【ペルー】ナスカの地上絵の基本情報や謎とは?世界のミステリーに迫る!
未だ解明されていない南米ペルーのミステリーの一つ、ナスカの地上絵。
巨大な絵が描かれていることで知られる古代ナスカの遺跡ですが、現代になっても新たに多くの地上絵が発掘されているため、度々ニュースにも取り上げられている話題の遺跡です。
この記事では、世界遺産にも登録されているナスカの地上絵について、実際に訪れた体験をもとに詳しく紹介していきます!
ナスカの地上絵とは?
ペルーのナスカ川とインヘニオ川に囲まれた平坦な砂漠の地表面に、今からおよそ2000年前頃に描かれた様々な絵の総称を「ナスカの地上絵」といいます。
砂利の色分けによって幾何学図形や動物の絵などが描かれており、 古代ナスカ文明の遺産として「ナスカとパルパの地上絵」という名称で世界遺産に登録 されています。
20世紀前半に米国の大学教授が飛行中に地上絵を発見してから、 現代になっても新たな絵の発見がされている遺跡 で、2020年にも新たに「ネコ科の動物の絵柄」が発見されたとニュースで取り上げられています。そのため、まだ見つかっていない絵が数多く存在しているのではないかと推測されています。
広大なエリアに描かれる地上絵
ナスカの地上絵が描かれているエリアは縦横30kmもある広大なエリアの中に 千数百点もの数の巨大な図形が描かれています 。あまりにも巨大な絵が多く、空からでないとほとんどの地上絵の全体像が把握しにくいため、ナスカの地上絵を見るには セスナ機などに乗って上空から眺める のが一般的です。現地からもたくさんの日帰りツアーなどが出ています。
見学に搭乗するセスナ機はどんな感じなのか?
筆者が実際に搭乗したセスナ機にはパイロットが1人乗っていて、パイロット席の隣に1席と後方座席に2席の座席がある小型のセスナ機でした。地上絵を見学するためのセスナ機なので同様のタイプの飛行機が多かったです。
パイロットがマイク付きヘッドフォンを通し、ガイドをしながら見どころを回ってくれる ので、乗客もヘッドフォンを着用し説明を聞きながら遊覧飛行を楽しむことができます。 セスナ機の両サイドに窓があるので、左右どちらに座っても見やすい ようになっていますし、旋回しながら回ってくれるので見逃しがなく楽しむことができますよ。また、事前にナスカの地上絵のマップが配布されるので、大体の位置関係を把握しながら見学することができるので分かりやすかったです。
飛行中は、地上絵はもちろんナスカの砂漠地帯や南太平洋の海岸沿いの景色も一望することができ、 空からの絶景を楽しむことができます!
ミラドールからの見学
ナスカの道路沿いに設置してある「ミラドール」と呼ばれる約20mの高さの観測塔の上からも、地上絵の一部を見ることができ、 地上絵のすぐ近くまで行くことができます 。
地上絵の「手」と「木」の一部などが見ることができますが、全体像が把握しづらいため、ナスカのスケールの大きさやはっきりとした地上絵を楽しむには、やはりセスナ機からの見学をおすすめします!
地上絵の謎
なぜ巨大な地上絵が描かれたのか
なぜ砂漠地帯に無数に巨大な地上絵が描かれたのかということは、現在もなお大きな謎の一つとされています。
ナスカの地上絵のエリアから川を挟んだ南側にはカワチの階段ピラミッド群があるため、そのナスカの地上絵との関係性は深いと考えられているようですが、雨乞いのために描かれたという説や、農耕や水に関わる儀礼に使われたという説など様々です。
どんな絵が描かれているのか
ナスカの絵はたくさんの特徴を持つ絵が描かれおり、その大きさも数m~数百mと様々です。
直線が多く描かれている
ナスカの絵の特徴の一つに、直線が多用されていることがあります。直線の数は800にもなるともいわれ、長いものではなんと48kmになるものもあります。
幾何学模様が多く描かれている
三角形や四角形、台形などを組み合わせたものや、波型などの幾何学模様が多く描かれているのも特徴です。
動物や植物が描かれている
コンドルやハチドリ、蜘蛛、ひよこ、クジラ、サルなどの動物のほか、サボテン、花や木などの植物など多岐に渡ります。
宇宙と交信している?
描かれる絵の中には、宇宙飛行士と思われる人型の絵や、人またはロボットのような絵なども描かれているために、宇宙と何か繋がりがあるのではないか?などと推測されることもあります。
どのようにして描かれたのか
ナスカの地上絵が描かれている盆地の表面は暗赤褐色をしていますが、表面の石や岩を取り除くと淡い砂色の岩面が現れます。そのため、幅1m~2m程、深さ20cm~30cm程度を地表から取り除いて、 色のコントラストをつけながら地上絵の線を作っていった と考えられています。
しかし、巨大で精巧な図を描くためには高度な測量技術と数学的な知識が必要とされるため、どのようにして高精度な絵が描かれたのかは今も謎に包まれています。
地上絵が保存しやすいナスカの気候
ナスカは 年間を通してほとんど雨が降らず乾燥 しており、夏でも気温は20℃~30℃、冬でも15℃~25℃くらいと過ごしやすい気候です。ナスカ台地は、海岸から40km~60kmほど内陸側に位置しており、海岸沙漠台地のため、 植物もほとんど生育していないのが特徴 です。
このようなナスカの極端に少ない降水量と地形が地上絵の保存状態にも影響していると考えられ、何千年もの間、浸食されずに残っているようです。
パルパの地上絵
ナスカの地上絵のエリアのすぐ北側、川を挟んだ先には「パルパの地上絵」と呼ばれる地上絵も存在しています。こちらは観光地化されていないので一般にはあまり知られていないようですが、ナスカの地上絵と同じぐらい広大な山岳地帯にあり、ナスカの地上絵よりもさらに古く、3000年ほど前に描かれたものといわれています。フリーハンドで書いたような 人間のような絵が多く描かれ、山腹に多く描かれているのが特徴 です。
パルパの地上絵を見るには、ナスカの地上絵とセットで回れるツアーを利用しての遊覧観光が一般的です。
ナスカの地上絵へのアクセス
ナスカへのアクセスの起点となるのは、ペルーの首都リマ です。
しかし、日本から南米までは直行便が飛んでいないので、アメリカで乗り継ぐ場合が多いです。また、乗り継ぎが1回〜2回必要になることが多く、所要時間も20時間〜30時間ほどになり丸一日かけての移動となり、ナスカまでの道のりは遠いです。
そして、リマから ナスカの街 までは車で6時間以上かかるのですが、ナスカ観光のもう1つの始点、ナスカの手前の町 イカの街 であればリマから車で4時間ほどです。
現地からのツアーではリマ発の観光ツアーに参加するのが便利ですが、日本からのパッケージツアーなどではイカ空港から小型セスナに乗り、ナスカの地上絵を目指すケースが多いようです。
ペルーのミステリーに触れる旅
実際に地上絵を目にすると、こんなにもはっきりと見えるのか!と驚く方も多いと思います。機上から見下ろすとなると双眼鏡でもないと見えないのではないかと不安でしたが、肉眼でもきちんと認識できるのが魅力の地上絵です。もちろん何がモチーフか分からないような絵もあるのですが、はっきりと形が分かる地上絵も多く、一体何のために、誰に見せるため描かれているかと謎が深まります。今後、さらに新たな地上絵が発見されるのではないかという期待も膨らみます。
多くの謎に包まれたペルーへの旅に出かけてみませんか?
出典・参考
やってみよっか?