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【サウジアラビア】ベルトラスタッフ旅行記|おすすめツアー・グルメを徹底解説<Part2 ジェッダ到着&日帰りメディナ編>

1記事目の『【サウジアラビア】ベルトラスタッフ旅行記|世界遺産・おすすめツアー・グルメを徹底解説<アルウラ編>』はお読みいただけましたでしょうか。

この記事では、4・5日目のジェッダ到着&日帰りメディナ観光について存分にお伝えします。

「アルウラ」とは全く雰囲気の違った「ジェッダ」と「メディナ」に加えて、サウジアラビア版新幹線、イスラム教の文化、空港ラウンジについてなど、内容盛りだくさんでお送りする【第2弾】です。

第1弾をまだお読みでない方はこちらから↓

旅の行程表

3日目

  • SV1631 ULH(1940) / JED(2105) サウディアで空路ジェッダへ
  • Aquila Hotel Jeddah Al Hamra泊

4日目

  • 終日:メディナ観光(往復電車利用)
  • Train 00080 Jedda(0832) / Madinah(1025)
  • Train 01151 Madinah(1530) / Jedda(1711)
  • Aquila Hotel Jeddah Al Hamra泊

雄大な自然美のアルウラからリゾート都市ジェッダへ

アルウラ空港から出発する飛行機は全てバス移動&タラップで搭乗。アルウラの雄大な自然を背景に、国営航空会社のサウディアが凛々しい姿で待っていました。サウジアラビアの航空会社は、フラッグキャリアでありフルサービスのサウディア(Saudia)、LCCのフライナス(Flynas)、サウディア系列のLCCのフライアディール(flyadeal)の3社がメインで、乗客者数が多い路線は3社全てがフライトを運航しています。

サウジアラビアの第二フラッグキャリアとして2025年に運航開始予定のリヤド・エア(Riyadh Air)は首都リヤドを拠点とし、2030年までに世界100都市以上への就航が計画されています。日本への早期就航も噂されているので、直行便開設でサウジアラビアが一気に身近な国になる日は近いかもしれません。

サウジアラビアが観光ビザを解禁したのは2019年9月とまだ最近ではありますが、イスラム教の二大聖地(メッカ、メディア)を有するサウジアラビアはイスラム教徒にとって憧れの地であり、観光ビザが解禁される以前から世界中のイスラム教徒が巡礼のために訪れています。特にイスラム暦第12月8日から3日間行われるハッジ(大巡礼)には200万人を超えるイスラム教徒が訪れ、ハッジ専用のチャーター機が数多く運航される程です。

日本人観光客にはまだまだ馴染みが薄いサウジアラビアですが、近隣国からの国際線や国内の航空路線は活発で、増加の一途を辿っています(2023年度データ:OAG調べ)。

◆ 全世界の国際線乗客数ランキング 2023

  • 2位:ジェッダ~カイロ(年間480万人)
  • 6位:リヤド~ドバイ(年間400万人)

※1位はクアラルンプール~シンガポール、3位が香港~台北、4位が関空~仁川

◆ 全世界の国内線乗客数ランキング 2023

  • 8位:リヤド~ジェッダ(年間790万人)

※1位は韓国の金浦~済州、2位が羽田~札幌、3位が羽田~福岡

アルウラからジェッダへのフライトは約1時間半。アルウラ~リヤド、アルウラ~ジェッダ共に毎日運航ではなく、曜日によってフライトの時間帯が変わったりするので、旅行の計画を立てる際に結構大変でした。全部のフライトの運航曜日と時間を書き出し、リヤド線とジェッダ線を組み合わせることで、うまく計画が立てられると思います(リヤドからアルウラに入り、アルウラからジェッダへ抜ける、など)。

アルウラはサウジアラビア旅行のハイライトですので、まずはアルウラ滞在を軸にして、その他の都市で前後で挟む方法がいいのではないかと思います。

飛行機の中は民族衣装を着たサウジアラビア人、ウムラ(小巡礼)用のタオル生地の衣装を着ているイスラム教徒、欧米から訪れている観光客など、個性強めの人々で構成されています。しばらくすると着陸態勢に入り、窓の外にはジェッダの眩しいくらいの夜景が見えてきます。つい数時間前までアルウラの大自然の中にいたのに、一気に大都会にやって来ました。

想像の遥か上をいくサウジ版新幹線

乗り鉄として世界中の列車に乗ってきた身として、今回のサウジアラビア旅で一番楽しみだったことの一つが、サウジアラビア版新幹線「HHR(Haramain High-speed Railway)」に乗車すること。2018年10月に開通したばかりで、ジェッダ経由でイスラム教二大聖地のメッカとメディナを結ぶ、サウジアラビアの大動脈とも言える路線です。

ジェッダには市内と空港に駅があり、今回利用したのは、市内にあるJeddah Al-Sulimaniyah Train Station。ホテルからUberで向かいましたが、遠くからでも分かるほど規模が大きい駅です。

サウジアラビアでメジャーな配車アプリといえば、リヤドやジェッダなどの大都市で使えるUber、大都市~中都市でマルチに使えるCareem、小さな町でも比較的使えるKaiianがあります。ただし、利用者の殆どがサウジアラビア人のKaiianはドライバーが英語が話せない確率が圧倒的に高く、かつピックアップ場所の確認がアラビア語で電話というハードルの高さです。

UberとCareemの手配が難しいアルウラではKaiianが効果を発揮しますが、サウジアラビアを個人旅行するならCareemが最も便利ではないかと思います。タクシーはメーターを使えば最も安いですが、乗車して直ぐにメーターを倒す・倒さないで揉めることが多いのと、新しいホテルや施設はドライバーが知らないことが多いので、アプリ利用が無難ではないかと思います。

ジェッダの鉄道駅に入って、まず驚くのが駅のデザインの美しさ。ダイヤモンドから得たインスピレーションとこの地域の建築様式を掛け合わせたというデザインが目を引きます。

この芸術的な建物を手掛けたのは、アップル本社(アップルパーク)やドイツの国会議事堂、バルセロナのカンプノウスタジアムなどのデザインで知られる世界的建築家ノーマン・フォスター氏の建築事務所である「フォスター+パートナーズ」。さすが世界の巨匠の作品です。

ジェッダからメディナに向かう列車は1時間に1~2本で、事前予約が必要です。多くの列車がノンストップですが、一部の列車がキングアブドラ経済都市「KAEC(King Abdullah Economic City)」に停車します(所要時間は5分しか変わりません)。

このキングアブドラ経済都市はサウジアラビアが推し進めているメガプロジェクトの1つ。紅海沿いに世界トップ10入りを目指す巨大な港を有する計画都市で、多くの日本企業も進出しています。このようなメガプロジェクトが国土の至るところで同時進行しているサウジアラビアのパワーを感じます。

◆ サウジアラビア国内 事前列車チケット手配

サウジアラビア版新幹線「HHR(Haramain High-speed Railway)」の車体はスペインの高速列車「AVE」を元にしたもの。メンテナンスのためか、駅構内にスペイン国鉄「Renfe」と「AVE」のロゴが入った制服を着たスペイン人らしきスタッフを見かけました。

出発ホームに入ってきた車両はヨーロッパ的なフォルムに、サウジアラビアらしいゴールドと濃緑の塗装をまとった”ハイブリッドイケメン”。文句なしに格好良くて、乗車する前からテンションが上がります。

往路で乗車するのはエコノミークラス(普通車両)。座席配置は通路を挟んで2-2で、座席幅もシートピッチも十分な広さです。アラブの幾何学的なデザインが美しく、落ち着いた色合いのシートが高級感を醸し出します。

天井からぶら下がっているモニターにはリアルタイムのルートマップ(飛行機のフライトマップのような)と現在の速度が出ています。最高時速350kmが出せる車両ですが、このルートの最高時速は300km。ジェッダからメディナへのルートを半分過ぎたくらいから最高時速で運航されます。

サウジアラビアは国土の殆どが砂漠というイメージがありますが、このジェッダとメディナを結ぶ列車の路線は山間部やオアシス、大小の街が続き、変化に富んだ車窓が楽しめます。海外で長距離列車に乗ることができる貴重な機会ですので、是非サウジアラビア個人旅行で試してみてください!

未知の世界が広がる、イスラム教の聖地メディナ

メディナの鉄道駅に到着すると、大量のタクシーが待ち受けています。タクシーは料金交渉が必要ですが、Careem又はUberのほうが安価です。CareemとUber専用の乗り場も設置されていますので、アプリで車を呼ぶほうが良さそうです。鉄道駅から預言者のモスク(の近くの車で行ける場所)までは車で約20分(約15km)。モスクに近づくにつれ、右も左もホテルだらけになる特殊な光景です。

車を降りたら、歩いて預言者のモスクを目指します。「どっちに行ったらいいか分からない?」大丈夫です。全員が同じ場所を目指しているので、その流れに乗って行けば必ずモスクに到着します。モスクに向う人たちのほぼ全員がイスラム教徒で、近隣のアラブ諸国をはじめ、トルコ、エジプトやモロッコなどの北アフリカ、ウズベキスタンなどの中央アジア、マレーシアやインドネシアなどの東南アジア諸国など、世界中から本当に多くの人が訪れています。

聖地メディナに行く夢がようやく叶ったという人も多いのではないかと思います。イスラム教徒しか街に入れないメッカと異なり、誰でも訪れることができるメディナでは、残念ながら配慮が足りない異教徒が見受けられます。日本人の多くが異教徒になるかと思いますが、イスラム教徒の方々を優先し、私たちは「お邪魔させていただいてる」という謙虚な気持ちが必要なようです。

お祈りの時間に多くの店が一時的に閉まり、再びオープンとなりますが、KFCの前に行列ができていました。豚肉を食べないサウジアラビアでは、鶏肉が圧倒的人気No.1!多くのファストフードチェーンの看板メニューがフライドチキンです。世界的チェーンのマクドナルドやKFC、バーガーキングなどはもちろん、ジェッダ発祥でサウジアラビア版マックと言われる「アル・バイク(AL BAIK)」の人気メニューもやっぱりフライドチキン。部位や形、調理方法が異なるフライドチキンのメニューは実に10種類ほど。サウジアラビア旅行の際に是非お試しください!(メディナでは駅の1階にあります)

一度にお祈りができる人数が何と100万人というメディナ最大の預言者のモスク。お祈りが終わると、あらゆる出口から凄い数の人たちが外に出てきます。その人々の流れに乗っていたところ、全員に何かを配っている人たちがいて、その何かを受け取ったところ、サウジアラビアの国民食カブサ(鶏肉の炊き込みご飯)でした。世界中からメディナに巡礼に来る人たちに無償で食事の提供をしているとのことです。

「私はイスラム教徒ではありません」とお伝えしたところ、「アラーは人を区別しませんので、是非召し上がってください」とのことでしたので、ありがたく食べさせていただきました。かなりスパイシーでしたが、本当に美味しく、ほっこりと温かい気持ちになりました。ご馳走さまでした。

復路は優雅にビジネスクラス利用

往路のエコノミークラスも十分に満足なクオリティでしたが、復路のビジネスクラスはお値段以上の優雅さを味わうことができました。ビジネスクラスの価格はエコノミークラスの1.5倍くらいなので、それであればビジネスクラスのほうがお得と言えるかもしれません。

ビジネスクラス利用時のサービスで最もお得感があるのが、ビジネスクラスラウンジが使用できること。ただし、使用できるのは列車出発時間の2時間前から(出発2時間前にならないと改札を通ることができません)。私は3時間前に駅に行ってしまったため、まずは駅構内のスターバックスで時間を潰すことにしました。

日本人も負けず劣らずスタバ好きですが、サウジアラビア人のスタバ愛も凄いです。日本では若い年齢層の利用が多いのではないかと思いますが、サウジアラビアでは民族衣装を着たオジサマがよく列に並んでいます。お酒を飲まないサウジアラビアでは昔からカフェ文化が浸透しているので、当たり前の光景なのかもしれませんが、微笑ましくなります(私もオジサンですが...)。

人気のメニューはコーヒーメニューのアイス。暑い国なのでホットよりもアイスドリンクのほうが需要が高いのかなと思います。また期間限定のフルーツ系ドリンクも気になります。どこの国でも同じですね(笑)。

出発2時間前になり、満を持してビジネスクラスラウンジに向かいます。ゴールドと黒を基調にしたゴージャスなデザインで、利用されている方々も優雅な雰囲気。否応なしに心が高鳴ります。ビュッフェコーナーには軽食と飲み物が用意されていて、地味に物価が高いサウジアラビアでは助かります。

ビュッフェから取ってきたのは、ミニサイズのバーガー(サンドイッチ)2種類とオリーブ、ミニトマト、ケーキ、ジュース、カフェラテ。シンプルですが、素材の味が活きていて美味です。サウジアラビアの食べ物全体に言えることですが、素材の一つひとつが新鮮でナチュラルに美味しい。特に野菜と果物は種類が多く、その美味しさに驚きました。

また、中東はスイーツがとにかく甘いことで知られていますが、サウジアラビアのカフェやホテルのビュッフェなどのスイーツ類は甘さ控えめで日本人好みの味です。サウジアラビア旅行中に太る人が多いとか。ご注意ください。

このラウンジで最後に是非ご紹介したいのが、男性用化粧室。ゴールドと大理石、木目、幾何学模様がゴージャスな雰囲気を醸し出しますが、落ち着いて用を足す感じではないかもしれません。

ジェッダ行きのビジネスクラスは通路を挟んで2-1の配置。かなり広々としていて、向かい合わせの席には大きな木目調のテーブルが備え付けられていますので、ファミリーやグループでの利用におすすめです。また各座席に個人モニターが設置されています。ただし、映画やテレビ番組が見れる訳ではなく、この高速鉄道に関する動画やイスラム教に関する短い動画コンテンツのみとなりますので、今後のアップグレードに期待ですね。

まさかの車内食がビジネスクラス利用者に配られました。内容はラウンジで食べたものと似ていて、殆ど食べることができませんでした。申し訳ありません...。時間帯によって食事があったりなかったりするようです。

※次号は「 【サウジアラビア】ベルトラスタッフ旅行記|おすすめツアー・グルメを徹底解説<Part3 ジェッダ編> 」をお送りします!

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