れさせるほど相手は悩まなかったはず…。

例えどんなに親しい間柄でも、親しい間柄だからこそ自分の行動や発言に責任を持っていたいですね。

ブラフマチャリア(禁欲・貞操)

ヨガの教えでは、独身を貫くことが良しとされていたので、この欲は厳密に性欲のことを指します。

過剰な欲を抑えることで、本来使われるべきところでエネルギーが発揮されますよね。

禁欲は「エネルギーの無駄使いをしない」という教えに繋がります。

  • パートナー以外と関係を持たない
  • 寂しさや承認欲求から相手を求めない

現代に置き換えると、このようなこともブラフマチャリアの教えに通じますよね。

感情や欲に惑わされずに、有限であるエネルギーの使い方を考えてみましょう。

アパリグラハ(不貪)

執着することなく、所有しすぎないという教えです。

アヒムサ(非暴力)やアスティア(不盗)のように、この教えも物理的なことだけではありません。

「能力」「地位」「お金」「人間関係」のように幅広く当てはまります。

童話でも不貪を教訓とした物語が多く存在するので、理解しやすい教えかなと思います。

また恋愛においても、相手を思う気持ちが強い故に「もっと理解してほしい」「もっと一緒にいてほしい」と気づけば執着に繋がっていたなんてことはありませんか?

自分自身で満足感を得ることができれば、外へと欲が向くことはありません。

まずは自分自身を見つめ直し、「何が」「どのくらい」「どうして」必要なのかを問いかけてみましょう。

「ヤマ」を意識して、自分にも相手にも優しく素直に

八支則の「ヤマ」について紹介しました。

哲学と聞くと、難しそう、堅苦しそう…とつい身構えてしまいますが、ヨガ哲学はとても実践しやすい教えばかりです。

盗むことや暴力など、自分には無縁だと思っていたことが意外と身近に潜み、ヒヤリとしますよね。

自分の発言や思考を改めるだけでなく、自分や相手をより大切にしようと思うきっかけになれたら嬉しいです。

「ヤマ(するべきではないこと)」を踏まえ、次回は「ニヤマ(するべきこと)」について紹介します。

ニヤマにも、日常がより健やかになるヒントが沢山詰まっていますよ!

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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