ヨルダン川は中東を分ける国際河、イスラエル・パレスチナ自治区との国境川であり、川の向こう岸にはイスラエルが位置します。ヨルダン川対岸のベタニアは、ヨルダンの首都アンマンから車で約30分の場所にあります。「下降する川」という意味を持ち、イエスキリストが洗礼者ヨハネに洗礼を受けた場所としても有名です。この場所は現在、組織的な調査、発掘、復興が行われ、巡礼者および観光客の受け入れの準備が進んでいます。
歴史
洗礼者ヨハネはヨルダン川対岸のベタニアという場所で説教と洗礼を授けたと聖書に書かれていますが、この他、ベタニアは、ビザンチンや中世の文献、また現代の考古学でも、聖エリヤの丘であることが判明しています。 1996年以降には陶器、硬貨、および遺跡が、5世紀のビザンチン時代の修道院から発掘されています。また、初期キリスト教徒の「礼拝堂」と言われている、美しい白のモザイク画が施された3世紀の建造物も発掘されました。
見どころ
洗礼者ヨハネがイエス・キリストに洗礼を授けた場所として西暦前の歴史の神秘さを体験できることはもちろん、多数のビザンチン巡礼者の文献で洗礼者聖ヨハネが住んでいたとされる洞窟がここにあったと確認されており、現在は教会に改築されたこの洞窟を見学することが可能です。この教会から少し先には、現在のヨルダン川が流れていますが、ほんの5mほどの小さな川となり、反対岸で行われているイスラエルの巡礼を見ることができるでしょう。