ローマ劇場は、古代ローマの時代に建設された半円形の劇場です。最も低い位置にある舞台を中心に、階段状に座席が広がっています。座席を階段状に作るために、丘の斜面を活用しています。舞台と観客席に太陽の光が届くように、劇場は、北東を向いて建っています。音楽の演奏や劇、集会の際に使われていたと考えられています。舞台の両端の出入り口の後ろにある空間には、それぞれ、伝統文化博物館と民俗学博物館があります。
歴史
ローマ劇場は、2世紀、古代ローマ帝国のアントニウス・ピウス帝の治世に建設されました。この劇場は非常に大きく、急な階段状の座席に、およそ6000人を収容することができます。座席は、大きく分けて、三つの水平な層からできています。層の間にはそれぞれ通路があり、出入口が設置されています。一番下の舞台の両端の出入り口は、オーケストラのためのものです。同様の劇場は、古代ローマ帝国の領土にいくつも見うけられます。
見どころ
最も高い位置にある座席は当時から「神々の席」と呼ばれています。というのは、舞台からは最も遠い位置であるにもかかわらず、最もすばらしい座席だからです。まず、第一に、眺めが大変すばらしく、舞台の全体を一目で見渡せます。さらに、この劇場の構造上、座席に階段状の急な傾斜があり、その傾斜の最も上の位置にあることから、出演者の演奏についても、音響の効果により、はっきりと聞きとることが可能であったと考えられています。