福井県小浜のパワースポット~若狭の神と仏に会いに行く~
福井県の南部、若狭地方は奈良時代の古くから大陸や朝鮮半島との交易が盛んで、都のある奈良と同様に発展しました。
その時代から残るであろうパワースポットの神社とお寺をめぐります。
若狭彦神社
上社・若狭彦神社
若狭彦神社はJR小浜線「東小浜」駅からおよそ2km南にあります。鳥居のまわりには樹木が生い茂り、森の入り口のような雰囲気です。鳥居の前に車を止めるスペースがあります。古木に包まれた若狭彦神社は霊亀元年(715年) 創建と伝わり、 彦火火出見尊 (山幸彦)を祀ります。
近くにある下社の若狭姫神社に対して上社といわれ、上下両社を併せて若狭一の宮と称されています。森の中の参道を進むと、隋神門の前に ご神木の夫婦杉 があり、これが二つ目の鳥居のようになっています。
拝殿前は 古代の祭祀をおこなった場所 が残されており、1300年前の雰囲気を残しています。
所在地、拝観料などの情報は公式ウェブサイト等をご確認ください。
下社・若狭姫神社
若狭姫神社は上社の若狭彦神社から北へ1.5kmほど、JR小浜線「東小浜」駅から500m南にあり、歩いても10分かからないくらいです。海幸山幸の神話で知られる豊玉姫命 (乙姫)を祀り、 上社の若狭彦神社に対して下社といわれ、 若狭彦神社より6年後の養老5年(721年) 鎮座と伝わります。若狭彦神社と比べると、入り口や鳥居の付近は駅前の通りもあり街中になっています。しかし、神門から先は一気に雰囲気が変わります。本殿は三間社流造、 檜皮葺。
特に本殿の玉垣内には 遠敷の千年杉 と称えられる巨樹があります。遠敷は「 おにゅう 」と呼ばれ、古くからこのエリアはそう呼ばれてきましたし、近くには遠敷川が流れています。奈良の東大寺の二月堂で毎年行われている「お水取り」で使われる若狭のお水を送っているのが、この遠敷川です。
所在地、拝観料などの情報は公式ウェブサイト等をご確認ください。
多田寺
重要文化財の仏像・多田寺
若狭姫神社から西へ800mほどの多田に 国指定重要文化財の薬師如来 があります。
仏像がある多田寺は、東小浜駅から歩いておよそ20分くらいです。若狭街道から南へ行ったところにあります。駐車場もあります。
多田寺はおよそ1300年前、奈良時代749年に創建されました。
ご本尊の薬師瑠璃光如来は平安時代のもので、像高192.5cm、 眼病治癒にご利益あり といわれます。薬師如来は正式名を薬師瑠璃光如来といいます。瑠璃光とは、阿弥陀如来の西方浄土に対応する、東方にあるとされる浄瑠璃浄土を指しています。平安時代でも初期の作で、 若狭でも1、2を争う古い仏像 です。以前は60年に一度しか御開帳されなかった秘仏で、地元では「 多田のお薬師さん 」と呼ばれています。
もうひとつの国重要文化財は薬師瑠璃光如来の脇侍、 十一面観音菩薩 です。薬師さんの脇侍というと、通常奈良の薬師寺にある日光菩薩と月光菩薩ですが、こちらは頭の上に11面のお顔が乗っていますので、「日光十一面観音菩薩」ということになります。
十一面観音菩薩は手が長く、膝まであります。これに限らず、観音像は手が長く作られる傾向があるのは、「仏の32相」によるものです。仏の身体に現れる32の特徴的な形のことをいいます。たとえば、偏平足であるとか、手足の指に水かきがあるとか、後光が差しているとか、両頬が隆満しているとか、舌が長いとか、手足が長い、などです。仏様の種類によってどれが当てはまっているか比べながら鑑賞することもできます。
所在地、拝観料などの情報は公式ウェブサイト等をご確認ください。
小さな都だった
若狭彦神社と若狭姫神社、多田寺は東小浜駅の徒歩圏内にあります。海と山に挟まれた狭い平地に、重要な施設が集まって小さな都を作っていたのだろうと思います。
平安時代には若狭の海で捕れたサバを鯖街道で京の都へ運んでいました。
1000年前とあまり景色が変わらない数少ないエリアだと思います。
やってみよっか?