【ガーデニング】植物の肥料と活力剤を使い分けよう!正しい使い方と適切な時期
鉢植えで植物を育てるときは肥料だけでなく、「活力剤」も一緒に使うのがおすすめです。鉢植えの中で、長期間植物を育てていると栄養バランスが崩れ、十分に元気に育てるのが難しくなることも。常に葉や花の美しい植物を育てるなら、肥料と一緒に活力剤も併用しましょう。
この記事では、活力剤の上手な使い方について紹介します。
活力剤はどんなときに使うべきなのか、肥料と何が違うのかと疑問に思っている方も、ぜひこの記事を読んで活力剤の良さを知ってください!
植物の生長に欠かせない栄養素|17種類の必須元素
まずは、植物が生きていく上で、必要な栄養素を知っておくことが大事です。
主に、17種類の元素が植物の生長に必要不可欠なものであり、「必須多量元素」と「必須微量元素」の2つに分けられます。
必須多量元素(9種類)
「必須多量元素」は植物が最も多く吸収するもので、植物自体を構成する元素です。
- 炭素(C)
- 水素(H)
- 酸素(O)
炭素・水素・酸素は、大気中の二酸化炭素(CO2)と水(H2O)によって吸収できるため、肥料として与える必要がありません。
肥料三要素
必須多量元素の中にある「肥料三要素」は、 土の中で不足しがちな元素なので、「肥料」として与える必要があります 。
植物の肥料やりをする上で重要なことで、覚えておくと管理で失敗することも少なくなります。
- 窒素(N)
- リン酸(P)
- カリウム(K)
簡単に窒素は葉・茎の形成に、リン酸は花・実の開花と結実に、カリウムは根の形成に必要な元素です。
二次要素
肥料三要素に次に必要とするのが「二次要素」です。
- カルシウム(Ca)
- マグネシウム(Mg)
- 硫黄(S)
簡単にカルシウムは細胞組織の強化と根の生長の促進に、マグネシウムは葉緑素の形成とリン酸の吸収・運搬の助けに、硫黄は植物に必要なタンパク質・アミノ酸・各種ビタミン・酵素の形成に必要な元素です。
必須微量元素(8種類)
多量元素よりも少ない量ですが、植物の生長にとっては必要な「必須微量元素」。多過ぎても少な過ぎても生育障害が起こります。
- 鉄(Fe)
- マンガン(Mn)
- ホウ素(B)
- 亜鉛(Zn)
- モリブデン(Mo)
- 銅(Cu)
- 塩素(Cl)
- ニッケル(Ni)
元素によってそれぞれ効果がありますが、光合成に必要な葉緑素の生成や、酵素的作用などがあります。
植物の活力剤(栄養剤)を活用しよう!成分・効果や肥料との違い
二次要素や必須微量元素が含まれたものがある活力剤は、植物に施してあげることで、元気に生長し見栄えが良くなります。
活力剤の成分と効果
植物の生長に必要な栄養素となる成分が含まれている
カルシウムをはじめ、鉄・銅・亜鉛・モリブデンなどのミネラルが含まれている活力剤。製品によっては、植物の生育に必要な養分の吸収を高めるアミノ酸や各種ビタミンなどの成分を含んでいるものも多くあります。
植物の見栄えを良くする
不足しがちな必須微量元素をバランス良く吸収できる活力剤は、 葉・茎・花・実などに栄養を効率良く行き渡らす ため、色鮮やかになり美しい見た目に生長します。見栄えが良くなるので、部屋のインテリアとして薄く強い姿を観賞できるでしょう。
肥料との違い
そもそも活力剤とは、植物の肥料三要素となる「窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)」が肥料成分がそれぞれ0.1%以下、もしくは2成分以上の合計が0.2%以下の薄く希釈されたものを指します。
肥料は植物の体を構成するのに必要なものですが、 活力剤は体を構成するのに助けとなる成分を含むもの を指すでしょう。
植物に活力剤を与えるタイミングとペース
肥料と活力剤の違いがわかっても、いまいち与えるタイミングとペースがわからないと思います。肥料と同じような感覚で施せば良いのか。
ここでは、活力剤の与えるタイミングとペースについて、筆者が試してみたことを踏まえ紹介します。
植物の元気がないとき
まず、活力剤は植物の元気がないときに与えるのがベスト! 植物が弱っているときは、地面から栄養や水分を吸収できなくなっている状態なので、活力剤を使って吸収率を促進させることが大切 です。
ここで肥料を与えてしまうと、逆に症状が悪化することが多く、株が枯れてしまう場合も。人間で例えるなら、風邪で寝込んでいるときに食事を出されても食べれないですよね。栄養ドリンクを飲んでその場を過ごす方がずっと楽でしょう。
植物も同じです。
植え替え・剪定をしたとき
植え替えや剪定(せんてい)は、地面に根付いた植物にとって大きなストレスです。作業が終わった直後は、水やりと一緒に活力剤を与えましょう。
植え替えは植物の根を傷めるため、水を吸い上げることが負担です。発根作用を促進させるために活力剤が効果的です。
一方剪定は、枝葉を切るため、気温や湿度の変化の影響を受けやすく、切り口から水分が過剰に抜けたり、病気に感染する場合も。 切り口のヒーリング効果を促進させるために、活力剤を使ってあげると傷が早く治る でしょう。
夏越し・冬越しをするとき
植物の管理で大変なのが、夏越しと冬越しだと思います。四季のある日本では、熱帯や砂漠に自生する多くの観葉植物は、冬の寒さがとても苦手です。
植物にとってはとても過酷な環境なので、活力剤を与えて乗り越えさせる ことが懸命です。極端な気温差になっても、植物はある程度耐えられる強い株へと生長します。
病害虫の被害にあったあと
病害虫によって植物に異変が見られたときは、殺菌剤や殺虫剤など適切な処理をしたのち、活力剤を与えるのがおすすめです。
筆者は、基本的に木酢液を使って菌やウイルスを除去し、害虫を退治します。その後、活力剤を与えておくだけで、植物のからだの内側から病害虫に対する抵抗力をつけます。
植物の活力剤の種類と使い方
活力剤といっても、製品によって種類はさまざま。どれを購入したら良いか迷ってしまうかもしれませんが、主に3種類のタイプがあり、植物の状況や自分のやりやすい育て方に合わせて購入するのがおすすめです。
また、それぞれの良さがあるので、組み合わせて使うのもいいかもしれません
液体剤|即効性と水やりの代わりになり
活力剤の中でも即効性のある液体剤は、水に薄めて使うタイプ。水やりの代わりとして与えることができ、 活力剤だけを定期的に与える手間がかかりません 。
か粒剤|ゆっくりと効果を減られる
小さな固形物として固められたか粒タイプの活力剤。基本的に、か粒材をまいた後に水を与えるので、 ゆっくりと効果が効き持続性が高い です。
アンプル剤|1〜2ヶ月の持続性がある
土に直接さして活力剤を与えるアンプル剤は、 液体とか粒材の中間点ほどの即効性タイプ です。液体ですが、土に数滴ずつ染み込むため、1〜2ヶ月ほどの効果を期待できます。
植物の活力剤は肥料と併用して使うと良い
活力剤は、植物のからだを構成する養分が入っている肥料とは違い、生長を助けるための必要な成分が含まれています。活力剤だけを与えていても、植物は健康的に育ちにくいため、肥料と一緒に組み合わせて使うのがおすすめです。
筆者は、大粒の固形タイプ肥料(マグァンプK)をまき、アンプル剤をさして活力剤を与えています。あくまで活力剤は、肥料の効果の助けとなるような使い方で十分だと思います。
ぜひこの記事を参考にして、活力剤と肥料を上手に使い分け、植物を元気に育ててみてくださいね!
やってみよっか?