【百名山】美しき薩摩富士・開聞岳に登ろう!その魅力と登山コースをご紹介<鹿児島>
鹿児島県の薩摩半島南端。海からそびえ立つ美しい山容から「薩摩富士」と呼ばれる山があるのをご存知ですか?その名は「開聞岳(かいもんだけ)」。形の美しさと登山ルートの楽しさ、山頂から絶景で人気の高い山です。
この記事では、そんな「眺めてもよし、登ってもよし」の開聞岳の魅力を探っていきます。
開聞岳とは
開聞岳は、 薩摩半島の最南端に位置する独立峰 で、 日本百名山の1つ に数えられています。 整った円錐形の山容 と 麓の裾野 が美しく、まさに 指宿のシンボル 。戦時中には、知覧基地から出撃した 若き特攻隊員 が 開聞岳を眺めながら祖国と父母に別れを告げ 死への旅路に向かったと言われており、深い悲しみも抱えています。 登山としての人気も高く 、九州だけでなく 日本全国から 登山客が訪れます。
住所
鹿児島県指宿市開聞十町(いぶすきし かいもんじゅっちょう)
標高
924m
火山の種類
円錐型が特徴の コニーデ式火山 の上に、固まった溶岩が地上に押し出される トロイデ式火山 が乗っている 「二重式火山」 。 活火山 。
開聞岳の魅力
「薩摩富士」と呼ばれる美しさ
海からそびえ立ち、周囲には大きな山がないため、薩摩半島南の多くの地域からその姿を拝むことができます。
登山道地図を見て登りたくなる人が続出?
開聞岳の登山道は珍しい形をしています。
そう、山体を らせん状 に一周して山頂へ向かうのです。この登山道の形だからこそ、木々の間からのぞく なだらかな裾野 と 東シナ海 の景色は、歩を進めるごとにどんどん変化していきます。山好きならばこの登山地図を見た途端ウズウズするのでは?
樹林帯と岩場を楽しめる
開聞岳は全体が 照葉樹林 に覆われています。しかし山頂に近づくにつれて 岩 が現れ、 はしご や 階段 などの両手両足を使う 岩登り を楽しめます。 登れば登るほど表情が変わっていく 山なのです。
360度のパノラマ絶景
山頂から望むはまさに 絶景 !北には 霧島連山 、 桜島 、 池田湖 、南の海側には 屋久島 、 三島(竹島・硫黄島・黒島) と360度の展望を楽しむことができます。
【指宿の池田湖を望む】
登山シーズン
開聞岳は南国の山であり、また常緑広葉樹に覆われているため冬でも大きな変化は少なく、 1年中登る ことができます。ただ夏はかなり暑いので、登りやすい気候で考えるなら 春と秋がおすすめ です。
登山の難易度
中級
標高は924mと低山ですが、海からそびえる開聞岳は 高低差が900m近く あります。この高低差は登山レベルで言うと 中級クラス 。また、 常に登りが続く ので体力勝負の山と言えます。
技術レベルでは、山頂付近に はしご や 岩場 がありますが、 三点支持 を守れば危ない箇所はほとんどありません。
登山ルート
- ルート:2合目登山口〜開聞岳山頂 往復
- コースタイム:往路2時間40分 復路1時間50分
2合目登山口スタート(15分〜)
深い緑の木々に覆われた細い登山道を進みます。
2.5合目(45分〜)
ここまでは足慣らし。ベンチがあるのでちょっと休憩しましょう。このあたりは道が窪んでおり、足元は火山灰の土です。
5合目(30分〜)
4合目あたりはやや急登となりますが、5合目はゆるやかな道のりになります。5合目は展望があるので休憩ポイントにピッタリ。指宿の 池田湖 、錦江湾の 桜島 、薩摩半島の最南端の岬 長崎鼻 、大隅半島の 佐多岬 を望むことができます。
【長崎鼻と大隅半島】
7合目(70分〜)
視界がひらけて 東シナ海 方面の美しい展望が望めます。鹿児島の離島、 竹島 、 硫黄島 、 黒島 が見え、天気が良ければ 種子島 、 屋久島 まで見えることも。
7合目からは岩場になり、コニーデ型からトロイデ型への変化を感じます。7.4合目では山伏たちが修行に使った 「火口跡(仙人堂)」 を通ります。9合目から山頂までは 火山特有の巨岩の岩場 。両手を使い三点支持を守って慎重に登りましょう。
開聞岳山頂!
山頂の露岩からの景色は圧巻。 360度の大展望 が楽しめます。陸側は 霧島連山 、 桜島 、 池田湖 と 鹿児島を一望 。反対側はきらきら輝く 東シナ海 。
山頂から少し下がったところには、 御嶽神社 (枚聞神社の奥の院)の赤い鳥居と祠が祀られています。
復路は往路を下ります。浮き石など足元に注意して慎重に降りましょう。
登山の注意点
トイレ
登山道にトイレはありません 。山麓の「かいもん山麓ふれあい公園」で済ませておきましょう。
登山届
低山といえども登山に 登山届 は必須です。「かいもん山麓ふれあい公園」の管理棟入口前の登山届入れに提出しましょう。
アプリで提出することもできます。
風
常に海風の影響を受ける開聞岳。特に山頂では 下から吹き上げる風 に注意が必要です。
天気
山の天気は変わりやすいといいますが、海沿いにある開聞岳は内陸の山よりも 天候の変化が大きい のが特徴です。いつも以上に注意を払ってください。
開聞岳の植物
様々な植物の命を抱える開聞岳。お花との出会いも楽しみの1つです。
登山中に出会う植物
冬
- ショウジョウバカマ:2月開花〜
- キランソウ(別名「地獄の釜の蓋」):3月開花〜
【キランソウ】
キランソウは薬草としての効能が高く、「病気を完治させ地獄の釜に蓋をする」という意味から別名 「地獄の釜の蓋」 と呼ばれています。※諸説あり
春
- コマツヨイグサ:4月開花〜
- ハコネウツギ:5月開花~
- 開聞サツキ:5月開花~
- マンテマ:5月開花〜
初夏
- オオバボンテンカ:6月開花〜
- テリハノイバラ:6月開花〜
夏
- クズ:8月開花〜
- シュスラン:8月開花〜
秋
- ツワブキ:10月開花〜
- サツマノギク:開花11月〜
その他
- 緑の濃い広葉樹(7合目まで)
※一部の紹介です
花と開聞岳を見る
かいもん山麓ふれあい公園
2月下旬から早咲きの カワヅザクラ 、 ヒカンザクラ 、 ヤマザクラ 、 ソメイヨシノ 、 ヤエザクラ が4月上旬まで楽しめます。背後にそびえる開聞岳を眺めながらのお花見は最高♪
池田湖
2月下旬から見頃となる 菜の花と開聞岳 の眺めは見事。3月には一面に咲く ツルコザクラと開聞岳 も美しい。秋の ハゼの紅葉 も見応えがあります。
JR西大山駅
JR日本最南端の駅「西大山駅」。8月中旬になると駅周辺は 満開のひまわり で埋めつくされます。 深い緑の開聞岳 と 黄金のひまわりの絨毯 のコントラストは圧巻です。
服装・装備
服装
- Tシャツ・長袖Tシャツ(速乾性のもの)
- ストレッチ性のあるズボン
- 下着、靴下は可能ならアウトドア用のもの
- 登山靴、またはトレッキングシューズ
- 帽子(夏は日差し除け用)
- 手袋(軍手など)
- 中間着(薄手のフリースなど)【冬】
- アウトドアジャンパー【冬】
季節に応じて調整してください。
装備
- ザック
- 地図
- ヘッドライト
- 行動食・軽食
- 水筒(夏は2リットルほど)
- レインウェア
- トレッキングポール(必要な方は)
- 虫除け【夏】
- その他:ビニール袋、トイレットペーパー、タオルなど
アクセス
2合目登山口まで
- 電車:JR開聞駅から徒歩約20分
- バス:JR指宿駅からバスで「開聞登山口」降車、徒歩約20分
- 車:指宿スカイライン頴娃(えい)IC下車、約25kmでかいもん山麓ふれあい公園駐車場へ
さあ、美しき薩摩富士を体中で楽しもう
いかがでしたか? 見ても登っても楽しい開聞岳 。カメラ片手にぜひおでかけください。
やってみよっか?