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京都には龍がいっぱい!アートとパワーを感じるおすすめのお寺5選

禅宗の寺院では、天井に描かれた龍をよく見ます。それは、龍が水を司る神様で火災からご本尊を守っていただくという願いがこもっているためです。また龍は仏を守護する神様の1神であり、仏教の教えを法の雨のように降らせる、知らしめるからだとも言われています。

寺院の多い京都には、それだけ龍図が多い!それも著名な絵師や画家の手になるものが数多くあります。そこで今回は、「これは見ておくべき!」という5点の龍図を厳選しました。

迫力あるアートを楽しみながらエネルギーもいただけるおすすめスポットです!

建仁寺の双龍図

建仁寺は、多くの観光客が行きかう祇園花見小路のほど近くにありますが、一歩境内に入ると、静かで厳かな空間です。

建仁寺の境内には、6月には甘茶が可愛く咲き誇る 霊源院(れいげんいん) や半夏生(はんげしょう)が美しい 両足院(りょうそくいん) など多くの塔頭があります。

創建は、鎌倉時代の建仁2年(1202)、中国からお茶を持ち帰り、普及させた 栄西禅師(えいさい・ようさいぜんじ)が開山した京都最古の禅寺 です。

迫力一杯の双龍図

双龍図は、建仁寺の法堂(はっとう)の天井に描かれています。108畳分の広い天井に日本画家の小泉淳作氏が約2年という歳月を費やして完成させた大迫力の2匹の龍です。

2匹の龍は、一方は口を大きく開け、一方は口を閉じている「阿吽(あうん)」の形をとっています。今にも天井から飛び出してきそうな躍動感ある双龍図は、一見の価値ありです。

襖絵の雲龍図

建仁寺の方丈の襖絵にも2匹の龍が描かれています。こちらは桃山から江戸初期にかけて活躍した 海北友松(かいほうゆうしょう) という画家の手によるものです。現在襖絵に描かれている雲龍図は、高精細デジタルによる複製で、本物は京都国立博物館に保管されています。

双龍図、雲龍図ともに方丈拝観で一般公開されているうえ、なんと 写真撮影OK (三脚は使用は不可)です!

拝観受付の本坊には 「風神雷神図屏風(レプリカ)」 も展示されていますので、ぜひご覧くださいね。

建仁寺の基本情報

  • 住所:京都市東山区大和大路四条下る小松町
  • 拝観時間:11月1日~2月28日10:00~16:00(閉門16:30)/3月1日~10月31日 10:00~16:30(閉門17:00)
  • 拝観料:一般600円/中高生300円/小学生200円
  • 境内自由
  • アクセス:最寄り駅 京阪本線「祇園四条」駅 徒歩約7分/阪急京都線「河原町」駅下車 徒歩約10分/バス最寄り駅 「東山安井」「南座前」「祇園」「四条」

東福寺の蒼龍図

紅葉と青紅葉で有名な東福寺にあるのは、京都生まれの日本画家・ 堂本印象(どうもといんしょう)氏が描いた蒼龍図(そうりゅうず) です。

巨大な龍が泳ぐ

この蒼龍図を堂本氏は、なんと17日間で描き上げたそうです。堂本氏の並々ならぬ集中力が、荒々しい龍に乗り移ったかのようで、見る者を圧倒する迫力があります。

蒼龍図の描かれた仏殿は通常非公開ですが、外側からも覗き見ることができます。また、期間限定の特別拝観も行われていますので、公式ウェブサイトをチェックしてみてくださいね。

東福寺の基本情報

  • 住所:京都市東山区本町15丁目778
  • 拝観時間:12月第1月曜日~3月31日 9:00~15:30(閉門16:00)/4月1日~10月31日 9:00~16:00(閉門16:30)/11月1日~12月第1日曜日 8:30~16:00(閉門16:30)
  • 通常時拝観料:本坊庭園(方丈)一般500円 小中学生300円/通天橋・開山堂 一般600円 小中学生300円/本坊庭園・通天橋・開山堂共通拝観 一般1,000円小中学生500円
  • 秋季拝観料(11月1日~12月第1日曜日):本坊庭園(方丈)一般500円 小中学生300円/通天橋・開山堂 一般1,000円 小中学生300円/共通拝観券はありません
  • 境内自由
  • アクセス:最寄り駅 JR奈良線・京阪本線「東福寺」駅徒歩約10分/京阪本線「鳥羽街道」駅徒歩約10分/バス最寄り駅「東福寺」

天龍寺の雲龍図

嵐山にある世界遺産天龍寺は、曹源池庭園(そうげんちていえん)の壮大な風景が有名な寺院です。こちらにあるのは、 「八方睨みの龍」 と呼ばれる龍図です。

八方睨みの龍

法堂にある龍図は、1997年に日本画家の加山又造氏が描きました。こちらの雲龍図には、他の龍とは違った特徴があります。よく見ると5本指なのです(普通は3本指が多いです)。これは龍の中でも最高位の龍を表しています。なぜ最高位の龍が描かれたのかはわかりませんが、豆知識として知っているとちょっとお得な気分が味わえます!

また、部屋のどこにいても龍に見られているような不思議な気分も。円の中心に大きな龍の目が描かれることで、龍を見ながら移動するとずっと追いかけてくるように見えます。このような八方睨みの龍は、他に寺院にもありますので、のちほど紹介しますね。

天龍寺の雲龍図は、土・日・祝のみの公開となっています。(春夏秋は毎日公開期間あり)

天龍寺の基本情報

  • 住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
  • 拝観時間:8:30~17:00(受付終了16:50)
  • 拝観料:庭園(曹源池・百花苑)一般500円 小中学生300円/諸堂(大方丈・書院・多宝殿)庭園拝観料に加えて300円/法堂「雲龍図」特別公開時 1人500円
  • アクセス:最寄り駅 京福電鉄嵯峨野線「嵐山」駅徒歩約3分/JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅徒歩約13分/阪急電鉄「嵐山」駅徒歩約15分/バス最寄り駅 「嵐山天龍寺前」「京福嵐山駅前」

妙心寺の雲龍図

妙心寺(みょうしんじ)はとにかく広く、約10万坪もの境内に本堂の伽藍(がらん)や塔頭があります。すべてを回るのはとても大変ですが、まずは龍図を目指しましょう。雲龍図は南総門から真っすぐ北へ、大方丈の左手前の法堂にあります。

狩野探幽が描いた八方睨みの龍

妙心寺の龍図も天龍寺と同じ 「八方睨みの龍」 と呼ばれています。ですが、こちらは江戸初期に活躍した 狩野探幽(かのうたんゆう)が8年もの歳月を費やして描いた ものです。狩野探幽は狩野派の創始者狩野永徳の孫で、圧倒的な画才により、二条城や大坂城、名古屋城の障壁画に携わった人物です。

見る場所によって空へ上るようにも下って来るようにも見え、どの角度からでも目が合うことから「八方睨みの龍」という通称が付きました。しかし天龍寺の龍とは少し違った八方睨みです。

妙心寺の龍は、一見片目しか見えないのですが、見る角度によっては両目になります。「そんなバカな」と思った方は是非実際にご覧ください。びっくりしますよ!

妙心寺の基本情報

  • 住所:京都市右京区花園妙心寺町64
  • 拝観時間:9:00~12:00/13:00~15:30(閉門16:00)
  • 拝観料:一般700円/小中学生400円
  • 境内自由
  • アクセス:最寄り駅 JR嵯峨野線「花園」駅 徒歩約5分/バス最寄り駅 「妙心寺前」「妙心寺北門前」

相国寺の蟠龍図

京都御所の北に位置する相国寺(しょうこくじ)は、天龍寺と同じ夢窓礎石が開山した寺院で、金閣寺を建てた足利義満が建立しました。龍図のある法堂は、慶長10年(1605)の豊臣秀頼が再建した日本最古の法堂です。

法堂の鳴き龍

法堂の天井に描かれているのは、 狩野派の絵師・狩野元信(狩野永徳の次男)が描いた幡龍図(ばんりゅうず) です。幡龍とは、天に上る前に地面にうずくまり、とぐろを巻いている龍のことです。法堂の中央で手をたたくと「カラカラ」と反響するのが特徴で 「鳴き龍」 と呼ばれています。

通常は非公開ですが、春秋の特別公開時には拝観できます。

相国寺の基本情報

  • 住所:京都市上京区相国寺門前町701
  • 拝観時間(特別公開時のみ):10:00~16:00(閉門16:30)
  • 拝観料(特別公開時のみ):一般・大学生800円/65歳以上・中高生700円/小学生400円
  • アクセス:最寄り駅 地下鉄烏丸線「今出川」駅徒歩約7分/バス最寄り駅 「烏丸今出川」「同志社前」

この冬は京都で迫力ある龍めぐりがおすすめ!

ここまで紹介した寺院以外にも、龍図はまだまだあります。

中でも狩野探幽をはじめとする狩野派の手になるものは非公開・期間限定公開も合わせて次に通りとても多くあります。

  • 泉涌寺舎利殿(狩野山雪)・仏殿(探幽)
  • 大徳寺法堂の鳴き龍(探幽)
  • 南禅寺塔頭金地院・東照宮拝殿の鳴き龍(探幽)
  • 高台寺開山堂(狩野山楽)
  • 地主神社拝殿の八方睨みの龍(元信)

狩野派以外も含めるともっとたくさんの龍図があります。

同じ龍でも描かれた年代や流派によって特徴がありますので、じっくりと観察してみると案外面白いですよ。

興味のある方はぜひ見比べて見てください。

出典・参考

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