2023年9月27日から3日間、日本からひとり旅。上海を経由し26日午後に敦煌空港到着、ホテルのHPには空港送迎ありと書いていたが事前連絡していなかったためか送迎バスらしきものは見当たらず、タクシーで20分ばかし走り市中心部のホテルへ。支払... 続きを読むいはQRコードによる決済のみ。現金は無理といわれたがなんとか交渉し現金で払い降車。もはや中国では現金支払いは迷惑がられることを肝に銘じておく必要がある。日本はまだ夏のように暑かったが敦煌は夕方になるととても涼しい。ホテル周辺を散策しながら蘭州ラーメンで軽く夕食を済ませた。安くて美味くてボリュームも十分、店員の愛想以外は言うことなし。明けて27日、ツアー当日。集合時間になったらホテルロビーにガイドさんが現れた。恐らくこのひとかな?と互いにチラチラみながら「〇〇(私の名前)さんですか?」と日本語で話しかけられスムーズに合流。この時期、朝の敦煌は肌寒い(日本の晩秋みたい)。チャーター車両に乗り込みドライバーさんと挨拶を済ませ、いきなりメインディッシュの莫高窟へ。到着までの間、ガイドさんは莫高窟についての概要説明をしてくれた。日本語が堪能で留学経験があるかと思いきや、日本に行ったことすらないと聞き驚いた。莫高窟につくとまずは施設内の映画館でショートムービーを2本鑑賞、きっちりとお金をかけたつくりで日本語の翻訳イヤホン付きで十分楽しめた。上映中も入口の扉を開けっぱなしで外からの騒がしい声が聞こえまくりなのが何とも中国らしくて趣きがあった。そしてお待ちかねの莫高窟へ。バスに揺られ20分走ると右手に岩壁に穿たれた無数の穴が見えてきた。ガイドさんによると中秋節・国慶節の大型連休直前で来訪者は少ないとのこと。バスを降りてから石窟に入るまで行列に並ぶことはなかった。予想していた通り日本人客は私だけで敦煌研究院の日本語が話せる研究員(日本の大学生でも知らないような言葉もご存じでした)の方がついてくださり中国人団体客とは別行動で見て回る。石窟内の静寂が保たれたうえにマンツーマンの解説で贅沢そのもの。リアル「筆舌に尽くしがたい」体験。人類の偉大な遺産を前におカネの話も無粋だが、まさに”プライスレス”な価値があった。昼食は地元の食堂へ…敦煌名物といわれる「驢肉黄麺」ではなく、いわゆる家常菜を頂いた。中国のどこの食堂でも出てくるおかずを注文し麺にかけるだけだが、そういった食べ方は初めてだったので”作法”を知らず先に出てきたおかずを食べてしまった。味はどこの食堂でも出てくるベタなメニューだったのでどれもハズレなし。やはり、食は中国にあることを実感。お腹一杯になって午後イチは陽関へ。途中、日中合作映画『敦煌』のロケセットや白馬塔などを通過し荒野の直線道路を1時間ばかり走る。ガイドさんは色々教えてくれるが、満腹が連れてきた睡魔には勝てなかった。陽関は歴史博物館のようになっていて遺跡は狼煙台とされる土の塊だけ。…だが、この場所こそが詩仏・王維の詩に詠われた所であるかと思うと、得も言われぬ感動に包まれた。ちなみに最近建造されたと思しき巨大な王維像と漢詩の石碑がある。陽関を後にし、陽が傾き始めクライマックスの鳴沙山・月牙泉へ。立派に観光地化されていて、周辺にはコスプレ写真屋さんが乱立。西域の衣装に身を包んだ男女がスニーカーで闊歩していた。空には小型の遊覧ヘリ。いたるところで動画や写真の撮影が行われていた。観光客はもちろん、プロの撮影チームもいた。ラクダにまたがり1時間余り砂漠を巡る。途中、騎乗姿を引導スタッフに撮影してもらうタイムがあり20RMB必要。ラクダを降り徒歩で月牙泉へ向かう。ガイドブックなどにあるイメージ通りの構図は当然、月牙泉では撮れず鳴沙山に架けられた縄梯子を登って俯瞰を狙うしかないので、息を切らしながら砂山をあがった。日没前だったので陽のあたり方が絶妙で素晴らしい写真が撮れた。夜は市街中心部にある敦煌夜市に向かい屋台に腰かけた。なにはともあれ地ビール「醉沙州」の栓を抜く。ガイドさんが近くの屋台から羊肉串など私が希望したものを買い集めてきてくれた。私はただ飲み、食らうだけ。1人だけのチャーターツアーとはいえ結構なご身分だなと恐縮する。薄っすいビール3本を空けてい心地よくなったところでお土産の干し葡萄を買いに行きたいと伝えるも、ここで買うより地元スーパーで買った方が安くてまともだと言われ、妙に納得し翌日一人で買いに行くことにし、ツアー終了。ガイドの人柄・知識・判断力・融通の利き方どれも素晴らしく、大満足の一日だった。翌28日午後便で日本への経由地・上海に戻る。またここにきたいと思わずにはいられない一生モノの素晴らしい旅だった。
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