世界遺産「白川郷」の基本情報と楽しみ方ガイド
日本の原風景が残る「岐阜県・白川郷合掌造り集落」。国内外から一年を通じて多くの観光客が訪れる人気の観光スポットです。
この記事では、白川郷の旅行をお考えの方や初めて行く方に向け、白川郷の楽しみ方と出発地別のおすすめ観光ツアーをご紹介します!
INDEX
基本情報
白川郷とは?
岐阜県北部・飛騨地域の中でも急峻な山々に囲まれた大野郡白川村の荻町地区。ここは大小100棟余りの合掌造りが残る里山の集落で、 日本のふるさとを思い起こす風景が広がります 。建築的価値の高い合掌造りの家屋と日本の原風景ともいうべき美しい農村景観を保持していることが評価され、 平成7年(1995年)に富山県の五箇山と共に「白川郷・五箇山の合掌造り集落」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録 されました。
荻町集落には、合掌造り家屋をはじめ、寺院本堂、庫裏、板倉などの伝統的建物が保存されています。国内外から多くの観光客が訪れる合掌造り集落では今でも人々の生活が営まれており、伝統ある集落を守り続けています。
写真:一年に数日だけライトアップされる白川村( 特集 )
合掌造りとは?
「合掌造り」とは、 屋根の形が手を合わせて合掌している形に見える ことから、その名前がついたと言われています。 木の梁を山形に組み合わせて建てられた日本独自の建築様式 で、豪雪地帯に適した切妻造りの屋根の茅葺の家屋です。
屋根の茅の厚みは30cm~50cmあり、屋根に勾配をつけることによって雪の重さを軽減するために工夫がなされています。かつて白川村では養蚕業が営まれており、合掌造り家屋の屋根裏は蚕の飼育場として使用されていました。また1階部分では加賀藩の直轄事業で塩硝作りも盛んに行われていました。現在は合掌造り民家の内部を公開しているところもあり、合掌造りの構造や養蚕、塩硝作りについても学ぶことができます。
観光ベストシーズン・服装
白川郷は一年を通じて四季折々の風景を楽しむことができます。 新緑や紅葉、稲作風景、雪景色など日本のふるさとを思い起こしてくれる景色に出会えます。
春(3~5月)
3月に入ると段々と気温があがり雪解けが始まります。 残雪が終わりを告げる4月中旬から桜が開花し、5月初旬頃まで見ごろ を迎えます。5月末には早乙女姿の女性が田植え唄を歌いながら田んぼに手で苗を植えていく「田植えまつり」が開催されます。
◎服装
3月中旬まではまだ冬の寒さが残っているので寒い時期の服装がベター。4月になると徐々に暖かくなってきますが、日中と明け方など1日を通しての 気温差もあるのでジャケットやカーディガンなどの羽織ものを用意しましょう 。
夏(6~8月)
6月の新緑時期は目にも鮮やかな緑が集落いっぱいに広がります。 7月に入ると青々とした稲穂が合掌造りを囲み、より一層鮮やかな光景が楽しむことができます。 緑が茂る田んぼや青空の下に咲くひまわりなど、自然あふれる白川郷の力強いパワーを感じてみてください。
◎服装
最高気温が東京や大阪と同じくらい高くなるので、普段の夏の格好で十分です。白川郷は山間部に位置しているので山から吹く風が涼しく感じられます。
秋(9~11月)
9月に入ると気温が下がり始め、秋の訪れとともに田んぼには黄金色の稲穂が実ります。 10月中旬頃から11月中旬は紅葉シーズンとなり、村一面が秋色に染まる美しい風景を見ることができます。 合掌集落を火災から守るための消防訓練として、10月末〜11月上旬には白川郷の家屋に放水をする「一斉放水」の行事も行われます。
◎服装
都会の比べて一足早く秋が訪れる白川郷では、明け方や夜と日中との気温差があるため、9月でも羽織るものがあると安心です。 10~11月はぐんと寒さが増すため秋物のセーターなどのご用意を。
冬(12~2月)
12月上旬~3月上旬までの降雪シーズンは、合掌造り集落では 幻想的で真っ白な景色があたり一面に広がります。 例年1月、2月にはライトアップが行われ多くの観光客が訪れています。
◎服装
白川郷は日本でも有数の豪雪地帯でもあり、気温が氷点下になる日が多いため、暖かいインナーやダウン、手袋、ニット帽などの防寒着が必須となります。靴はスニーカーではなく防水防寒ブーツがおすすめです。
白川郷のおすすめスポット
集落を一望できるビュースポット「荻町城跡展望台」
白川郷の広告やパンフレットなどの写真によく使われている白川郷集落の全景が望める展望台 です。荻町城跡の台地西北部は断崖絶壁になっている典型的な中世の山城で、白川郷合掌集落から徒歩20分、シャトルバス利用なら10分でアクセスできます。
白川郷の代表的な家屋「和田家」
江戸時代中期~後期にかけて建てられたと言われる白川郷を代表する築約300年の茅葺き合掌造り家屋 。庭や生垣、周囲の田畑や水路などの周辺環境の保存状態が良く、 国指定の重要文化財 にも登録されています。江戸期に名主や番所役人を務めるとともに、白川郷の重要な現金収入源であった煙硝(火薬)や生糸の取引によって栄えました。今なお住居として活用しつつ、1階と2階部分は一般に公開されています。
営業時間: 9:00~17:00
定休日: 不定休
料金: 大人 300円/小人 150円
白川郷の生活文化を紹介「合掌造り民家園」
白川郷の風景を再現した園内では、 県重文9棟を含む25棟の合掌造りを保存、公開 しています。主屋だけでなく、神社やお寺本堂、水車小屋などがあり、テーマパークのように楽しむことができます。常設展示場の他に、かたりべの館やお休み処、そば道場などの施設で構成され、 白川村の歴史や文化をゆっくり学べるようになっています 。
営業時間: 3月~11月 8:40~17:00/12月~2月 9:00~16:00
定休日: 4月~11月 無休/12月~3月 木曜日定休(祝日の場合は前日休)
料金: 大人 600円/小人 400円
白川郷にある唯一の天然温泉「白川郷の湯」
白川郷合掌集落にある天然温泉施設。内湯の他、ジェットバス、男湯はドライサウナ・女湯にはミストサウナ、露天風呂からは白山連峰や合掌集落、眼下に流れる庄川の美しい景色を見ることができます。
住所: 岐阜県大野郡白川村荻町337
営業時間: 7:00~21:30
定休日: 木曜日(金曜日の営業開始15:00)
料金: 大人 700円/小人 300円(4~12歳)
出発地別!白川郷を満喫するおすすめバスツアー
曜日によって観光ルートが変わる!金沢発着ツアー
実は金沢から白川郷へは約1時間15分でアクセスできる ことはご存知でしょうか?JR金沢駅発着のバスツアーなので鉄道を利用して金沢を訪れる方にもおすすめ& 金沢旅行にもう1日プラスした日帰り旅行が可能 です。
ツアーは曜日によって異なり、白川郷をたっぷり堪能するコース、白川郷と五箇山の2つの世界遺産を訪問するコース、白川郷と飛騨高山を見学するコースの3コースが設定されているのが特徴です。どのコースでも添乗員またはガイドがついているので、白川郷についての質問やおすすめの撮影ポイントなど知りたい情報をすぐに聞くことができ旅の満足度も上がりますよ。
観光時間を自由にプランニングできる!飛騨高山発着ツアー
JR高山駅に隣接の高山濃飛バスセンターから高速バスに乗って1時間で白川郷へ。往路も復路もバスの乗車時間は自由に選べ、白川郷の観光時間も 自在にプランニングすることができるので、自由行動派の人におすすめ です。白川郷の散策は完全に自由なので、観光スポットやお土産屋さん、軽食店など途中で気になった場所にすぐに立ち寄ることができるのも嬉しいポイントですよ。
人気観光スポットの「和田家」と「合掌造り民家園」の入場券がセットになっているので、ご自身のペースで白川郷の歴史を学ぶことができます。昼食は、雰囲気のある合掌造りの中で、季節の恵みをふんだんに生かした郷土料理をご堪能いただけます。
白川郷&飛騨高山 たっぷり4時間滞在!名古屋発着ツアー
岐阜県が誇る世界遺産・白川郷と古くから栄えた飛騨高山をめぐる名古屋発着のバスツアー。 どちらのスポットも2時間ずつの滞在時間がついている ので、思い思いに散策することができますよ。古き良き町並みが残る飛騨高山は、 国の重要伝統的建造物群保存地区の「さんまち」 に見どころが集中しているので街歩きに最適。天領・飛騨の政治をつかさどった 「高山陣屋」は、日本で唯一主要建物が現存する貴重な建物で高山観光のシンボル的存在 となっています。高山名物の人力車は50年近くの歴史があり、優雅に車上から街巡りをするのも一興ですね。
また白川郷の荻町集落内は、本通り沿いに食事処やお土産屋さんが軒を連ねているので、本通りを拠点にそぞろ歩きが楽しめます。
アクセス方法
電車・高速バスでの移動
<金沢から>
金沢駅~白川郷バスターミナル:高速バス 約1時間20分
<名古屋から>
名古屋 名鉄バスセンター~白川郷バスターミナル:高速バス 約2時間30分
<大阪から>
大阪駅~金沢駅:JR特急サンダーバード 約2時間40分
金沢駅~白川郷バスターミナル:高速バス 約1時間20分
<東京から>
東京駅~富山駅:北陸新幹線 約2時間15分
富山駅~白川郷バスターミナル:高速バス 約1時間20分
自動車での移動
<金沢方面から>
金沢~白川郷IC:北陸自動車道 約1時間5分
白川郷IC~ひだ白川郷:国道156号線 約5分
<名古屋方面から>
名古屋~荘川IC:東海北陸自動車道 約1時間30分
荘川IC~ひだ白川郷:国道158号線~国道156号線 約45分
駐車場のご案内
公共駐車場「村営せせらぎ公園駐車場」を利用
収容台数 : 大型車 約40台/普通車 約200台/二輪車可
駐車料金: バス・マイクロバス 3,000円/普通車 1,000円/二輪車 200円
営業時間: 8:00~17:00
一生に一度は訪れたい日本のふるさと白川郷
白山から続く山々に囲まれ、庄川の河岸段丘上に点在する白川郷の合掌造り集落。かつての日本の風景に出会う旅に出かけてみませんか?白川郷周辺には駅がないため、金沢や飛騨高山を拠点として、高速バスを利用するか、観光ツアーに参加するのがおすすめです。
伝統的家屋や農村風景のほか、その土地で営みを続ける住民の人たちにも敬意をもって観光に訪れてくださいね。
やってみよっか?