【10月29日はドリアの日】老舗ホテル・ホテルニューグランドのドリア発祥の歴史
今はコンビニやレストランで定番メニューとして提供されている「ドリア」。誰しも一度は食べたことがあるのでは?という料理です。専門店まで誕生し、人気の料理であることは間違いありません。
イタリアンレストランやファミレスなどでもメニューがあるので「洋食」と思われがちですが実は日本で誕生した料理なんです。
今回はドリアの日にちなんでドリアの発祥の歴史や、ドリアが産まれたと言われる「ホテルニューグランド」についてご紹介します!
ドリアの日とは?
ドリアの日は横浜にある老舗ホテル、 ホテルニューグランド が制定した記念日。
ホテルニューグランドはドリア発祥のホテルとして知られています。ドリアを開発したホテル初代総料理長のサリー・ワイル氏が来日した日が10月29日だったことから制定されました。
ドリアが長く親しまれる料理であるように 、と記念日をつくったそうです。
ドリアってどんな料理?
ドリアはもともと バターライスの上に海老のクリーム煮を乗せ、ホワイトグラタンソースにチーズをかけ、オーブンで焼いた料理 ということです。今は形式にこだわらず、様々なスタイルのドリアが食べられていますね。
ライスもバターライスだけでなく白米が使われたり、「ミートソースドリア」など様々な味付けのドリアが出てきています。
ドリア発祥の歴史は?
ホテルニューグランドに滞在していた外国人銀行家から、「体調が良くないので、なにかのど越しの良いものを作ってほしい」との要望があり、 シェフのサリー・ワイル氏が即興で創作した料理がドリア でした。この料理が大変好評で、 「シュリンプドリア(Shrimp Doria)」 としてホテルの名物メニューになり、今でも続いています。
ドリアを考案したサリー・ワイルはどんな人?
きっかけとなった初代総料理長、サリー・ワイル氏はスイス人。ホテルニューグランド開業時に、30歳という若さでパリから招かれたそうです。
もともとは「 本格的なフランス料理を 」と招かれたシェフでしたが、気軽な食事をできるようにとコースだけでなく一品メニューを取り入れたり、形式にとらわれない自由なスタイルを提案したり日本の料理界に大きな影響を残したそうです。
戦後にスイスに戻られたと語られています。
ホテルニューグランドの歴史
ドリアの日にちなんで発祥のホテル「ホテルニューグランド」についてもご紹介します。
アクセス良好な横浜ど真ん中のホテル
ホテルニューグランドは1927年開業。 山下公園の近く、海沿いにある歴史あるホテルです 。外装や内観もとてもクラシカルなので、ちょっとオシャレをしてお出かけしたいスポットです!
宿泊はちょっとお高めなので難しい…という方は レストランの利用もおすすめ です。結婚式の利用などもとても人気だそうです。チャペルやお部屋にも訪れたことがありますが、クラシカルだけど古くはなくとってもきれいなイメージでした。
細部までこだわっているので まるでヨーロッパに来たかのような雰囲気 が味わえますよ!
ホテルには多くの著名人、チャーリーチャップリン、マッカーサー元帥、ベーブ・ルースなどが訪れたことがあるそう。当時から有名ホテルであったことがわかりますね。
歴史的価値のある建物
ホテルの本館のうち、本館のフェニックスルームとレインボーボールルームは1992年に横浜市認定歴史的建造物となり、2007年には近代化産業遺産の認定を受けました。
開業当時、フェニックスルームはメインダイニングであり国賓級のゲストを迎える場として、またレインボーボールルームは舞踏室として使われていました。ここは今でも当時の趣が残るスポットです。
現在は披露宴や大きな会議、演奏会として使われることもあるそうですが、実はニューグランドは CM・ドラマ・映画・アーティストのMVのロケでも使われている ようです。
東京事変「今夜はから騒ぎ」のMVでは本館2階が使われているので気付いた方も多いようです。他にも、映画「THE有頂天ホテル」に使われたり、CMでは嵐の松本潤さんが出演した「明治チョコレート」、タレントののんさん、滝藤賢一が出演した「かんぽ生命」のCMなど数々の撮影に使用されています。
歴史あるホテルの内装は タイムスリップして時間が止まったような趣ある雰囲気 です。
迫力のある大階段や窓からのぞく庭の緑、クラシカルなソファやカーテンなどとても贅沢な空間!訪れた際にはぜひそんな素敵な空気を楽しんでみて下さい。
ホテルニューグランドは他にも有名メニューがたくさん
当時からあるドリアは、 本館1階にあるコーヒーハウス「ザ・カフェ」 で食べることができます。
ドリアは今でも名物メニューなのは間違いありませんが、実はホテルニューグランドが産み出したメニューは他にもあるんです。
有名なのが 「スパゲッティ・ナポリタン」 そして 「プリン・ア・ラ・モード」 です。今では定番のメニューですが、当時は斬新なメニューだったのかもしれません。
スパゲッティ ナポリタン
略して「ナポリタン」といわれるこのパスタは、本場ナポリのパスタとは全く違うパスタです。2代目総料理長だった入江茂忠氏が、日本にいる米兵が茹でたスパゲッティに塩・胡椒・トマトケチャップをあえて食べているのを知り、アレンジを加えて生み出した一品。
実はイタリア料理だと思っている方もいるかもしれませんが、イタリア人が日本に来てナポリタンを見ると「邪道!」と思うそう。しかしナポリタンはひとつのメニューとして定着しているおいしいパスタですよね。
ホテルニューグランドでは当時の味を楽しむことができます。
プリン ア ラ モード
こちらも発祥は戦後のこと。日本に駐在していたアメリカ人将校のご夫人たちを喜ばせたいと、当時のパティシエが考案したメニューだといいます。
プリンだけでなくフルーツやクリームでデコレーションすることによって、見た目の華やかさや、アメリカ人など体格の良い外国人でも満足できるボリュームを考えて作られたそう。アメリカの「サンデー」と似たような発想で作られたという話もあるそうです。
当時を思いながらドリアを食べてみては?
ドリアもナポリタンもプリンアラモードも今は日本の定番メニューですが、発祥が同じホテルだとは驚きでした。
自宅で食べるドリアやスーパーで購入したドリア、近くのレストランのドリアも良いかもしれませんが、発祥の店のドリアはとっても気になります。
ニューグランドは建物や雰囲気も楽しめるホテル。ちょっとオシャレをして、歴史を感じながら発祥のメニューを楽しんでみてはいかがでしょうか。
やってみよっか?