【VELTRA STORE】定年退職後に柚子農家への転身でストレスフリーに！ミシュランレストランも認める柚子の可能性とは？

両親から受け継いだ大切な農園柚子の魅力

- まず始めに、柚子農家を始められたきっかけと経緯を教えてください。

最初に私が生まれ育った島根県益田市美都町の話をしますね。

昭和53年から、美都町全体を上げて「柚子の木を植える」ことを推奨するプロジェクトがあり、もともと葉たばこ栽培していた土地を利用してその畑に柚子を植え始めたところから始まったんです。

そのため、美都町内には柚子畑や柚子農家が増えていきました。

私の両親もその例にもれず実家がもともと柚子農家を営んでいました。私は会社員だったのですが、週末や収穫時期などの忙しい時は手伝っていましたよ。柚子の木は私にとってとても身近で、すぐ側にある存在でしたね。

そして、60歳で定年退職したのを機に私が継ぐかたちになりました。

- なるほど。「柚子」というと生産量だと高知県が特に有名だと思いますが、島根県にもそのようなプロジェクトがあったのですね。

はい、高知県に負けず劣らずの品質のいい柚子を作っていると自負しています。近所のスーパーにも「島根県産」の柚子が多く見られますし、東京や大阪などの首都圏のレストラン、パン屋、製菓店、加工所などにたくさん卸しています。

その中で近年始まった大きな取引のひとつに恵比寿の3つ星レストラン「ジョエル・ロブション」に柚子の新芽を卸していることが上げられます。

柚子の皮や実だけではなくて、新芽も料理に使えると説明したところ、ある知り合いの方がご縁を繋いでくださりレストランへ卸すことになったのです。

柚子というと和食のイメージが強いと思いますが、こうしてフレンチレストランにも利用していただけるのは、大変自信にも繋がりますし、柚子の可能性を広げています。

加えて個人のお客様の契約もだんだんと増えてきて、嬉しいですね。

- 澄川さんの柚子の品質が認められて、取引先が増えて行くのは本当に嬉しいですね。現在、VELTRA STOREでも「里親プラン」を販売していますが、これはどのような内容なのでしょうか。

皆さんが行くスーパーなどで見かけるのは、11月頃に収穫された黄色い柚子がほとんどだと思います。しかし、柚子は、5月頃に新芽が出て、9月頃に青玉ができる（これで柚子胡椒などが作れます）、11月頃に黄色玉が収穫でき、2月頃には柚子を加工して柚子酢などを作れるなど、年間を通して様々な方法で楽しめるのです。

それぞれの時期に合わせて一年間に4回、「その時の旬のかたちで柚子をお届けできる」というプランで、一般的な黄色玉以外の柚子も堪能いただけます。

1本の木の里親になるというよりかは、こちらの農園全体で穫れた柚子の中から品質がいいものを厳選してお送りしているんです。

- 市場に出回らない黄色い柚子以外も楽しめる、澄川さんの農園から直送され、品質もよく新鮮なものが自宅に届くのは、いいこと尽くしですね。

そうですね。本来であればお客様にそれぞれの木を割り振って「◯◯様の木」と名付けた方がより愛着が湧くのかもしれませんが、なんせ自然相手なので、1本の木に限定すると品質にばらつきが出てきてしまうのが現実です。そのため、私の農園全体で対応させていただいています。

- なるほど。それはお客様にとってもいい点だと思います。ちなみに、柚子というと”薬味”というイメージも強いですが、家庭でもできるおすすめの柚子メニューはありますか。

たくさんありますよ！うちでは家内がいろいろ工夫してくれて、主役のメニューから調味料まで柚子を様々な料理に取り入れています。

例えば、柚子の皮とわたを大きめに刻んで、氷砂糖と1:1の割合で瓶詰めにして置いておくと、やがてジャム状になります。瓶の下に柚子、上に氷砂糖を置くと砂糖が溶けてだんだんと馴染んでいくんですね。

お湯や水で割ったり、ヨーグルトやアイスクリームにかけたり、パンに塗ったり、本当に万能ですし一年中楽しめます。

このように柚子をメインとして使えますし、家では柚子の佃煮、柚子胡椒、柚子唐辛子も全て手作りしていますよ。

- そうなんですね。柚子は健康にもいいですし、身体の中からきれいになりそうですね。

生活や心境の変化も～澄川さん自身について～

- 先程伺いましたが、もともとは会社員で60歳の定年退職を機に柚子農家を継いだとのことですが、生活や心境の変化はありましたか。

生活のリズムも、精神的にもとても変化した気がします。会社員の時は、組織の中のひとりとして、プレッシャーやストレスがたくさんあったように思います。

業務上、社用携帯も持っていて常に仕事のことが頭にあって、知らず知らずのうちに疲れも溜まっていたのかもしれません。

一方、農業を継ぎ、柚子の木に向き合うようになってからは、圧倒的にプレッシャーも減りストレスもなくなりましたね。

もちろん、自然相手なので「今年の品質はどうかな」「収穫も問題なくできるかな」といった心配事はありますが、自分でスケジュールも管理できて、好きなようにできるのがいいです。

気持ちに余裕ができたのが、一番大きいですね。

- そうなんですね。ストレスなく毎日を穏やかに過ごせるのは幸せなことですね。

本当にそうだと思います。今は、家内と私が中心となって営んでいて、子ども達も孫たちもみんな一緒に暮らしているので、休みの日には手伝ってくれています。

地域みんなでコミュニケーションを取りながら頑張っていますよ。

- 家族皆さんで育てている柚子、いただいてみたいです。会社員時代と仕事内容も異なると思いますが、柚子農家をしていて大変なことや、逆に嬉しいこと・やりがいはどんなところですか。

大変なことのひとつとしては、柚子の棘による怪我があることですね。実は柚子の木は棘が鋭いので、軍手では全く意味をなさないんです。いつも厚手の革手袋とヘルメットで守りながら細心の注意を払っていますよ。収穫時期でなくとも、剪定作業の時などいつも棘の危険と隣り合わせなのが、一番大変で気を付けている部分ですね。

逆に嬉しいことややりがいは、「柚子の実を作る」という仕事で、結果だけでなくその過程も見届けられるということですね。

実の収穫は11～12月ですが、剪定作業をして、消毒、草刈り、新芽摘みなど、一年中やることがたくさんあります。その過程に向き合ってだんだんと実が育っていくのを見るのは日ごとににやりがいを感じられます。

出荷した後も、お客様に「いい柚子ですね」とお褒めの言葉をいただいた時は、喜びもひとしおですよ。直接声が届くのは日々の仕事が報われた気持ちになります。

- 最後に、このサポートプランに参加を検討しているお客様にお伝えしたいメッセージをお願いします。

一般の方にとっては、冬に収穫できる黄色い柚子の実が主なイメージかもしれませんが、実は柚子は年間を通して様々なかたちで楽しむことができます。

東京や大阪のレストランに卸している「新芽」は天ぷらにしても美味しいですし、柚子の花（白い花）はお吸い物に浮かべると柑橘系の香りがします。見た目にも華やかで日本料理屋さんなどで使われていますよ。

夏に穫れる柚子の青玉は柚の香りが力強いので、焼き魚や揚げ物にサッと絞るのがおすすめ。2月頃にお届けする柚子酢はポン酢や酢の物に使ったりと本当に捨てるところがないほどです。

市場には決して出回らないものもあるので、ぜひこのプランをきっかけに、島根県益田市産の柚子を余すことなく味わってほしいです。

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インタビュー後期

とても優しい語り口調の中に、ご自身の柚子への愛情が溢れていた澄川さん。

きちんと手間ひまかけて、受け取るお客様の顔を思い浮かべながら、大切に柚子を育てている様子が伺えました。

そんな貴重で美味しい柚子をご家庭で楽しめる素敵なプラン。ぜひお試しくださいね！