【デンマーク】北欧のフェルメール!画家ハマスホイの魅力に触れる美術館&名所5選
日本で人気の画家といえばフェルメール。代表作「真珠の耳飾りの少女」が有名なオランダの画家ですね。
では、デンマークに「北欧のフェルメール」と称される画家がいるのをご存じでしょうか?
名前を「ハマスホイ」といい、コペンハーゲンには彼の魅力に触れることができる美術館やゆかりの場所が点在しています。
ハマスホイを生んだデンマーク美術
北欧デンマークでは19 世紀初頭にデンマーク絵画の黄金時代が到来しました。その時期の絵画は、自然や日常生活のシーン、風景画や肖像画が多いのが特徴でした。
この「デンマーク黄金時代」の重要な画家といえば、クリストファー・ヴィルヘルム・エッカースベルク(Christoffer Wilhelm Eckersberg)。パリで学び新古典主義の影響を受けた彼は、代表作「鏡の前の女」が有名です。デンマーク王立美術院では多くの画家を育て「デンマーク絵画の父」と呼ばれています。
その後もデンマークの絵画は、この黄金時代の特徴を引き継ぎながら発展していきます。そのなかで、19世紀後半に登場したのがハマスホイです。
北欧のフェルメール、ハマスホイ
ヴィルヘルム・ハマスホイ(Vilhelm Hammershøi)は1864年にデンマークのコペンハーゲンで生まれました。幼い頃から個人レッスンでデッサンを習い、その後デンマーク王立美術院で学びます。国内で創作活動をしていましたが、国際美術展で入賞後ヨーロッパ各国で個展が開かれるようになり、国外でも評価されるようになりました。
彼の作品の特徴は、室内風景とその色調といえるでしょう。色彩を抑えたモノトーンで描かれる室内、人物が描かれる場合も表情をうかがい知ることはありません。空間に存在する物、人、そして光を無機質ながら繊細に描く彼の作品は、見る者に時が止まった様な感覚をもたらします。この室内画の表現こそ、彼が「北欧のフェルメール」と呼ばれる所以なのかもしれません。
ハマスホイ作品が堪能できる美術館
デンマークの首都コペンハーゲンには、ハマスホイ作品が展示されている美術館が数多く存在します。また、ハマスホイ作品以外にもデンマークやヨーロッパ各国の作品を展示する魅力的な美術館が点在しています。
コペンハーゲン国立美術館
コペンハーゲン国立美術館はデンマークの国立美術館で、デンマーク最大の美術館でもあります。デンマーク黄金時代の作品が数多く並ぶほか、ヨーロッパ各国の古典から現代までの芸術作品も幅広く展示されています。
ハマスホイ作品も充実しています。コペンハーゲンの「クレスチャンスボー宮殿」を描いた風景画から、室内画、肖像画など、彼の作品だけを集めた一室も。ゆっくり時間をかけて鑑賞したい場所です。
デーヴィス・コレクション
デーヴィス・コレクションは、デンマークの法律家、実業家、美術コレクターであるC. L. David氏のコレクションを中心に展示されており、イスラム美術の展示が多いのが特徴です。
もちろんハマスホイ作品も見逃せません。室内画や肖像画など彼の作品が並ぶエリアは、ハマスホイ絵画の静寂さが際立つ空間です。
ヒアシュプロング美術館
ヒアシュプロング美術館には、デンマーク黄金時代の作品をはじめとするデンマーク国内の芸術作品を展示しており、実業家ハインリッヒ・ヒアシュプロングが収集したコレクションが並びます。
ハマスホイの作品も数点。そのモデルは家族と親しい友人に限られていたという肖像画など、彼の魅力に触れることができます。
ニュー・カールスベア美術館
ニュー・カールスベア美術館はカールスバーグ・ビールの創始者カール・ヤコブセンの息子により寄贈されたコレクションを展示しています。古代から現代までの芸術作品が並び、彫刻や石棺、絵画などバラエティー豊かです。デンマーク黄金時代の作品に加え、フランス印象派の絵画も充実しています。また中庭の緑も美しく、気持ちの良い空間です。
ハマスホイの展示はフランスのルーブル美術館にあるモチーフや、ロンドンの通りを描いたものなど国外の造形を描いた作品もあり、ファンであればぜひ見ておきたいですね。
ハマスホイが暮らした家
ハマスホイは数々の室内画を残していますが、それらの多くには彼が妻イーダと暮らしたアパートが描かれています。
1898年~1909年まで暮らしたといわれているのが、コペンハーゲン、ストランゲーゼ30番地のアパート。またその向かいにある旧アジア商会は晩年に移り住んだといわれています。ハマスホイが過ごし、描いてきた景色を感じることのできる貴重な空間です。ぜひ訪れてみてください。
ハマスホイの魅力に触れる旅を
デンマークが生んだ画家ハマスホイ。彼の作品から感じられる静寂さは、見る者に時間を忘れさせるような不思議な感覚をもたらします。首都コペンハーゲンでそんな彼の魅力に触れながら、絵画の世界に迷い込んでみませんか?
やってみよっか?