未明のマウナケア山をクルマで登り、途中で満天の星空を、山頂でハワイ島の雲海から登るサンライズ(日の出)、そしてすばる望遠鏡を含めた望遠鏡群の風景を堪能できました。
まずはガイドさん。深夜集合ながらもハキハキ・キビキビ丁寧に対応してくれ... 続きを読むます。特にトイレに関しては、ツアー全体を通して機会・衛生度合・ライト等を気にかけてくれ、女性は安心です。ガイドとしての説明もバッチリで、体調管理の注意点、地理歴史、星空・星座・惑星、ハワイ在住トークなど、幅広く専門的な話をしてくれます。写真も、ツアー客のスマホとガイドさんのカメラの両方でこまめに撮影してくれます。
出発して、車中で一連の説明を聞いたあと、最初にすることは「睡眠」です。高地順応して高山病を防ぐため、標高 2,800 m以上では車中睡眠を強く「非」推奨されます。最初の休憩地まで車内の灯りを消し、音楽もかけてくれるので、眠り足りない人はここで睡眠を摂りましょう。
今回は月の出と雲の状況から、最初の休憩地に向かう途中でクルマを降り、満天の星空を鑑賞し、写真撮影をしました。
最初の休憩地は「マウナ・ケア州立公園」です。トイレが明るくキレイで、気温はまだ 10 ℃ほどでしたが、これからの高い標高の低い気温に備えて防寒着上下を着用します。
次に着いた地は「オニヅカ・センター」です。標高 2,800 mにあり、道中では最も寒い 2 ℃ほどです(日中の麓は 18 〜 24 ℃)。睡眠もここまでで、高地順応を始めます。この間に星空鑑賞するので、時間はあっという間に過ぎます。今回は月も雲も出ましたが、鑑賞に影響はほとんどなく、10 分に 3 回の流れ星、北斗七星・北極星・カシオペア座、夏の天の川、織姫と彦星、全景のさそり座などをキレイに見られました。星座鑑賞のあとは望遠鏡が準備され、織姫星のベガ、さそり座のアンタレス、牛飼い座にありハワイとポリネシアに縁深いアルクトゥルス、土星、月、蝶のように見える星雲を拡大して見ました。ここで温かいココアが提供されるのですが、ハワイ島がカカオの産地だからか美味しく、車酔いと高山病も落ち着いて、ホッとします。トイレに灯りはありませんが、明るいライトを吊り下げて照らしてくれます。
山頂に向かいます。道路に舗装はなく、ガイドさんが路面を選びながら走ってくれるのですが、激しく揺れます。しかしここでは耐えるだけの道中ではなく、空が明るくなり始めるので、白い雲海とあかね色の空、そしてマウナケアの真っ黒な山肌がグラデーションを作り、風景と時間変化を楽しめます。
山頂に近づいていくと、空は透き通った青空になります。しかしながら、麓から見る青空とは色の深さと様子が異なり、標高の高さや宇宙の近さを感じます。そして茶色の山肌に点在する白と銀の望遠鏡群が見えてきて、天体観測や宇宙に興味がある人なら憧れの「すばる望遠鏡」の近くを通ります。
いよいよ山頂です。頂上まで舗装道路が続いているので、クルマから降りたら日の出前の雲海が青白く広がります。太陽が登るところから朝焼けがオレンジ色に雲海を照らし、その左手と反対側には望遠鏡が、右手にはマウナケアの聖なる山頂が見えます。気持ちがはやりますが、酸素濃度は麓の 80 %。高山病の症状であるふらつきや手足のしびれがあるはずなので、急に歩き回らず落ち着きましょう。気温はオニヅカ・センターより温かい 4 ℃と言えど寒いので、高山病の症状緩和と寒さ対策を兼ねながら歩き、自由に鑑賞と写真撮影をしましょう。ガイドさんも様々な写真を撮ってくれます。その間に太陽の頭が雲海から出はじめ、辺りをオレンジ色の朝日で眩しく照らします。太陽が少しずつ登る様子に見惚れていると、雲海から思ったより早く登り出てしまいます。しかしながらその動きは、星空鑑賞のときと同じく、大地と宇宙を感じられ、ハワイ島に来た甲斐があったなと感じられます。
山頂を十分に堪能したら、下山です。ここで固形物であるサンドイッチと、飲み水が配られます。高山病緩和のために食べることを勧められます。私は残念ながら食欲が全く湧かず、ホテルで食べました。日本人に合うしっかりした味付けで、量もあり、美味しくいただきました。帰りの休憩地は行きと同じくオニヅカ・センターとマウナ・ケア州立公園で、防寒着を脱いで返却します。今回は虹が帰り道に出て、青空・白い雲海・灰茶色のツンドラ山肌を背景に、太陽の光を浴びながらキラキラと輝いていました。
ホテル着は朝 9:00 台。8 時間ほどの行程とは思えないほど充実して、変化に富んだ体験でした。ハワイ島に来て自然を感じたい人、特に星空や日の出に興味のある人に強くオススメできるツアーです。
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