プノンペンで観光するなら知っておきたい!基本情報&モデルコース紹介
カンボジアの首都プノンペン。カンボジアの行政、文化、経済の中心部となっているこの町では、かつて想像もつかないほど残虐で悲惨な政策に弾圧されていました。苦しい時代を乗り越え、今でも発展を続け、若い活気で盛り上がりを見せるプノンペンには旅行者必見の観光スポットも満載。ここでは、プノンペン市内の名所を紹介します。
プノンペンの基礎知識
プノンペンは メコン、トンレサップ、バサックの3つの川が交わる地に広がっている町 です。緑も豊かで、たくさんの仏教寺院とフランス統治時代のノスタルジックな雰囲気が残っています。歴史的遺跡で有名なシェムリアップとは異なり、高層ビルが立ち並び、 この国の政治、経済の中心 となっています。年々町のシステムを整備し、外国人向けのホテルやカフェ、喫茶店も急増しています。
歴史と発展
プノンペンの始まりは15世紀前半。度重なるシャム(現在のタイ)の侵略を受けて衰退したアンコール王都を放棄し、このプノンペンに都が移されました。その後王都は点々とし、 1866年に再びプノンペンに遷都。 当時、 フランスがカンボジアを保護領 としていたため、フランスによって町が開発されていきます。その背景から、 「東洋のパリ」「インドシナのオアシス」 と讃えられる美しい町並みが生まれました。
しかし、1975年、ポルポト政権により全住民が農村へ追放され、商業都市として繁栄していた町は 内戦と社会主義政権により、一時ゴーストタウンと化しました。
そして今、 年々町のシステムを整備し再び息を吹き返した王都として発展を続けています。 外国人向けのホテルやお店も急増しており、若いエネルギーで満ち溢れている町となっています。カンボジア旅行といえば、アンコールワット遺跡のあるシェムリアップに限ると思われがち。 2016年には成田ープノンペン間の直行便が就航し、日本からのアクセスも心配ありません! 歴史と発展が織りなす魅力あふれるプノンペンで進化を遂げる生き生きとしたエネルギーを感じてみませんか?
通貨
カンボジアの通貨単位は リエル【Riel】 です。しかし、カンボジアでは USドル紙幣 のほうが流通しており、外国人が利用するホテルやレストランはもちろん、屋台やトゥクトゥクでもUSドルをそのまま使うことができます。 USドルの硬貨は流通していないため、USドルのセント代わりにリエルが多く使われています。 日本ではリエルへの両替ができないため、日本で事前に準備しておきたい場合は、カンボジア旅行で使う機会の多い少額のUSドル紙幣へ両替しましょう。
空港からプノンペンへのアクセス
プノンペン国際空港の概要
プノンペン国際空港【Phnom Penh International Airport】は市街から西に約7kmのところに位置し、首都の空の玄関口として機能しています。 1995年からフランス・マレーシアの民間共同体により空港施設の近代化が図られ、2001年以降、大型旅客機の就航も可能となり、2016年に新ターミナルが完成し、近代的な空港へと生まれ変わりました。到着ホールと出発ホールの中間にあるダイニング・ギャラリーには、ファストフード店やレストランが入店しています。
空港から市内への移動手段
空港から市内までは タクシー、トゥクトゥクのほか、シャトルバス、列車 を利用することができます。空港の到着ホールを出たところに、それぞれの交通機関のブースがあるので見つけるのも簡単。市内までの所要料金は、 タクシーは9~15USドル、トゥクトゥクだと7~12USドルとなり、20~30分ほどで到着 します。しかし、夕方の渋滞に巻き込まれると1時間以上かかることがあるため、到着時間に合わせて移動手段を選択するといいかもしれません。 列車の場合は空港からプノンペン駅まで2.50ドル、所要時間は約35分 です。列車は約30分間隔で運行していますが、スケジュールはしばしば変更になることがあるため、こちらも現地で確認することをおすすめします。
プノンペンの定番観光スポット
カンボジア国立博物館
王宮の北側に位置するこの博物館は、 カンボジア全土から集められた歴史的価値の高い文化財 が展示されています。赤いクメール様式の美しい建物で、先史時代(紀元前2~3世紀)からフランス植民地時代(17~20世紀前半)まで、年代別でエリアに分かれて展示物が並べられています。クメール芸術を彩る国宝級の彫刻の数々も必見。時代によって顔の作りや精巧さが異なるところも鑑賞のポイントです。入り口では 日本語ガイド を頼むこともでき、 日本語音声ガイド も入手可能。じっくりカンボジアの歴史に触れてみましょう。
トゥールスレン虐殺博物館
1975年から3年8ヶ月に及んだポルポト政権。カンボジア全土で無謀な社会主義改革を強行しました。ポルポト政権下では、それを妨害するとみなされた人々は次々に捕らえられ刑務所で激しい拷問を行い、罪のない農民、技術者、教師、学生などあらゆる職種の人々が大量虐殺されました。 その粛清の舞台のひとつとなった「S21」の内部 では、鉄製のベッドや手足をつないだ赤さびた鎖など拷問部屋の当時の様子が生々しく残されており、 現在の博物館 として公開されています。
カンボジア王宮
1866年、ノロドム王が当時の首都ウドンからプノンペンへ遷移したとき、この地に宮殿を築いたことで王宮の歴史が始まります。当時は木造でしたが、後にフランス人建築家により今の様式に再建されました。 現在は国王と王妃の公務と居住の場となっています。 建物は基本的に閉鎖されていますが、 入場料は無料 で、いくつかは前庭からその圧巻な外観を楽しむことができます。 膝が見える短パンやスカート、タンクトップでは入場できないので注意しましょう。 なお、式典時には入場できませんので、事前にスケジュールの確認をおすすめします。
シルバーパゴダ【Silver Pagoda】
王宮に隣接する豪華な 仏教寺院 で、床に5,000枚以上の銀のタイルが敷き詰められていることから「銀寺」という意味でシルバーパゴタと呼ばれています。 正式名称は「ウォアット・プレアハ・カエウ・モロコット」で、翡翠で彫刻された仏像に由来し、エメラルド仏寺院という意味を持ちます。 シルバーパゴタは1892年にカンボジアの首都がプノンペンに遷都された際に、王室の先祖を祀るために建てられました。クメール・ルージュの時代、ポルポト政権によってカンボジア各地の寺院の大半は破壊されました。しかし、 世界遺産を破壊していないと他国にアピールするため、シルバーパゴタだけは破壊を免れたと言われています。
ワット・プノン【Wat Phnom】
プノンペンの町の名前の由来となったこの場所は、1372年、ペン夫人という女性が川を流れていた4体の仏像を見つけ、これを祀るためにここに寺を建立したことが起源と言われています。小高い丘の上に建つことから、ワット(=寺)・プノン(=丘)と呼ばれています。 信心深いカンボジア人が次々に参拝する様子が印象的で、一大パワースポットでもあります。
キリングフィールド
プノンペンの南西約15kmのチュンエク村には、通称「キリング・フィールド」と呼ばれる場所があります。 ポルポト政権時代、S21に収容された人々はこのフィールドに運ばれて処刑され、遺体は村の129ヶ所に埋められました。 後にその一部が掘り返され、その近くには掘り出された8,985柱の遺骨を安置した慰霊塔が建っています。写真中心の展示室もあり、音声ガイドには施設の解説のほか、 生存者たちの体験談や刑執行人の証言 なども収録されています。
セントラルマーケット
プノンペンの中心街にある特徴的なドーム型でアール・デコ調の建物の中央市場。現地では「プサー・トゥメイ」と呼ばれるこの マーケット内 は、ドームを中心に十字型に延びており、 ジュエリーや雑貨などの観光客向けのお土産 がたくさん売られていますが、 外観はローカル色溢れる地元人には欠かせない生活市場 です。敷地内では新鮮な野菜や魚介類が所せましと並んでいますが、一方ではTシャツや子供服、調理器具など生活必需品が雑多に置かれていたり、屋台も並んでいたりとアジアらしい活気を満喫することができます。 年中無休で、営業時間は朝7時頃~夕方5時頃まで 。一周するだけでもかなりの広さで、放射状の通路がどこも似たように見えるので、迷子にならないように要注意!
メコン川
4,200mにもおよぶ東南アジアを流れるメコン川の源流はチベット高原。中国、ミャンマー~ラオス国境、タイ~ラオス国境、カンボジア、ベトナムを通り、南シナ海に抜ける国際河川の一つです。 サンセット・クルーズで、プノンペンの街並みの景気と夕日を船上から楽しんでみてはいかがでしょうか。
ストリート240【St. 240】
ノロドム通り【Norodom Blvd】と王宮に囲まれた100mほどの通り沿いに、 外国人向けのおしゃれなバーやレストラン、エスニック雑貨店 が並んでいます。1990年代初頭、在住フランス人が在住外国人のために開いた雑貨店やカフェが数件ある程度でしたが、2000年代になってからワインやチョコレート専門店、ジュエリーショップなども次々とオープンし始めました。品揃えや味のクオリティーも高い場所と人気を集めています。素敵なお土産探しにも便利で、素敵な買い物を楽むことができます。
プノンペン観光のモデルコース
シェムリアップをメインに旅行する人でも大丈夫! シェムリアップとプノンペンの行き来には飛行機を活用でき、50分程で到着します。 バスでの移動は6~7時間かかってしまうため、日帰りでの観光は難しいですが、時間と予算に余裕がある際は、ぜひ飛行機でプノンペンに訪れてみてはいかがでしょうか。
半日
独立記念塔(フランスからの完全独立を記念して建てられた塔)
カンボジア王宮とシルバーパゴダ見学
カンボジア国立博物館
トゥールスレン虐殺博物館
1日
カンボジア王宮とシルバーパゴダ見学
カンボジア国立博物館
ランチ
独立記念塔
トゥールスレン虐殺博物館
ワット・プノン
セントラル・マーケット
都市計画に基づいて造られたプノンペンの町は、セントラル・マーケットを中心に弧を描くように広がっています。比較的こじんまりとした首都ですが、一度に全部歩いて回るのは無理。 半日または1日のチャーターとしてタクシーを利用するのが効率よくておすすめです。 車種、車の状態、行き先、人数、時間、ドライバーの言語能力などの条件で料金は大きく変わりますが、基本的に1日8時間で30ドル~と、交渉制となります。
1日プランの場合、国立博物館の鑑賞後は車で約6分のところにある 「マリス【Malis】」でのランチ がおすすめ。こちらのレストランでは、伝統的なカンボジア料理を基本に、 タイやベトナムなどの周辺国の影響を受けたモダンなカンボジア料理 を楽しむことができます。スパイス控えめで美しく盛り付けられた料理がお腹も心も満たしてくれます。
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