戦艦ミズーリ号はアメリカ海軍が完成させた最後の戦艦で、太平洋戦争、朝鮮戦争・湾岸戦争で活躍しました。その甲板上で大日本帝国の降伏文書調印式が行われたことで、終戦の象徴にもなっています。太平洋戦争末期に日本の特攻機による攻撃を受けましたが、当時の艦長は特攻機のパイロット石野二等飛行兵曹を水葬にして手厚く葬ったというエピソードが伝えられており、今でも右舷の甲板部には特攻機の攻撃場所と称される凹みが残っています。
現在はオアフ島パールハーバーのフォード島に係留され、同じ湾内前方には真珠湾攻撃で沈没した戦艦アリゾナとその乗組員を追悼するアリゾナ記念館が建っています。戦艦ミズーリ記念館を見学するには、パールハーバー・ビジターセンターからフォード島へ渡るシャトルバスを利用します。パールハーバーまではワイキキから市バス(ザ・バス)で片道約1時間です。
この周辺はパールハーバー・ヒストリック・サイツと呼ばれ、戦艦ミズーリやアリゾナ記念館の他にボウフィン潜水艦博物館や太平洋航空博物館などがあり、歴史を学ぶ上で大変意義深い場所となっています。
歴史
1944年に進水式が行われた戦艦ミズーリは第二次世界大戦や朝鮮戦争に出動し、一度退役したものの1986年には再就役し、1991年の湾岸戦争に参戦しました。
1992年に再度退役した後、1996年にアメリカ海軍は戦艦ミズーリをUSSミズーリ保存協会に寄付しました。
1998年にパールハーバー内のフォード島に係留され、1999年に戦艦ミズーリ記念館としてオープンしました。
2010年には本格的なメンテナンスを経て、リニューアルオープンしています。
見どころ
戦艦ミズーリ記念館のみどころはミズーリそのものと言っても過言ではないでしょう。
初期から搭載されている16インチの主砲と5インチの副砲、1986年の復役に際して搭載されたトマホーク巡航ミサイルとハープーン対艦ミサイルなどを見ることができます。
また、クリスマスツリーのニックネームを持つ船首や司令塔となる航海艦端、乗組員の居住区、兵士専用食堂などが当時の状況に忠実に再現されていたり、展示室として使われていたりします。
知識豊富な日本語のツアーガイドが、お客様に戦艦内の見所を紹介いたします。ガイドブックには載っていない第二次世界大戦中に神風特攻機がミズーリに衝突した際の話や、第二次世界大戦が正式に終了した降伏文書調印式の様子などをお聞きいただくことができます。車椅子のお客さまもご参加いただけます。