【長野 - 里山トレッキング体験記】ブナ林と北アルプス展望の「四阿屋山(あずまやさん)」に挑戦しよう!
夏も近づき、今年は登山デビューしようと考えている人も多いのではないでしょうか?日本一の富士山や猛々しい日本アルプス…憧れますよね。
しかし、いきなり高山に挑戦するのはちょっと待った!登山はステップアップしながら体力と経験と知識を積み重ねていくものです。
そこでおすすめなのが里山登山です。標高が低く人々の暮らしに近い里山は、登山のステップアップにうってつけ!
今回の記事では、信州の中部筑北村にある「四阿屋山(あずまやさん)」をご紹介します。
「四阿屋山」とは
四阿屋山は、長野県東筑摩郡筑北村と麻績村にまたがる 標高1387mの山 です。古くから地元民に 治水の神 として崇められており、山頂にある 四阿屋神社奥本社 では毎年春と秋に五穀豊穣を願い祝詞が上げられ、多くの村人が拝登に訪れます。
山頂手前の展望台からは 筑北村ののどかな田園風景 と 背後にそびえる雄大な北アルプス が望め、山頂の社叢にはブナの原生林が静かに息づいています。
【筑北村から望む四阿屋山】
「あずまや」という名前の通り、四阿(東屋)に似た山容は四方八方に尾根が出てゆったりとした姿が特徴です。
登山コース
四阿屋山には4つの登山コースがあります。
中村コース
- 登りコースタイム:90分
- 下りコースタイム:60分
- 往復距離:約4.8km
- 標高差:約500m
- レベル:中級
- おすすめポイント: 石造物群、権現池、展望台など楽しめるスポットが多い
- 駐車場:5台(路肩)
刈谷沢コース
- 登りコースタイム:60分
- 下りコースタイム:40分
- 往復距離:約2.6km
- 標高差:約330m
- レベル:初級
- おすすめポイント: 最短で四阿屋山山頂に行ける
- 駐車場:10台(路肩)
栃平沢コース
- 登りコースタイム:60分
- 下りコースタイム:40分
- 往復距離:約4km
- 標高差:約500m
- レベル:中級
- おすすめポイント: 尾根直登ルートが楽しめる
- 危険個所:急坂で足場の悪いところがあるので転倒・滑落注意
- 駐車場:数台(路肩)
草湯温泉コース
- 登りコースタイム:120分
- 下りコースタイム:90分
- 往復距離:約6km
- 標高差:約650m
- レベル:中級
- おすすめポイント:3つの鳥居をくぐりながら行く 四阿屋神社参拝コース 。山頂下のブナ林が美しい。
- 危険個所:4つのコースの中で一番距離が長く急登なので体力が必要
- 駐車場:数台(登山口付近)、5台(登山口手前の四阿屋神社里宮前スペース)
トレッキング体験記【中村コース】
2023年5月1日 に登りました!天候は晴れ、無風の絶好登山日和です。登山好きの30代男女2名(最近やや太り気味&体力低下気味)がのんびり登ります。
12:20 中村コース登山口
林道を道なりに進むと左側に登山口があります。
案内板に「中村登山口」「中村コース」等の記載はありませんが、山頂まで2.4kmのこの場所が中村登山口です。 大きな案内板 があって分かり易い。
登山口から150mほど歩くと、 隠畑(土塁) があります。
隠畑(かくればた) とは、農民が隠れて耕作し租税を免れる田畑のことです。今でいうと脱税のようなものです。そして 土塁 とは、土を堤防のような形に盛り上げて築いた砦です。敵の侵入を防ぐのが主な役割といわれています。
先祖たちの生活を直に感じられるのも、里山登山の魅力です。
登山道は 整備されており、道標もしっかりしている ので迷いそうな所はほぼありません。
木々のざわめきは森林浴にぴったり。鳥たちのさえずりも聞こえ、 バードウォッチング も楽しめそうです。
中腹には 「権現池」 という窪地があります。 湧き出る清水は名薬 として地元民に重宝されてきました。
権現池を過ぎる徐々に傾斜が出てきて、木々の間から村の全景が見下ろせるようになっていきます。
13:25 展望台
登山開始から約1時間後、 展望台 に到着です。筑北村の田園風景と聖山等の里山、そして奥には 北アルプスの美しい展望 が広がります。南は乗鞍岳、北は新潟の妙高山まで見渡せました!
13:35 四阿山屋山頂
展望台から10分ほど登れば山頂に到着です。山頂は周囲を木に囲まれ展望はありませんが、木々の間から筑北三山のひとつ、 冠着山(かむりきやま) が綺麗に見えました。
(※筑北三山…四阿屋山、冠着山、聖山)
山頂下には 四阿山屋神社奥社 があり、周囲にはブナの大木が美しくそびえます。四阿屋山のブナ原生林は、村指定の天然記念物に指定されています。
この日(5月1日)は春の参拝の日だったため、 祝詞が上げられ多くの参拝者が訪れていました 。秋には 9月1日 にまた祝詞が上げられるのだと、参拝に来られた地元の方が教えて下さいました。参拝者は草湯温泉コースを登るようです。
さあ、奥社に参拝を済ませ、ブナ林の力強い幹と澄んだ空気を思いっきり堪能したら同じコースで下山です。
14:35 「御嶽石造物群」に寄り道
まだ余力のある方は山麓近くにある 「御嶽石造物群」 に寄り道しましょう。コース上にはなく、道標があるのでそれに従います。10分ほどの急な坂道を登れば到着です。
四阿屋山を背に、山を守るかのように石仏が置かれています。素朴ですが力強い姿です。
14:55 中村コース登山口下山
登りも下りも危ない箇所は無く 安全に登山が出来ました。 道も道標も整備されて歩きやすかった です。
「四阿屋山」にハマる人はきっとこんな人!
- 静かな登山をしたい
- 田園風景と北アルプスの景色を堪能したい
- ブナの原生林を見たい
- マイナーな渋い山に登りたい
- 魅力的な低山に登りたい
アクセス
- 中村・刈谷沢・栃平沢コース…長野道麻績IC下車→国道403号線の松本・明科方面へ右折→JR篠ノ井線「坂北駅」通過→碩水寺(せきすいじ)方面→東山地区から「広域林道四阿屋線」に入る→中村コース登山口、刈谷沢コース登山口、栃平沢コース登山口、の順番にある。
※「広域林道四阿屋線」に入る際のゲート(鹿・猪の進入防止柵)は通ったら必ず閉めてください。
- 草湯温泉コース…県道55号線沿い「直売所まんだらの庄」の横から村道に入る。
トイレ情報
登山口、コース上にトイレはありません。
服装・装備
身近な里山ですが、山の装備はしっかり揃えていきましょう。
服装
- Tシャツ・長袖Tシャツ(速乾性のもの)
- 中間着(薄手のフリースなど)
- 防寒着(ダウンジャケットなど)
- ストレッチ性のあるズボン
- トレッキングシューズ又は登山靴
- 帽子(夏は日差し除け用・冬は防寒用のもの)
- 手袋、下着、靴下は可能ならアウトドア用のもの
季節に応じて調整してください。
装備
- ザック
- 地図
- ヘッドライト
- 行動食
- 水筒
- レインウェア
- 携帯電話
- トレッキングポール(必要な方は)
- その他…スパッツ(雨天時)、ビニール袋、トイレットペーパーなど
筑北村役場公式ウェブサイト → おでかけガイド → 観る・体験する → 四阿屋山 に詳しいトレッキングマップが載っています。
さあ、四阿屋山で里山を楽しもう!
景色も木々も魅力的な四阿屋山。 水の恵みとブナの原生林に出会う旅 が待っています♪ぜひお出かけください!
やってみよっか?