【最強の五重塔は山口県にあった】底力を感じる建築、歴史のおすすめ旅3選
山口県というと本州中国地方の端っこで、そんなに目立つエリアではないと思いますか。九州・福岡へ行くときに通るかな、という程度の人もいるかもしれません。しかし長州といえば幕末には維新の中心、今まで多くの偉人を出している土地です。そんな山口を少し覗いてみましょう。
有名どころも穴場も、余すことなく堪能できる旅へ
ただの橋ではない「錦帯橋」
有名な観光地です。5連につながる、 日本を代表する木造橋 としてあまりにも有名。画的にも映えるので人気の撮影スポットにもなっています。
しかしこの橋の 本質はその構造に あります。木造の桁、梁などを細かく組み合わせて全体を組み上げているわけですが、もともとその工法は神社仏閣などの社寺建築を専門としていた 宮大工のお家芸 なのです。それを利用し拡大させ、結果美しい景観になっているのです。
錦帯橋
- 住所:山口県岩国市今津町一丁目14番51号
- TEL:0827-29-5107
- 料金:大人・中学生以上 個人310円・団体260円、小学生 個人150円・団体120円 ※団体割引等あり
瑠璃光寺、日本一の五重塔へ
ここは穴場です。県外の人でここを目的に来ると言う人は少ないでしょう。
広い境内は香山公園として 桜や梅の名所 にもなっていますが、そのなかでも中心はやはり 国宝の五重塔 です。
国宝の五重塔は京都の醍醐寺、奈良の法隆寺とここの3つあります。しかし個人的には ここの五重塔が最高傑作 だと思います。
国民作家司馬遼太郎はこれを見て「長州はいい塔をもっている」と漏らしたとか。
しかし、塔を見て何が良いと思うのでしょうか。古いほどいいのか、高いほどいいのか。いえ、そんなのはただの数字に過ぎません。新しくても、低くても、いい塔はあります。私たちは五重塔をどのように見ればいいのか、少しだけ解説しましょう。
言い出せば様々ありますが、建築的な視点で、かつ外観のみに絞って3点言うと、まず五重塔の場合は 逓減率(ていげんりつ) です。逓減率とはこの場合、上に行くほど屋根が小さくなっている割合をいいます。それが他に比べ大きいこと。
もうひとつは、 軒の深さ です。つまり屋根の出が大きい。
最後に屋根のラインです。他のお堂なども含め寺院建築では端にいくほど軒先が反りますが、それが強過ぎず弱過ぎず、ちょうど良い、心地よい程度にみえること。ただしこれは屋根材が檜皮葺きになっているのと関係します。瓦より檜皮や銅板のほうが 屋根のラインが美しく見える のです。
それぞれ、大きいとか深いとか言いましたが必ずしもそれがいいわけではなく、それがどのような効果を出しているか、です。
瑠璃光寺
- 住所:山口県山口市香山町7-1
- 入園料:無料 瑠璃光寺資料館のみ有料
源義経、壇ノ浦合戦の地
関門海峡を望む壇ノ浦は、 源義経 が平家を破った 「壇ノ浦の戦い」 で有名です。
今は公園になっています。頭上には関門大橋、海は川のように潮流の早い場所です。義経はここではじめての海戦に臨みました。
壇ノ浦の厳しい岩壁沿いに、当時からこの海峡で漁を営む者たちが住み着いていました。その漁師が義経に雇われて軍船をこぎ、海峡の干潮などの情報を教えたといいます。海に不慣れな義経がこの潮の流れを利用した海上作戦によって平氏を壊滅できたのはここの猟師たちの尽力だったといわれます。
ここには対岸の北九州門司へ渡れる 関門トンネル があります。距離780mが世界的にも珍しい 歩行者用海底トンネル になっています。テレビのバス旅などで見たことある人もいますよね。みもすそ公園の道を渡ってすぐに入り口があり、歩行者なら通行無料、所要時間は約15分です。
みもすそ公園
- 住所:山口県下関市みもすそ川町21-1番
- 料金:無料
関門トンネル
- 営業時間:6時~22時
- 歩行者:無料、自転車・原付:20円
日本的な美の土地、山口県
寺社仏閣といえば京都・奈良というイメージで、五重塔などの多宝塔と言えばなおさらだと思います。でも知らないだけで意外と中国・四国エリアには 三重塔も五重塔もいいものが点在 しています。塔に限らず寺社建築物はちょっとした知識があると見物したときの充実度が格段に変わります。
源義経はもう1000年前の歴史上の人物ですが、最強の武将、悲劇のヒーローとしていまだに私たちを魅きつけてやみません。
山口県のような場所でワーケーションというのも悪くないのでは。
やってみよっか?