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【群馬】女性にえこひいきな「赤城神社」の背景と歴史を解説

赤城神社(あかぎじんじゃ)は赤城山の山頂付近にある大沼に突き出た“小鳥ヶ島”にある神社です。

島といっても陸続きですが、神社へは「大沼」を渡る“啄木鳥(きつつき)橋”を渡ります。

ご神体は赤城山で、“赤城姫(赤城大明神)”をご祭神として祀る全国にある赤城神社の本社です。この神様、女性の願い事は“必ず”叶えてくれるといわれていて、女性にえこひいきしているようです。

縁結びのパワースポット赤城神社

赤城大明神は女性の味方

赤城大沼の湖畔 に位置する 赤城神社。 創建年代は不明ですが、806年に他の場所から大沼の畔に遷宮されたという記録が残る由緒ある神社で、ご祭神は 赤城大明神 です。後妻のもとで育てられた公家の娘赤城姫は、そのあまりの美しさに嫉妬した後妻に殺されかけます。そこへ美しい女性の姿をした赤城大沼の主龍神が現れ姫を助けたといいます。やがて龍神の後を継いだ赤城姫は赤城大明神となり、赤城の人々を見守ったそうです。

赤城姫の物語は室町時代初期に編纂された『神道集』に書かれているお話ですが、このことから 赤城大明神は、女性の願い事は“必ず”叶えてくれる神様 として、古くから信仰を集めてきました。

もうひとりのご祭神大黒様が男性にも縁結びを応援

赤城大明神は、大沼畔の赤城神社 (赤城山周辺にいくつかある赤城神社と区別するために地元では“大洞(だいどう)赤城神社”と呼ばれています) だけのご祭神 です。ほかの赤城神社ではご利益を授かりませんのでご注意を。

男性も安心してください。赤城神社のご祭神のひとりに 大国主神 (おおくにぬしのみこと)がいます。大国主神は別名大黒様といい、出雲大社のご祭神ですが縁結びにすごいパワーがあるといわれています。赤城大明神は 男性 には振り向かないかもしれませんが、 大黒様が縁を結んでくれることでしょう

※啄木鳥橋は老朽化のため2023年5月現在架け替え中で通行禁止となっています。リニューアルオープンは不明です。詳細は群馬県環境森林部 自然環境課 自然公園係にお問い合わせください(電話番号:027-226-2876)

金運の神様は大宮弁天宮に

赤城神社は、平安時代に他の場所から大洞と呼ばれる大沼の畔に遷宮され、長い間そこに鎮座していましたが1970年(昭和45年)に老朽化などさまざまな理由から現在の場所に移されました。

旧社地の大洞宮跡地は赤城神社元宮跡地として残されていて見学は可能です。また、跡地に隣接した水辺には弁天宮が祀られていてます。ちなみに 弁財天は金運の神様 です。

関東平野を潤す源流「御神水」

弁天狗の側にある御神水は、赤城山より湧き出る清水で、江戸時代には関東平野を潤す源の水ということで千金に値するほど尊く、幕府に献上されていたといわれています。今でも豊作祈願に使われており、大切に守られています。

赤城神社

  • 所在地:群馬県前橋市富士見町赤城山4-2
  • 電話番号:027-287-8202
  • 参拝自由
  • アクセス:

[車]関越道赤城ICから国道353号、県道4号経由約1時間

[公共交通機関] JR両毛線前橋駅から路線バス富士見温泉行きで約30分、終点下車、赤城山ビジターセンター行きに乗り換え約40あかぎ広場前下車、徒歩約5分

火山活動の跡が残るご神体の赤城山

もとは富士山のようにきれいな形だった赤城山

赤城神社のご神体である 赤城山 は、上毛三山といわれる火山のひとつで、2,400年ほど前まで活発に活動していました。約50万年前に始まった火山活動は、まず富士山のように美しい山を創り出しました。その後約20万年前になって大爆発が起こり、山頂部が吹き飛んでしまい徐々に今のような形になったと考えられています。2,400年前からはほとんど活動していませんが、唯一1251年に噴火したとの記録が残っています。しかし火山からの噴出物は確認されていません。

赤城山にはいくつかの峰と火口湖があります。標高1,828m黒檜山(くろびさん)が主峰です。冬に赤城山から吹き下ろしてくる風のことを“赤城おろし”といいますが、この冷たい乾燥した北風は“上州のからっ風”となって関東平野を乾燥させます。関東地方の人にとってはあまりうれしくない赤城山からの贈り物ですね。

ちなみに上毛三山とは妙義山(みょうぎさん)、榛名山(はるなさん)、赤城山です。

自然豊かな水のオアシス、大沼・小沼・覚満淵

赤城山には山頂付近に 大沼・小沼 、大沼の南東には 覚満淵 (かくまんぶち)と呼ばれる湿原があります。

大沼は赤城山レジャーの中心スポットなので、湖岸にはお土産店や宿が並んでいます。グリーンシーズンの湖面にはスワンボートなどがのんびりと浮かび、沖ではモーターボートが行き交っています。湖畔はキャンプなどのアウトドアレジャーが人気です。「赤城神社」もここにあります。

秋は紅葉が美しく、冬は10cmほどの厚さに張った氷に穴をあけて釣るワカサギ釣りのメッカとなります。「小沼」は周囲1kmほどの小さな沼で、ほとんど人の手が入っていない自然が魅力です。

“小尾瀬”とも呼ばれる覚満淵は、水芭蕉やニッコウキスゲなどの湿原植物や高山植物の宝庫です。一周800mほどで、木道が整備されています。

赤城山(大沼、小沼、覚満淵)

  • 電話番号:027-235-2211(前橋まるごとガイド)

坂上田村麻呂が発見したという歴史ある梨木温泉

茶褐色で泥水に入っているような梨木温泉

梨木温泉 (なしきおんせん)は、赤城山の東の麓、黒保根(桐生市)にある、平安時代、坂上田村麻呂が関東遠征の折に発見したという歴史ある温泉で、源泉は手を入れても数cmで見えなくなってしまうというまるで 泥水のようなごり湯 です。きれいに掃除してもすぐに温泉かす(湯の花)が湯船の縁に付いてしまうほど濃厚な温泉で、鉄分が多いためタオルは真っ茶色、洗っても落ちません。 温泉の温度は温め で、長時間入ることができます。

温泉ともてなしが人気の一軒宿『梨木館』

梨木温泉の宿は1軒だけです。北関東自動車道伊勢崎ICから40分ほどで、こんなところに温泉があるの?というような川沿いの何にもない山道を上っていきます。

1軒宿『梨木温泉 梨木館(なしぎかん)』は、1879年(明治12年)創業の老舗宿です。赤城山東麓を流れる渡良瀬川沿いの国道122号線を足尾方面に進み、わたらせ渓谷鉄道の本宿駅付近から赤城山方面へ左折します。10分ほど県道を上ると、川沿いのうっそうとした森の中にとても立派な宿が現れます。

昭和初期には木造3階建ての大きな建物が何棟も建ち並び、本宿からの道は桐生や足尾銅山からの湯治客で行列ができるほどの賑わいを見せたといいます。第二次大戦後は足尾銅山の閉山や公害問題で周辺の人口が大幅に減り次第に忘れられていきましたが、独特な温泉が忘れられない常連客によって維持されてきました。近年はインターネットやSNSなどで評判を呼び、秘湯の1軒宿として注目を浴びています。

梨木温泉 梨木館 本館・はせを亭・奥の細道

  • 所在地:群馬県桐生市黒保根町宿廻285
  • 電話番号:0277-70-3030/0277-96-2521(カーナビ対応)
  • アクセス:

[車]北関東自動車道伊勢崎ICから車で約40分

[公共交通機関]わたらせ渓谷鉄道本宿駅からタクシー約10分(送迎あり)

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