<長野&岐阜>イベント参加レポート!国立公園へでかけよう 松本高山Big Bridgeプロジェクト
旅行やレジャーのあり方が見直されている近年、長野県松本市・岐阜県高山市・環境省などの関係者が協力して「松本高山Big Bridge構想実現プロジェクト」が発足しました。
大自然の中では周りを気にせず開放的になれる、自然がつくり出す息をのむような絶景に出会えるなど、アウトドアの魅力はたくさんありますが、このプロジェクトは「世界をリードしていくだろう」という点でも注目を集めています。
今回、その大注目プロジェクトのビジョン・ストーリー等発表イベントにオンラインで参加させていただきました。その様子と当日の発表者の方々の熱意をお届けします!
今日本で空前の「アウトドア」ブーム
2020年より世界的に流行している「新型コロナウイルス」。旅行やおでかけのあり方も見直され、人と人との距離を保つこと、混雑を避けることが当然となり、私達のレジャーのあり方も変革を遂げました。
そこで訪れたのは、空前の「アウトドア」ブーム。大自然の中でゆったりと過ごせ深呼吸できる環境は、今の私達にとって大きな開放感と喜びを与えてくれます。
日本の国立公園を世界水準の「ナショナルパーク」としてブランド化!
現在、環境省では、日本にある国立公園を日本に住む人のみならず、世界へ向けて発信し「ナショナルパーク」としてプロモーションするという「国立公園満喫プロジェクト」を推進しています。
この代表的なプロジェクトのひとつが、今回、長野県・岐阜県にまたがる中部山岳国立公園の南部地域を挟んで、松本市街地と高山市街地を繋ぐ横断ルートを”Big Bridge(大きな架け橋)”と位置づけ、多彩で上質な体験と滞在ができる魅力的な観光ルートに磨き上げていくというものです。
今回私は、その「ビジョン・ストーリー等発表イベント」にオンラインで参加させていただきました。
そこは、環境省ご担当者に松本市と高山市の両市長、各関係者が集い、このプロジェクトへの熱い想いや将来への希望が溢れる有意義な空間でしたので、読者の方々にも共有したいと思います。
松本高山Big Bridge構想とは
観光ルートの紹介
今回のプロジェクトの起終点になっているのは「松本市」と「高山市」です。移動距離にして約80kmであるこの広大な自然の中を、訪れた人が好きなように移動し、好きな方法で楽しんでいただこうという多くの方法を提案していきます。
松本城、歴史を感じられる古い良き時代の街並み、3000m級の壮大な山岳、高原ならではのアクティビティに加え、各所の絶景や最上のリラクゼーションの温泉など、「日本の屋根・北アルプス」と評されるこの場所には、多くの魅力が詰まっています。雄大な大自然であると同時に、松本高山という2つの中都市がコンパクトに集結しているこのエリアだからこそ、実現し得る理想的なプロジェクトと言えるでしょう。
その実現に向け、環境省と地域の人々が一体となって、まさに今スタートを切ったところです。
松本高山の歴史について
前述の通り、長野県松本市と岐阜県高山市は中部山岳国立公園南部地域を間に挟み、明治初期には「筑摩県」として長野県南部~飛騨地方を含む1つの県でした。
その後、現在の長野県・岐阜県に分かれた後も、松本~高山間は野麦街道やブリ街道などが整備され人と物資の交流が頻繁にあったそうです。
そして、昭和28年に国道158号が完成したことにより、以前よりも増して人々が往来しやすい環境となりました。
昔より松本市と高山市は強い繋がりがあり、令和3年度には姉妹都市提携50周年の節目を迎えています。そして、その象徴として、「地元民にとどまらず、国内外にアピールできる観光エリアを」「さらなる交流と発展を願って」という熱い想いのもと「松本高山Big Bridge構想」が誕生しました。
ビジョンの紹介
以下は、イベントで各関係者の方々が高く掲げていた当プロジェクトのビジョンです。
「新しい発見・体験をしたい」「驚きに出会いたい」「探究心がある」
そんな旅人が通りたくなる、日本横断のブリッジルートをめざして
私たちは、自らの人生を営むこの地域が、日本列島で最大級の標高差があり、かつ、日本アルピニズム発祥の地であることの誇りを持ち、3000m級の急峻な山々とその恵み、四季を身近に感じる暮らし、自然への畏敬の念から発せられる文化を通じて、松本〜高山間を横断する旅人がいつ、どこを訪れても、新しい発見・体験・驚き・探究心を得られるよう、エリア一体となって提供します。
①環境への貢献
自然との良い付き合い方を、旅人と私たち住人がお互いに学び合うこと。
②人生への貢献
旅人に滞在して良かった、また滞在したい、と思っていただくこと。
③社会への貢献
旅人と私たち住人それぞれが持続可能になること。
松本~高山間を通り抜けることで、こんな貢献ができるブリッジルートにしていきます。
( プロジェクト特設サイト より引用)
松本高山Big Bridgeプロジェクト発表イベントに参加して
プロジェクトチーム(登壇者)の紹介
イベント当日には、環境省の担当者、松本市・高山市の市長、地元の事業主の方々など、このプロジェクトに携わる方々がご登壇されました。
どの方もそれぞれの立場でこのプロジェクトへの期待や野望を語っていましたが、とても印象的だったのは「皆さんが同じゴールに向かってこのプロジェクトを成功させよう」という姿勢でした。
ここでは、その中心でもある3名のコメントの一部をご紹介します。
環境省 中部山岳国立公園管理事務所 所長 森川政人(もりかわ まさと)さん
日本には34の国立公園があり、このプロジェクトがそのトップを走っていくんだという気概で挑んでいます。環境省では、これまでも地域の皆と力を合わせて、この国立公園の景観・生態系の保護に取り組んできました。しっかり保護されてきた、してきたからこそ、人々の心を震わせる体験を提供できると思っています。今後も保護はしっかりしていき、その上で最高の体験を提供すべく、環境省として、プロフェッショナル意識を持って地域の皆さまとも力を合わせて取り組んでいきたいです。
観光エリアとしてツーリストに認知していただく過程で、現場での受け入れ体制も同時に整えなければなりません。その両方を並行して取り組むことで「持続可能な地域」が実現し、訪れた方々に「最高の体験」を届けられると思っております。
長野県松本市 臥雲義尚(がうん よしなお)市長
私が生まれ育った松本市で、松本高山Big Bridge構想実現プロジェクトが始まることに大きな期待を抱いています。新型コロナウイルスの影響で働き方や生き方に大きな変化があり、「アウトドア」「自然」「環境」に対する比重や意識も大きくなってきている実感がございます。そのような流れの中で、「自分達が先駆けになっていくんだ!」という強い想いを持って、関係者の皆さまと一緒に進んでいきたいと思っております。
例えば、当プロジェクトの要でもある「乗鞍(のりくら)高原」ですが、環境省により「ゼロ・カーボン(脱炭素)パーク」に選定されています。小水力発電やEVバスの使用など、環境にも十分に配慮することで、真の「サスティナブル・ツーリズム」を実現できると思っています。
岐阜県高山市 國島芳明(くにしま みちひろ)市長
松本市と高山市は姉妹都市提携をして51年(半世紀以上)となります。
今までも多くの発展を続けておりますが、今回環境省、国土交通省のお力添えでさらなるステップアップをできるのだと、大きな期待と責任を感じております。
高山市は文化や歴史を存分に感じでいただけるエリアで、年間470万人(コロナ流行前は海外から60万人以上)もの多くの方に訪れていただいておりました。
この新型コロナウイルスが転換期として、「自然」「アウトドア」に対しても「人間と戦うもの」ではなく「共に生きる、一緒に生活を送る」という風に捉えるようになりました。
そして、それらは観光や地域振興にも大きな役割を果たすと感じています。
これから、行政界を跨いで利用推進ができるDMOの組織化も視野に入れて、県と県、市と市、民間の皆さまと一緒に、力を合わせて取り組んでいきたいと思っています。
★★5月27日松本高山Big Bridgeプロジェクト発表イベントの様子(動画)は こちら からご参照いただけます ★★
松本高山間ルート名称投票キャンペーンの実施
多様な横断ルートの総称として、ルート名称を本地域に縁(ゆかり)のある皆様方・愛していただいている皆様方(住んでいらっしゃる方、働いていらっしゃる方、来訪者、来訪予定者、来訪希望者、かつての来訪者といった方々)とともに決めていきたいと考え、本キャンペーンの実施を決定しました。
キャンペーンサイトにアクセスして、候補案3案の中から、あなたが気に入ったルート名称案に投票することができます。もし、イチオシの名称アイディアをお持ちであれば“4案目”として回答することも可能です。投票いただいた方の中から抽選等で、当エリアへの旅のご招待や地域の素敵な賞品をプレゼントします!
特賞は、旅のご招待に加え、あなただけに贈る素敵な”Big Bridgeプロジェクト“に関わる特典もご用意しています。
1人でも多くの皆様に、このエリアの新たな挑戦を応援していただけることを願っています。
<実施期間:2022年7月1日(金)~11月15日(火)>
ぜひ、以下よりキャンペーンにご参加くださいね!
松本高山Big Bridgeを世界レベルの国立公園へ
日本中、世界中のどんな旅人へも、自信を持って誇れるであろう「松本高山Big Bridge」構想。このBig Bridgeの実現により、自然と人間を繋ぐだけでなく、2つの場所の地元民の交流、観光で訪れた国内外の人とのコミュニケーション、地域活性化などさまざまな機会が生まれます。一人ひとりが自分の生活、価値観、最終的には人生をも見直し、大自然に囲まれながら多くのことを再発見できることでしょう。
SDGsやカーボンニュートラルなど、環境に配慮した姿勢が求められている今でこそ、このプロジェクトは世界をリードしていく躍進的なものであると、イベントに参加しながらとてもワクワク感じました。
プロジェクトの成功を見守るとともに、日本の国立公園や環境、自然との共存を見直すきっかけになっていただければ嬉しいです。
出典・参考
やってみよっか?