【島根】美保神社で行われる美保関神事を徹底解剖|「国譲り神話」にまつわる日本文化<12月3日限定ツアーあり> image

【島根】美保神社で行われる美保関神事を徹底解剖|「国譲り神話」にまつわる日本文化<12月3日限定ツアーあり>

島根半島の東の端、美保関にある美保神社は、事代主命を祭るえびす神社の総本山として有名ですが、この神社には古事記に記される「国譲り神話」に因んだ神事が春と冬に執り行われます。

少なくとも300年以上続く神話を再現する神事は必見!その昔は北前船の寄港地として栄えた美保関の港町も、とても魅力的です。

この記事では、そんな美保関を徹底解剖します。

国譲り神話に因む美保神社の神事

島根半島の東の端に位置する美保神社では、古事記に記される「国譲り神話」に因んだ2つの神事が執り行われます。春の青柴垣神事と冬の諸手船神事がそれです。

いずれの神事も、古事記に記される「国譲りの神話」の中で大国主命が国譲りを迫られた際に、美保関にいた息子である事代主命(ことしろぬしのみこと)に意見を求めた時の出来事を神事として再現しています。

諸手船神事とは

大国主命が国譲りを迫られた際に、美保関にいた事代主命に意見を求めるため、諸手船で使者を送ったとの故事にちなみ、執り行われる神事です。

島根半島に初雪の便りが届く厳寒の美保関港を舞台に、2槽の古代船へ白装束の氏子たちが乗り込み、太鼓の音に合わせて「ヤーヤー」と威勢のいい声を上げ海へと漕ぎ出していきます。そして対岸の社の下を折り返すと岸まで競争し、到着後は櫂(かい)で激しく海水を掛け合い、国譲りの時に2隻の諸手船に使いの神が乗り、美保関に住む事代主命のもとに意見を聞きに来る様を再現します。

古くは国家安泰と五穀豊穣・大漁満足を祈願する八百穂祭として行われ、現在は新嘗祭と共に12月3日に斎行されています。

開催概要

  • 開催日:毎年12月3日 14:00頃~
  • 場所:美保神社 島根県松江市美保関町美保関608

青柴垣神事とは

毎年4月7日に執り行われます。 美保神社の祭神、事代主命(ことしろぬしのみこと)(恵比寿さま)が、大国主命から国譲りの相談をうけ、譲ることに決定した後、自ら海中に青い柴垣を作り、天逆手を拍ってお籠もりになったという故事にちなんだ祭り。

ちなみにこの「天逆手」というのが、柏手を打つ、という言葉の語源になったとされています。神事は一年前に当屋(とうや)と呼ばれる神様の役を町民の中から決めることから始まり、当屋は一年間の精進潔斎*の後、祭礼前日から神社の隠殿にこもって物忌潔斎*に入り断食、神がかった状態で行事にのぞみます。この当屋夫婦を、青柴垣を飾った2隻の船に乗せ、港内を一周。そののち美保神社に参拝、奉幣する神事です。

(*精進潔斎、物忌潔斎:神事を行う前や参拝前に、飲酒や肉食、女色などを慎み、沐浴をして心身を清めること)

開催概要

  • 開催日:毎年4月7日 13:00頃~
  • 場所:美保神社 島根県松江市美保関町美保関608

美保神社

その昔、北前船の寄港地として栄えた港町である美保関の町の中心にある美保神社は、全国に3,300社余りある、事代主命を祭るえびす様の総本宮です。(えびす様には蛭子神をまつる神社もたくさんあります)ご祭神は事代主命とその母神である三穂津姫命(みほつひめのみこと)。本殿は大社造りを二棟並べて装束の間でつないだ二殿連棟の特殊な形式で、比翼大社造りまたは美保造りと呼ばれています。また拝殿も壁のない、吹き抜けの特殊な形をしており、これは舟屋を模したものだと言われています。

えびすだいこく両参り

島根半島の両端に鎮座する出雲大社と美保神社。はるか昔より、出雲の国の西と東の守り神として慕われてきました。ご祭神の大国主神(だいこく様)と事代主神(えびす様)は、出雲神話「国譲り」を共に成し遂げた親子神です。父神の大国主神から国の未来を決める重要な判断を託された息子の事代主神を祀る美保神社は、えびす様の総本宮。いつしか大国主神を祀る出雲大社と両参りすることで、より良い縁に恵まれると云われるようになりました。

美保関

現在はひなびた小さな港町である美保関ですが、その昔は北前船の寄港地として大変賑わった場所です。美保神社の参道から延びる「青石畳通り」はその当時の面影を残しています。

美保関の町内には美保神社の境外末社が13あり、中には多邇具久命(たにぐくのみこと)というヒキガエルの姿をした神や、久延毘古命(くえびこのみこと)という案山子(かかし)の姿をした神をまつるお社などもあって、これらの末社巡りも楽しいですね。

美保関灯台

明治31年(1898年)11月8日に初点灯された山陰最古の灯台。灯台の高さは14m、水面からの高さは83mとなっており、美保湾を隔てて大山、弓ヶ浜、また遠く隠岐の島を望むことができ、景観の眺望は雄大で素晴らしい灯台です。「世界の歴史的灯台100選」、「日本の灯台50選」に選ばれています。灯台からは事代主命が釣りをしていたとされる

「沖の御前」を見ることができます。灯台に隣接した旧事務所や宿舎は、現在は「ビュッフェ」に改築されており、日本海を眺めながら休息できます。

美保関へのアクセス

美保関へのアクセスは鳥取県の境港からのアプローチと、松江市からのアプローチがありますが、どちらも不便です。車が運転できればレンタカーがお奨めです。

タクシー利用の場合はJR境港駅からの方が距離が短いです。

  • 松江駅から:JR松江駅=【一畑バス美保関ターミナル行/約45分】=美保関ターミナル/万原バスターミナル=【美保関コミュニティバス/約30分】=美保関
  • 境港駅から:境港駅=【美保関コミュニティバス/約10分】=宇井渡船場(乗換え)=【美保関コミュニティバス/約15分】=美保関

「国譲り神話」にまつわる神事に参加しよう

神話に因む古式神事や、ノスタルジックな港町が魅力の美保関ですが、実はアクセスはあまりよくないところが難点…。個人では行くにはレンタカーが必須ですが、道も狭く曲がりくねっている部分があるのです。

そんな時は、ベルトラで紹介している現地オプショナルツアーに参加するのが大変おすすめ!

ツアーでは、一年に一度執り行われる「諸手船神事」を見学できるほか、レトロな風情が残る青石畳通りなども観光できます。”神話ナビゲーター”が丁寧にご案内しますので、歴史や物語のことも詳しく学べること間違いなしです。

ぜひ、ご参加ください。

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