グアムがアメリカ領に属する理由は?入国にはビザが必要?
太平洋のマリアナ諸島の南端に浮かぶグアム(Guam)島は、日本から飛行機を利用して約3時間半で行ける南国のリゾート地。恋人岬をはじめとする観光スポットも充実していて、日本人に人気の観光地ですが、グアムがアメリカ領であり、日本から最も近いアメリカであるということをご存知でしょうか。この記事では、グアムの基本情報とともに、グアムの歴史や文化、グアムがアメリカ領に属するようになった理由や、入国時の手続きなどについてご紹介します。
グアムの基礎情報
1年中泳げる常夏の島グアムは、日本から近い南国リゾートとして、人気の旅行先の一つ。日本との時差や通貨、気候、天気、言語などの基礎知識を見てみましょう。
日本との時差
日本とグアムの時差は1時間 。時差が大きくないので、海外旅行で悩まされる時差ボケの心配がありません。同じアメリカでもハワイでは時差ボケに悩まされる人も多いため、グアムでは、着いたその日にビーチでマリンスポーツなどのアクティビティを楽しめるのも、大きな魅力と言えます。グアムにはサマータイムはありませんので、いつ訪れても時計の調整は1時間早めるだけと簡単ですよ。
通貨
アメリカ領であるグアムの通貨は米ドル です。基本の単位はドル($)とセント(¢)。紙幣と硬貨が、それぞれ6種類あります。紙幣は、1ドル札、5ドル札、10ドル札、20ドル札、50ドル札、100ドル札があり、硬貨は1セント(ペニー)、5セント(ニッケル)、10セント(ダイム)、25セント(クォーター)のほか、50セント(ハーフダラー)と1ドルのコインがあります。硬貨は大きさが違い、一番大きいのが25セント、一番小さいのが10セントです。両替はグアムに着いてからも空港や街中の両替所や銀行などでできますが、あらかじめ日本で両替しておけば安心です。
気候・天気
常夏の島といわれるグアム。 1年を通して最高気温は平均約32℃、最低気温は平均約21℃ です。海洋性亜熱帯気候で、1年中海で泳ぐことができます。季節は雨季と乾季に分かれています。 雨季は7月から10月、乾季は11月から5月 です。雨季といっても1日中雨が降り続くことはなく、南国に特有のスコールがありますが、スコールが上がれば南国の太陽が差し込み晴れ上がります。 7月から10月の台風シーズンには台風が発生することがある ので、天気予報に注意しましょう。
公用語
グアムの公用語は英語とチャモロ語 。チャモロ語はグアムの現地語です。グアムの中心地であるタモン地区のショッピングセンターやホテルには日本語が話せるスタッフが常駐していることが多いので安心ですが、小さなお土産物店や現地の人が多く行くレストランなどを訪れる場合は、日本語は通じません。英語が苦手でも、片言でもいいので積極的にコミュニケーションを楽しみましょう。
直行便の有無
日本からグアムへの直行便は、日本航空、ユナイテッド航空、ティーウェイ航空、チェジュ航空の4社が運行 しています。成田、大阪、名古屋、福岡の国際空港から直行便に乗ることができます。羽田国際空港からは直行便は飛んでいませんので注意してください。運航便数は、成田国際空港発のユナイテッド航空直行便が1日3便と最も多く、成田国際空港発日本航空と中部国際空港発ユナイテッド航空による直行便はそれぞれ1日2便。その他の直行便は1日1便です。それぞれのスケジュールや出発地に合わせて航空便を選びましょう。
グアムはなぜアメリカ領なの?
日本に一番近いアメリカであるグアムは、そもそもどうしてアメリカ領になったのでしょうか。300年以上続いたスペイン統治時代も含めてその歴史を紐解きながら、グアムの伝統文化についても見ていきましょう。
グアムの歴史
グアム島が位置する マリアナ諸島には、数千年以上前から人間が暮らしていた といわれています。サイパンを含む北マリアナ諸島からグアムに移動してきた人もいました。これらの人々は後に「チャモロ人」と呼ばれます。グアム島に最初に到着したヨーロッパ人は、スペイン国王の命により世界一周の途にあったマゼランで、1521年のことです。その後1565年にスペインの征服者であるミゲル・ロペス・デ・レガスピがグアムに到来。グアム島を含むマリアナ諸島の領有権をスペイン国王に委ねることを正式に宣言し、 スペインの統治時代 が始まりました。333年間続いたスペイン統治時代は、1898年に勃発した米西戦争でスペインが負けたことにより終焉を迎え、同年の パリ条約によってアメリカ領 となりました。太平洋戦争勃発後1941年には日本軍がグアムに侵攻し、31ヶ月間占領が続き、 ハガニア地区にあるラッテストーン公園には旧日本軍による防空壕が残っています 。アメリカ軍と日本軍の激戦の後、1950年にグアムは再びアメリカ領となり、アメリカの自治属領(準州)として現在に至っています。
グアムの文化
スペインや日本、アメリカに占領された歴史のあるグアムでは、 伝統的なチャモロ文化と占領国の文化が融合 し、独自の豊かな文化が生み出されました。甘さと辛さ、酸っぱさを同時に味わえるチャモロ料理はその代表といえます。チャモロ料理には、グアムの複雑な歴史が反映されているのです。
チップ
日本にはチップの習慣はありませんが、 アメリカ領のグアムには、受けたサービスに対してチップを払う習慣があります 。タクシーに乗車した時には、料金の10~15%をチップとして加算しましょう。現金でもトラベラーチェックでも支払えます。グアム空港からホテルまでの送迎には、ドライバーに1~5ドル、リムジンや貸し切りハイヤーを使用する場合は、5~10ドルのチップを渡しましょう。レストランで食事をした場合、カジュアルレストランでは食事代の10~15%、高級レストランでは15~20%がチップの相場です。レシートにサービスチャージが含まれている場合はチップの必要はありません。
ホテルでスーツケースを運んで貰う場合
ホテルでスーツケースなどの大きな荷物をポーターに運んでもらう場合のチップは、1個につき1ドルが相場。ベッドメーキングのチップとしては、ベッド1台につき1~3ドルを枕元に置いておくのがいいでしょう。また、ホテルのコンシェルジュにレストランやツアーの予約を頼む場合は1件につき2~3ドル。ルームサービスで食事をオーダーしたら、料理を運んできたスタッフに食事代の10~15%のチップを渡しましょう。
グアムに入国するのにビザは必要?
アメリカ領であるグアムに入国するためにはどんな書類が必要でしょうか。ビザや電子渡航認証システム「ESTA(エスタ)」の申請について説明します。
90日以内の滞在ならビザは不要
アメリカでは、ビザ免除プログラム(VWP)の対象国で一定の条件を満たす場合、ビザの申請が免除されます。日本もVWPの対象国のため、日本国籍保有者で、有効なICチップ搭載のパスポートと、往復航空券またはグアムから次の目的地までの航空券・乗船券を所持していて、観光や短期商用、通過目的の場合、 ビザなしで最大90日までの滞在 が認められます。ただし、 ICチップを搭載していないパスポートを保持している場合には、ビザ申請が必要 です。また観光や短期商用目的でグアムに訪れる場合、日本など「グアム-北マリアナ諸島ビザ免除プログラム」の対象国は、 45日以内の滞在であればESTAの申請が免除 されます。
入国カードの記入のみ
グアムには入国カード(I-736)の記入だけで入国できます 。入国カードは日本でオンライン登録し、プリントアウトしたものを持参するか、機中で配布される用紙に記入して、グアム空港で係官に渡すこともできます。 ESTA取得者は、入国書類を記入する必要がないので楽ですよ。
ESTA(エスタ)について
ESTA(エスタ)は、米国国土安全保障省(DHS)によって開始された電子渡航認証システムです。ビザなしでアメリカに旅行するVWP対象国の渡航者に対し、2009年1月12日よりESTAの申請が義務化されています。そのため、日本をはじめVWP対象国の国籍者は、アメリカ行きの飛行機や船に乗る前にESTAを申請し承認を受ける必要があります。ただし、 アメリカの自治属領(準州)であるグアムへの入国に際しては義務化されていませんので、申請しなくても入国は可能 です。
入国審査の時間を短縮できる
ESTAを取得すると入国書類の記入の必要がなく、空港での入国審査の時間も短縮 できます。ただし、入国書類にミスがある場合には書き直しが必要になることもあるため、米国国土安全保障省はESTAによる入国を推奨しています。少し面倒かなと思っても、ESTAを取得しておくと、優先レーンからスムーズに入国できるのでおすすめです。
またESTAを取得していない場合の最大滞在期間は45日ですが、ESTA取得者は滞在期間を最大90日まで延長できるというメリットもあります。
グアム独自の文化を満喫するにはオプショナルツアーがおすすめ!
1年中温暖な気候で海遊びのできる常夏のリゾート地グアム。300年以上にわたるスペインの統治時代や日本占領時代を経て、現在のアメリカ領に至るまで、それぞれの国の影響を受けながら独自の文化を形成してきた魅力的な島です。ベルトラではグアムの歴史と文化を体感できるオプショナルツアーを豊富にそろえています。グアム旅行を満喫するために、ぜひベルトラのツアーページをチェックしてみてくださいね。
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。
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