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気軽に回れる!京都・御寺泉涌寺の七福神でいっぱい福をいただこう

7柱の神様がお祀りされている寺院を順にお参りし、7つの福徳をいただくという七福神めぐりは、日本独特の風習です。

京都においては、七福神めぐり発祥とされる「都七福神」をはじめ、数種類の七福神めぐりがあり、1年を通じで多くの方が巡拝されています。

今回は、その中でも近年特に注目されている「泉山(せんざん)七福神めぐり」を紹介します。いつもの初詣とは趣の違うお参りや素敵な神様との出会いを探している方は、ぜひご覧ください。

泉涌寺の七福神めぐりとは

七福神とは、日本や中国、インドなどから選ばれた7柱の神様を指しています。室町時代ごろから始まった信仰と言われ、時代の変遷とともに選ばれる神様は少しずつ変わりましたが、現在は以下のメンバーに固定しています。

  • 恵比寿神(えびすがみ)
  • 大黒天(だいこくてん)
  • 弁財天(べんざいてん)
  • 毘沙門天(びしゃもんてん)
  • 布袋尊(ほていそん)
  • 福禄寿(ふくろくじゅ)
  • 寿老人(じゅろうじん:寿老神とも)

今回紹介する 泉山七福神では、この7柱にあと2柱の神様が加わり、九福神をめぐります

御寺泉涌寺について

皇室とゆかりの深い泉涌寺(せんにゅうじ)には、江戸時代の天皇や皇妃の御陵(お墓)が作られたことから、皇妃の菩提寺として御寺(みてら)という尊称が与えられ、正式名称を 御寺泉涌寺 と言います。

大門から参道は下っていく形になっていて、仏殿を見下ろすという珍しい景色はとても印象的で、時代劇のロケ地として使用されることもあります。

泉涌寺のある月輪山のあちこちに塔頭が建てられていて、森林浴をしながらお参りができる気持ちの良い寺院です。

御寺泉涌寺の基本情報

  • 拝観時間:3月~11月 9:00~16:30(閉門17:00)/12月~2月 9:00~16:00(閉門16:30)
  • 拝観料:伽藍拝観:大人 500円/子供(小中学生)300円
  • 特別拝観:大人 500円(小中学生以上)
  • アクセス:京阪本線・JR奈良線 「東福寺」駅寄り徒歩約20分/JR京都駅より市バス「泉涌寺道」下車 徒歩約15分

泉山七福神めぐりはどのようにお参りすれば良いの?

泉山七福神めぐりが行事として行われるのは、成人の日ですが、御朱印をいただいたり、巡拝したりするだけなら1年を通じて行うことができます。

2024年の開催日程は1月8日(月)8:00~16:00です。

所要時間は2~3時間程度、それぞれの寺院をゆっくりと参拝しても半日あれば十分でしょう。

泉山七福神めぐりのおすすめ参拝ルート

山内のほとんどの塔頭は「泉涌寺道」という坂道の参道に面していて、山道を上がったり下ったりするルートになっています。そのため、お参りするときは、歩きやすいスニーカーなどをはくことをおすすめします。

どの寺院からお参りしてもよいのですが、ご参考としておすすめのルートを紹介しますね。

では、泉涌寺の総門前にある即成院からスタートです。

即成院

即成院(そくじょういん)は、「ぽっくり信仰」として知られているほか、那須与一(なすのよいち)ゆかりのお寺としても有名です。毎年10月第3日曜日に行われる 「二十五菩薩お練り供養法」 では、菩薩様たちが極楽浄土に向かい境内を練り歩きます。その様子は、まさに極楽浄土。一見の価値ありですよ。

こちらでは無料の福笹がいただけますので、それぞれの寺院で吉兆(福笹につける縁起物:1,000円~)をつけてもらいます。もちろんご朱印をいただくだけ、巡拝するだけでもOK。

即成院には、福禄寿という中国の神様がお祀りされています。福禄寿のご利益は、子孫繁栄・健康長寿・福徳とされています。

戒光寺

即成院から奥へ150mほど歩いた北側にあるのが、戒光寺(かいこうじ)です。 ご本尊は運慶・湛慶の合作と伝わる釈迦如来です。 台座から光背までが約10mという迫力満点の仏様、地元では仏様の背丈(一尺六丈)にちなんで「丈六(じょうろく)さん」として親しまれています。

また、新選組から離脱し、御霊衛士(ごりょうえじ)となった伊東甲子太郎(いとうかしたろう)や藤堂平助たちのお墓があることでも有名です。

戒光寺には弁財天がお祀りされており、天台宗の開祖・伝教大師最澄が作った像だとも言われています。 美しい天女姿の弁財天には、芸能上達・学問成就・財運などのご利益があるとされています。

当日は、小豆粥のふるまいも行われますので、ぜひお召し上がりください。

新善光寺

戒光寺からもう少し坂を上ると、急な下り坂の向こうに新善光寺(しんぜんこうじ)の門が見えます。新善光寺のご本尊は阿弥陀如来ですが、泉山七福神めぐりでは 愛染明王(あいぜんみょうおう:番外) が主役です。

境内には四季を通じて美しい花が楽しめる素敵なお庭があり、その奥の方に愛染明王をお祀りした朱色の可愛い愛染堂があります。 愛染明王のご利益は、良縁成就・夫婦円満などです。

今熊野観音寺

新善光寺からさらに坂を上ると、正面に2本、左手に急な下り坂という3本の道があります。そのうち下り坂を行った先にあるのが、今熊野観音寺(いまくまのかんのんじ)です。

きれいな朱色の鳥居橋は、SNSでもよく見かけるほどの人気スポットで、 青もみじや紅葉の穴場 としても知られ、泉涌寺塔頭の中でも知名度の高い寺院となっています。

今熊野観音寺は、熊野権現の御霊示を受けた弘法大師空海が小さなお堂を建てたことが始まりと言われています。

こちらにお祀りされているのは、 七福神唯一の日本の神様・恵比寿神、ご利益はもちろん商売繁盛です。 新年10日の初ゑびすは全国で開催されています。

来迎院

今熊野観音寺から鳥居橋まで戻ると、本堂以外に2本の分かれ道があります。その奥の道をずっと進んでいくと、ひっそりとたたずんでいる来迎院(らいごういん)が見えます。こちらも知る人ぞ知る紅葉の名所なのですが、普段はほとんど参拝客を見かけません。

あの忠臣蔵の大石内蔵助ゆかりの地としても有名ですが、今回は布袋尊にお参りです。 布袋尊は七福神の中で唯一現存した人物である禅僧がモデルとなった神様で、弥勒菩薩の化身とも言われています。ご利益は、開運・夫婦円満などです。

雲龍院

もとの泉涌寺道へ戻り、さらに奥へ行くと泉涌寺の大きな門がありますが、素通りして、もっと奥へ行きましょう。そこには、泉涌寺派の別格本山である雲龍院(うんりゅういん)があります。

雲龍院は、書院の悟りの窓や蓮華の間での雪見障子を通して見える素敵な景色が有名です。早春の梅や秋の紅葉の頃は特に美しく、風情ある景色を思い切り堪能できます。ただ七福神めぐりの日は、堂内の参拝ができませんので、ご注意ください。

雲龍院では大黒天のお参りができます。 「走り大黒天」 と称されるこちらの大黒様は、怖い表情で今にも走り出しそうなお姿です。福々しい笑顔の大黒様とは全く違いますが、これは少しでも早く福を運ぼうとしている姿なのです。 大黒天には、商売繁盛・五穀豊穣のご利益があると言われています。

楊貴妃観音堂

雲龍院から泉涌寺まで戻って、今度こそ泉涌寺境内へ入りましょう。門をくぐってすぐ左にあるのが、楊貴妃観音堂(ようきひかんのんどう)です。もう一つの番外である楊貴妃観音像がお祀りされています。

この観音像は玄宗皇帝が楊貴妃を偲んで作られたという伝承を持ち、とても美しいお顔をされていて、多くの女性たちが美人祈願に訪れています。

楊貴妃観音堂と雲龍院は、どちらが先でも時間的な違いはありません。ご自由にお参りしてくださいね。

悲田院

泉涌寺を出て泉涌寺道を少しだけ下りると悲田院(ひでんいん)へ向かう道があります。悲田院は泉涌寺道から西へ少し離れたところにあります。

平安時代初期に作られた福祉施設の悲田院が江戸時代に現在の位置に移転し、泉涌寺塔頭となったそうです。悲田院の境内からは、京の町が一望できます。

悲田院には、毘沙門天がお祀りされています。 多聞天(たもんてん)という別名を持ち、勇ましい姿が印象的な神様です。戦いの神様として知られ、厄除けのご利益もあるとされています。

法音院

最後にお参りするのが、寿老人がお祀りされている法音院(ほうおんいん)です。法音院は、泉涌寺道を下った戒光寺の斜め向かいにあります。なので、戒光寺の後に法音院をお参りされる方も多いです。書院は、伏見城の遺構を写したものと伝わっています。

お祀りされている寿老人は、道教の神様で、健康長寿・病気平癒などのご利益があるとされています。

以上で泉山七福神めぐりの終了です。福笹も数々の吉兆で重くなったことでしょう。

泉涌寺と塔頭の位置はこちらでご確認ください

樹々に囲まれた寺院で心も体も癒される

泉山七福神めぐりは、数多い七福神めぐりの中でも、効率的にすべての七福神(プラス2神)にお参りができるため、忙しい現代人には合っているのかもしれません。また、御朱印集めが趣味の方にも、満足度の高い行事です。

お正月の運動不足解消も兼ねて、ぜひ一度新年の泉山七福神めぐりにチャレンジしてみてくださいね。

出典・参考

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