【島根】佐太神社で行われる「神送り」とは?|年に一度の神事に参加しよう<11月25日限定ツアーあり> image

【島根】佐太神社で行われる「神送り」とは?|年に一度の神事に参加しよう<11月25日限定ツアーあり>

出雲では旧暦の10月は神在月とされ、全国から八百万の神が集まるとされていますが、ここ佐太神社も11月20日から25日まで、神在祭を執り行います。

最終日の25日夜に執り行われる「神等去出祭」は、500年以上続くしきたりを厳格に守り、神社から2kmほど離れた山の中にある祭場で、神様をお見送りする儀式。その他にも変わった特徴のある1300年前に創建された佐太神社を徹底紹介!出雲大社だけではない、出雲の神社の魅力をご案内します。

佐太神社の神等去出祭とは

旧暦10月に出雲の幾つかの神社では神在祭が執り行われますが、佐太神社の神在祭は文献上もっとも古くから執り行われている神在祭です。神在祭を締めくくる「神去出」の神事は、神社から2㎞程離れた神ノ目山まで神様をお見送りする神事です。

「神迎え」の儀式は出雲大社が有名で毎年多くの観光客で賑わいますが、佐太神社は昔からのしきたりを厳格に守り、神迎えの儀式は基本的に神職のみで執り行います。その代わりに「神送り」と呼ばれる神等去出祭(からさでさい)は、多くの人々が参加し、神社から2km程離れた神ノ目山まで神様をお見送りします。神の目山には高天原と呼ばれる祭場があり、ここで神職が神送りの儀式を執り行います。この儀式が終わるまでは口を開く事は禁じられ、もちろん写真撮影等も禁止です。夜の山道を提灯の灯だけで歩いて行く、500年に渡ってその姿を殆ど変えていない、厳粛かつ幻想的な神事です。

開催概要

  • 神等去出祭開催日:毎年11月25日 20:00~23:00頃まで
  • 場所:佐太神社 島根県松江市鹿島町佐陀宮内73
  • 初穂料(提灯代):3,000円

佐太神社

松江市郊外にある佐太神社は、出雲国風土記にも記載のある、出雲国二の宮、また出雲国三大社(出雲大社、熊野大社と合わせて)の一つとも言われます。

本殿三社は三殿並立の大社造り。正殿を軸として南北の両殿を配置し、しかもそれを対照的にした発想に注目。特に向かって左の南殿は通常の大社造りの構造とは逆に作られており他に類例がありません。

ご祭神

主祭神は佐太大神で、三殿に十二柱を祀りますが、佐太大神(さだのおおかみ)=猿田毘古(さるたひこ)大神は日本海に面した加賀の潜戸(かかのくけど)で誕生したとされ、導きの神、道開の神、交通・海上安全、長寿の神として信仰されています。

佐太大神の母神はキサカイ姫と言われており、この神様は大国主命の命を助けた神様の一人でもあります。

母儀人基社(はぎのひともとしゃ)

佐太神社の背後には神奈備山があり、古くはこの山自体が御神体だったのでしょう。本殿の裏手から山へ登っていくと、母儀人基社(はぎのひともとしゃ)があります。

どう見てもお墓です。このお墓はイザナミが葬られた比婆山から遷座したものとされており、そのために神在月にはイザナミを偲んで八百万の神がお集まりになるとされています。

田中神社

佐太神社から100m東へ離れた所に、北殿の摂社「田中神社」があります。

瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の天孫降臨神話に出てくる木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)と磐長姫命(いわながひめのみこと)姉妹の神様です。背を向けて並んでいます。

~~瓊瓊杵尊は、妹である木花開耶姫命と結婚しますが、二人の親神である大山祇命(おおやまつみのみこと)は姉の磐長姫命を妹と一緒に嫁に出します。ところが瓊瓊杵尊は、岩のようにゴツゴツとしたみにくい顔を嫌って、姉を親元に返してしまいました。~~

というストーリーです。田中神社、実は縁切りと縁結びを同時に叶えると言われる神社で、佐太神社の御本殿に向かっているのが西社で木花開耶姫命を祀り、縁結び・安産、背を向けて建つ東社は磐長姫命を祀り縁切り・長寿の信仰があります。

佐陀神能

佐陀神能は、約400年も続いていると言われている“神事芸能”です。毎年9月24日、25日に行われる御座替祭(ござがえさい)という神事で奉納されており、神への祭礼の「七座」、祝言の「式三番」、神話劇の「神能」の三部からなっています。特に「神能」は佐太神社の神官が、京より能を習い覚えて帰りその方式を取り入れ、従来の神楽を格調高いものに創り上げたと伝えられています。平成23年11月にユネスコの無形文化遺産として登録されました。年に数回、公演が開催されます。

加賀の潜戸

佐太神社から車で20分ほど離れた海岸にある海蝕洞窟。新潜戸と旧潜戸と呼ばれる2つの洞窟があり、新潜戸で佐太大神が生まれたとされています。遊覧船で洞窟の中を通り抜けることができます。一方旧潜戸は賽の河原と呼ばれ、幼くして亡くなった子供達を弔う場所です。ここは上陸することができますが、薄暗い内部は鬼気迫る雰囲気をかもしています。

アクセス:【バス】JR松江駅より一畑バス恵曇方面行きで約25分佐太神社前下車すぐ

ただし神等去出祭は20:00から始まり、終了は23:00頃になるため、公共交通機関は運行を終了しており、利用ができません。運転ができればレンタカーの利用、或いはタクシーを利用することになりますので、ご注意ください。

500年前から続く神事を目撃しよう

本来、観光イベント化されていない、出雲本来の神在祭を味わうことのできる佐太神社ですが、神等去出祭は夜8時から23時頃にかけて行われることもあって、なかなか個人では参加しづらいのも事実です。

そんな時は、ベルトラでご紹介している現地オプショナルツアーをに参加するのが大変おすすめ!

約500年前の記録とほぼ同じ内容の、とても貴重な神送り神事をしっかり体感できる1泊2日のツアーです。”神話ナビゲーター”が親しみやすく壮大でユニークなストーリーを丁寧に解説しながら、国生みの女神イザナミゆかりの地へご案内します。

貴重な学びになるツアーですので、ぜひ参加してみてください。

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