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『VELTRA ワインサークルでワインを学ぼう』第二回 赤ワインと白ワインの違い

全10回のシリーズでお届けする「ベルトラ ワインサークルでワインを学ぼう」の第二回目は赤ワインと白ワインの違いについてです。

赤ワイン白ワインブドウが主原料ですが、なぜ違いが出るのかご存じでしょうか?理由としては2つ。1つ目は使用するブドウが違うこと、そして2つ目は製法が違う事です。では具体的にどういった違いがあるのか詳しく見ていきましょう。

ブドウ品種の違い

赤ワインに使われる黒ブドウ

赤ワインを造る時は必ず「 黒ブドウ 」を使用します。

黒い果皮を持つブドウ 品種で、 赤い色はその果皮の部分から出る色素 です。食用の巨峰やピオーネよりも粒が小さく、果皮も紫ではなく、黒と表現したほうがいいほど濃い色をしています。

白ワインに使われる白ブドウ

白ワインを造る時は基本的に「 白ブドウ 」を使用します。実は一部黒ブドウの果皮を取り、果実のみを使用した白ワインもあるのですが、基本は 白ブドウ として覚えましょう。

名前の通り、白ぶどうはシャインマスカットのような イエローグリーン がかった 果皮 が特徴です。

製法による違い

赤ワインの基本製法

まずは赤ワインの製法から見ていきましょう。

赤ワインのそのほかの製法について

基本の製法に加えて、下記のようなテクニックを駆使している場合もあります。

  • マセラシオン・カルボニック(仏:Maceration Carbonique)

日本でも有名な「 ボージョレ・ヌーヴォ 」の醸造で用いられる技法です。ブドウを破砕せず、充満する 二酸化炭素と 一緒にタンクの中に置いて 発酵させる ことで、 フレッシュな香り と、渋みが少ないのに 濃い色合い を兼ね備えたワインが出来上がります。 通常のワインより短期間で造ることができる ので、解禁日の定められた新酒の醸造で使われることが多いです。

  • マセラシオン・ア・ショー(仏:Maceration a chaud)

果醪 (かもろみ)に熱を加える「 醸し (かもし=マセラシオン)」の方法です。熱を加えることでよりしっかり、果皮、種子から成分を抽出させることができます。

  • コールド・マセレーション(英:Cold maceration)

熱を加えるものがあれば、もちろん冷やす方法もあります。発酵前に果醪を数日~10日間程度低温で保持し、果皮成分をじっくりと抽出します。ブドウの酵素により果実味のある味わいのワインとなります。

白ワインの基本製法

次は白ワインです。赤ワインとの大きな違いは、 除梗後に「醸し」があるか という点です。

白ワインのそのほかの製法について

白ワインにおいても基本の製法に加えて、下記のようなテクニックを駆使している場合があります。

  • スキン・コンタクト(英:skin contact)

ブドウを破砕し、その後しばらく果皮を果汁に浸漬させ、 果皮 からの 成分抽出 を行います。こうすることで、果汁に ブドウ品種 の特性をより 濃厚に与える 事が出来ます。

  • デブルバージュ(仏:Debourbage)

発酵前に圧搾後の果汁をしばらくおき、 不純物 沈殿 させ 取り除き ます。濁度(にごり)のない上澄みで発酵を始めることで 透き通った色の白ワイン が出来上がります。

  • シュール・リー(仏:Sur Lie)

フランス語で「澱(おり)の上」と訳します。訳の通りアルコール発酵後、澱引きを行わず容器の中で澱とワインを一緒にしたままにします。 澱由来の複雑味 旨味 をワイン中に引き出す製法で、フランスの ロワール地方 ペイ・ナンテ地区 ミュスカデ種 や、日本の 甲州種 でよく用いられる製法です。

  • クリオ・エクストラクション(Cryo-extraction)

収穫したブドウを人工的に -7℃以下 で凍らせ、 甘口 のワインを造る製法です。ドイツやカナダの「 アイスワイン 」が冬の寒さを利用して樹上で自然に凍ったブドウを使用し醸造するのに対し、この製法では ブドウを圧搾し氷を取り除く 事で、糖度を上げた果汁を造り出します。

ワインを熟成させる発酵・貯蔵容器について

木樽

まずは皆様が想像する、 木の樽で熟成する方法 です。木で造られている為、 酸素 が適度に 浸透 保湿性 に優れています。一般的に オーク材 が使用され、木の成分の一部が分解されワインと溶け合うことで、 ヴァニラ香 ココナッツ香 と呼ばれる香りが増えていきます。メンテナンスに手間はかかりますが、きちんとしたお手入れをした木樽は100年以上も使えるそうです。

ステンレスタンク

ステンレスタンクのメリットは耐腐食性なので衛生管理が容易という点です。ただし熱伝導率が高い為、外気温の影響を受けやすいというのがデメリットです。この点を補完する為に、多くのワイナリーでは コンピューターによる温度管理 ができる設備を導入しています。 0.1度単位 で細かく管理することができ、安定して環境下でワインを造ることができます。また完全に密閉された状態なので意図しない酸化は引き起こされず、 フレッシュな タイプの ワイン が出来上がります。

コンクリートタンク

分厚い壁 により外の 温度の影響を受けづらい ので、安定した条件温度下でワインを造ることができます。お手入れは木樽よりも簡単で、ステンレスタンクよりは手間がかかる。また僅かに通気性を持っているので酸素とも多少触れ合う。つまりは木樽とステンレスタンクの中間というところでしょうか。

21世紀に入り「 コンクリート・エッグ 」と呼ばれる卵型のコンクリートタンクで白ワインを醸造をしているワイナリーも増えてきました。コンクリート・エッグは クヴェヴリ (皆さん覚えていますか?第一回目でご紹介したワインの発祥の国、ジョージアでワイン熟成の為に使われていた 素焼きの壺 のことです)から発想を得ていると言われています。*クヴェヴリというのはジョージアでの呼び名で、世界的な総称はアンフォラとなります。

写真はワインショップにあった、 クヴェヴリ を再現した ジョージアワイン です↓

第三回の予告

赤ワイン 白ワイン の違い、そして 醸造方法 といっても いろいろな手法 があることがお分かりいただけたでしょうか?

製法によっても味わいや香りに違いが出てくることから、日々ワインメーカーはどの方法がベストかを模索し続けているんですね。

次回は スパークリングとシャンパン についてお伝えします!

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VELTRAワインサークルでワインを学ぼう 全10回

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