【和歌山】高野山の必見スポットまとめ!「宿坊」などのおすすめ文化体験も紹介
和歌山県にある高野山は、1200年の歴史を持つ日本仏教において重要な聖地。
しかし、山内に点在するお寺の数は現在117か所もあり、そのすべてを訪れるのはかなりの難易度となります。
そこで今回は、高野山の必見スポットとおすすめの体験について紹介します。ぜひ参考にして、高野山の魅力を満喫できる旅行計画を立ててみてください。
高野山とは?
ユネスコの世界遺産 である高野山は、平安時代初期に弘法大師によって開山された日本における 仏教の聖地 です。当時、唐に留学していた弘法大師が帰国するにあたり、どこに伽藍を建立すべきか知るために三鈷(さんこ)を投げたのがはじまりです。
その後、帰国し高野山を訪れた大師は現在の壇上伽藍がある地で1本の松の木に引っかかっている三鈷を見つけます。そこから真言密教に相応しい地であると判断され、開山へと至りました。
現在の高野山では、総坪数約4万8,000坪の広大な境内にいくつもの建物が立ち並んでいます。 高野山真言宗の総本山 であることも相まって、1年中多くの人が訪れるエリアとして有名です。
高野山で絶対外せない必見スポット
金剛峯寺
金剛峯寺(こんごうぶじ)は、高野山のほぼ中央にあるお寺です。弘法大師により『金剛峯楼閣一切瑜伽瑜祇経』というお経の名前から命名されました。1593年に 豊臣秀吉が建てた青厳寺(せいがんじ)に、隣の興山寺(こうざんじ)が合併したものが、現在の金剛峯寺の姿 です。
主殿は、檜の川を重ねた 檜皮葺(ひわだぶき)の屋根 に 天水桶(てんすいおけ) と呼ばれる桶が乗せられている外観が特徴的です。一般参詣入口として利用している小玄関から内部が見学できます。奥に大師を祀っている 「持仏間(じぶつま)」がある「大広間」 や、 豊臣秀次が自害した「柳の間 」、 国内最大級の石庭である「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」 など、見どころも充分です。お寺とは思えないほどの壮麗な空間に目を奪われることでしょう。
【基本情報】
- 所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山132
- 時間:8:30〜17:00(最終受付16:30)
- 拝観料:中学生以上1,000円、小学生300円
壇上伽藍
広大な高野山の中でも、 弘法大師が最初に整備を始めた 壇上伽藍(だんじょうがらん)は、真言密教の思想に基づいて塔やお堂が建立されているのが特徴。信仰の中心地として大切にされてきたエリアです。
入口である 「中門(ちゅうもん)」 をはじめ、壇上伽藍は高野山の一般的なイメージが強く表れている場所と言えます。 総本堂である「金堂(こんどう)」 と、 国内で最初につくられた多宝塔の「根本大塔(こんぽんだいとう)」 は、歴史的・仏教的の双方において重要な役割を担ってきた建物。特にシンボルとしての役割もある根本大塔の内部は、16本の柱や壁も使って立体的に曼荼羅が表現されていることもあり、独特な雰囲気に包まれています。
【基本情報】
- 所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山152
- 時間:8:30〜17:00(最終受付16:30)
- 拝観料(金堂):中学生以上500円、小学生以下無料
- 拝観料(根本大塔):中学生以上500円、小学生以下無料
奥之院
弘法大師の「御廟(ごびょう)」がある 奥之院(おくのいん)は、山内でも壇上伽藍と同じくらいに重要な聖地です。853年に62歳の弘法大師が生きたまま瞑想に入った伝説があり、現在も生きて人々を救済し続けていると信じられています。
入口の 「一の橋」から御廟まで約2kmの参道 には千年杉が生い茂り、20万基を超えると言われる供養塔や墓石が立ち並んでいる光景は圧巻です。 皇室や貴族関係、法然や親鸞などの各宗派の開祖 をはじめ、 上杉謙信や武田信玄、織田信長や豊臣一族 といった 有名な戦国武将のお墓 もあります。松尾芭蕉や与謝野晶子など 著名な歌人の碑 や一風変わったデザインの墓石などもあり、お墓参りに訪れる歴史ファンもいるほどの必見スポットです。
【基本情報】
- 所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山550
- 拝観料:無料
- 営業時間(5月〜10月):8:00〜17:00
- 営業時間(11月〜4月):8:30〜16:30
霊宝館
弘法大師による開山以来、高野山では膨大な数の仏像や仏画などの貴重な文化遺産が集まっています。これらを保存し、一般にも公開する場所として1921年に開設されたのが霊宝館です。
開設当初は 宇治の平等院をモデルにした本館 だけでしたが、大宝殿と収蔵庫が増設され、現在では 高野山内の国指定有形文化財の大半が収蔵 されています。その数は国宝や重要文化財などの指定文化財の約2万8,000点を含めて10万点以上。種類も多岐にわたり、 弘法大師が唐から持ち帰ってきた彫刻や自筆本 、 平安時代や鎌倉時代につくられた仏像 など、貴重な品が目白押しです。
常設展示以外にも、企画展・特別陳列などで 年に数回入れ替えられながら順次公開 されているため、訪れる度に新しい発見があります。
【基本情報】
- 所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山306
- 開館時間(5月〜10月):8:30〜17:30(最終受付17:00)
- 開館時間(11月〜4月):8:30〜17:00(最終受付16:30)
- 拝観料:一般1,300円、高校・大学生800円、小中学生600円
高野山で体験したい3つのこと
宿坊に泊まる
敷地面積の広い高野山は1日で要所を回り切るのが難しく、宿泊してじっくり観光するのがベター。その場合におすすめなのが 宿坊での宿泊 です。
宿坊は僧侶や参拝者の宿泊場所であり、 高野山内では51か所 から選べます。それぞれの場所で客室や庭園、お風呂や料理などに個性があり、 早朝からのお勤めなどにも参加できる のが特徴。飲酒が禁止されることもなく、 「般若湯(はんにゃとう)」 と呼ばれるお酒もいただけます。間近で炎が燃え上がる迫力満点の秘法も体験できるなど、宿坊ならではの体験は貴重な思い出となるでしょう。
精進料理に舌鼓を打つ
観光の時には現地にしかないグルメを楽しみたいものです。高野山では、 宿坊に宿泊しなくても精進料理がいただけます 。
肉や魚などを使わない料理である精進料理に対し、質素で味気ないものというイメージを持つ人もいるでしょう。しかし、高野山の精進料理は、平安時代から皇族の方々や大名をはじめとする 全国からの参拝者を快く出迎える気持ちを込めて振る舞われる特別な料理 です。季節の野菜や豆製品などを使ったヘルシーな品々が、色鮮やかな見た目で御膳いっぱいに並べられています。
ぜひ静かで落ち着いた空間で、身も心にも優しい精進料理を楽しんでみてください。
修行体験をする
高野山で弘法大師の教えや伝統に触れるための選択肢として、修行体験が候補に上がります。特に体験しやすいのは、 「阿字観(あじかん)」 と 「写経」 の2つです。
阿字観は真言宗における瞑想法です。金剛峯寺内にある阿字観道場で指導を受けながら行えるので、初めてでも忙しい日常から離れた時間が過ごせます。もう1つの写経は、黙々とお経を書き写していく修行で、気軽に行いやすいのが魅力。一文字ずつ願いを込めながら行えば、雑念を払って心身が健やかになると言われており、集中力も高められるでしょう。
高野山で寺社文化を肌で感じてみよう
和歌山県でも人気の高い高野山は非常に見どころが多く、ただ訪れるだけではもったいない観光地です。事前に見に行きたいスポットを絞り込んでおいたり、高野山でしか体験できないことも取り入れたりすると、充実した旅の計画が立てられるでしょう。
ぜひこの記事を参考に、日本の寺社文化の原点を肌で感じられる高野山を訪れてみてください。
出典・参考
やってみよっか?