【12月 - 京都伝統行事】冬の風物詩「大根焚き」とは?由来や楽しみ方
12月に京都でおこなわれる伝統行事「大根焚き」をご存知ですか?
「大根焚きがおこなわれると冬の到来を感じる」と言われるほど、京都では冬の風物詩として古くから親しまれています。
今回は、京都の風物詩「大根焚き」の由来や楽しみ方、楽しめる場所などをご紹介します。
「大根焚き」ってどんな行事?
「大根焚き」は、 京都のお寺で寒い冬に諸病封じ、健康増進を祈願するためにおこなわれる伝統行事 で、「だいこんたき」ではなく 「だいこたき」 と言います。
どのお寺でも、 大量の大根を煮て参拝者に振る舞うということは共通しています 。
昔から大根を煮たものを食べると中風にならないと言われており、 参拝者は無料息災を願いながらアツアツの大根をいただきます 。
多くのお寺では12月におこなわれていますが、1月や2月におこなうところもあります。
「大根焚き」の由来は?
「大根焚き」の由来は諸説ありますが、先駆けと言われている千本釈迦堂では、鎌倉時代に茲禅上人が大根の切り口に梵字を書いて、魔除けにしたことが起源とのこと。
魔除けとされた大根を炊き、参拝者に振る舞ったのが「大根焚き」の始まり なのだそうです。
「大根焚き」の楽しみ方は?
「大根焚き」に訪れたら、大根焚きの券が販売されている場合は券をまず購入しましょう。
せっかくお寺を訪れたのですからしっかりとお参りをするのがおすすめ。 それぞれのお寺は参拝するだけでも価値があり、この行事に合わせて重要文化財が公開されたりもするため必見 ですよ。
さらに境内では お寺で御祈願された生大根が販売されていたり、この行事限定の特別なお守りの授与があったりと見どころが満載 !「大根焚き」ならではの雰囲気を存分に堪能しましょう。
ひと通りお寺を満喫できたら、購入した券と引き換えにアツアツの大根焚きを受け取ります。受け取った大根焚きは、 無料息災を願いながら 美味しくいただきましょう。
お寺によっては別途料金で持ち帰り用のパックが販売されているので、全部食べ切れない場合は持ち帰ることもできますよ。
振る舞われる大根焚きは、お寺によって味付けなどがさまざま。 自分好みの大根焚きが振る舞われるお寺に訪れるとより楽しめますよ。
また、お寺によって大根焚き券にプラスアルファの特典が付いていることもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
12月に「大根焚き」を楽しめるお寺
ここでは、2022年12月におこなわれる人気の「大根焚き」を楽しめるお寺を開催日が早い順にご紹介します。
妙満寺
大根焚き情報
- 開催日:12月4日
- 開催時間:11:00~14:00
- 料金:1,000円
妙満寺は、清水寺の「月の庭」、北野天満宮の「花の庭」とともに、 名庭「雪月花の三庭苑」のひとつとして称されている「雪の庭」で有名なお寺 です。
お釈迦様が悟りを開いたことを喜び、心から感謝する法要「成道会」の後に、厄除招福と健康を祈願して大根焚きが振る舞われます。
こちらの大根焚きチケットには、 通常500円する拝観料や、絵馬祈願料込になっているためかなりのスペシャルプライス になっています。
大根焚きは、 大きな大根2切れと油揚げ1枚の上に、柚子の皮が添えられているのが特徴 。フワっと香る柚子の香りが爽やかです。
12月上旬は境内を彩る名残の紅葉も楽しめるので、美しい景観とともに美味しい大根焚きを満喫できますよ。
千本釈迦堂
大根焚き情報
- 開催日:12月7日・8日
- 開催時間:10:00~16:00
- 料金:1,000円
千本釈迦堂は、 全国のおかめ信仰の発祥の地として知られるお寺 。千本釈迦堂の「大根焚き」は、 京都の「大根焚き」の中でも特に有名 です。
こちらの大根焚きは、 加持祈祷されて梵字が書かれた大根を使用しているのが特徴 。直系1mほどの大きな窯で煮込んだものが接待されます。
大ぶりにカットされた大根3切れに油揚げ1枚がのせられており、 京風の昆布出汁で味付けされたあっさりとした味付け です。
開運厄除祈願の小さな護符が添えられた「祈祷済み生大根」の販売や、特別記念の大根の根付御守の授与もあり、購入する人の姿もよく見かけます。
また、「大根焚き」がおこなわれる2日間は、 通常拝観料が必要な国宝の本堂が無料で特別公開され、普段はなかなか見ることができない重要文化財のご本尊・釈迦如来坐像も開帳される ので、これだけでもお参りに訪れる価値がありますよ。
了徳寺
大根焚き情報
- 開催日:12月9日・10日
- 開催時間:9:00~16:00
- 料金:1,000円
了徳寺は、 親鸞聖人の「すすき塚」の伝説で知られる お寺です。
親鸞聖人が了徳寺を訪れた際に村人たちに教えを説き、そのお礼として村人たちが焚いた塩味の大根でもてなしたのが、こちらの「大根焚き」の始まりと言われています。
喜んだ親鸞聖人は、すすきの穂を束ねて筆として鍋の残り煤で「帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」という十字の名号を書いてお礼として残したそうです。
それ以来すすきの名号を徳として報恩講がおこなわれるようになりました。
毎年「大根焚き」では、 3,000本の青首大根がかまどで炊き上げられ、参拝者に振る舞われます 。使用する青首大根は、 京都府亀岡市篠町で作られたもの 。
ホクホクの大根に揚げ豆腐が1枚添えられており、 味付けは薄めの醤油ベース になっています。
通常の大根焚きの券のほか、かやくごはん、大根葉のおひたし、たくあんが付く券も販売されているので、お腹を空かせて行きこちらを利用するのもおすすめですよ。
蛸薬師堂
大根焚き情報
- 開催日:12月31日
- 開催時間:10:00~無くなり次第終了
- 料金:無料
蛸薬師堂は、 京都の繁華街「新京極通」にあるお寺です。
蛸にまつわる伝説のあるお寺 で、堂内には「なで薬師」と呼ばれる木彫りの蛸があり、左手で触れるだけであらゆる病が癒されると云われています。
こちらの「大根焚き」は 毎年12月31日の10時からおこなわれており、旬の大根をいただいて1年の厄を落とし、無病息災を祈願して新年を迎える京都の年末の風物詩 になっています。
こちらでは、 しっかりと醤油で煮込まれた大根2切れと油揚げが無料で振る舞われる とあって、開始と同時に多くの人が訪れています。
また、 正午からは500円で年越しそばの用意 もあります。京都のお寺で年越しそばが味わえるのは大変珍しく人気。
御堂の中で、仏像などを眺めながらゆっくりといただける のもうれしいポイントです。
大根焚き、年越しそばのどちらも無くなり次第終了なので、早めに訪れるのがおすすめですよ。
美味しい大根を味わって無病息災を祈願しよう
京都にはさまざまな伝統行事がありますが、「大根焚き」は無病息災を願いながら旬の大根を炊いた大根焚きを味わう冬の風物詩。
お寺ごとに由来や特徴があり大根焚きの味も違うので、いろいろめぐるもよし、自分の気になるお寺に訪れるもよしです。
ひと味違った京都を楽しみにお出かけしてみませんか?
出典・参考
やってみよっか?