斎場御嶽とは?世界遺産にも登録された神秘のパワースポットまとめ
沖縄には目には見えないけれど訪れることでパワーを感じるパワースポットが多く存在しています。斎場御嶽もそのひとつです。琉球王国時代の神話にも伝わる、格式の高い神聖な場所です。この記事では歴史やアクセス方法などの基本情報、マナーや見どころ、周辺のおすすめレストランやホテルなどの施設について紹介します。
※2022年10月31日に公開済みの記事を更新しました
沖縄・斎場御嶽の歴史&アクセス
パワースポットと呼ばれる理由にもなる斎場御嶽の歴史は非常に重要です。アクセス情報も事前に確認しましょう。
読み方
まず読み方に特徴があり、 「せーふぁうたき」 と読みます。 「せいふぁー」 と表記されることもありますが、正しいのは「せーふぁうたき」です。
せーふぁうたきの意味
「斎場(せーふぁ)」とは 「霊威の高い聖なる場所」「最高位」の意 で、「御嶽(うたき)とは南西諸島に広く分布している「聖地」の総称となります。合わせて 「最も格の高い聖地」という意味 です。
歴史と魅力
斎場御嶽は 琉球の祖神アマミキヨが国始めに作った七御嶽のひとつ です。1429年から1879まで450年間続いた琉球王国時代、国家的な祭事の際には「神の島」といわれる久高島から聖なる白砂を運び入れ、それをこの場所全体に敷きつめました。斎場御嶽はその中でも、最も大きな行事である「お新下り」と呼ばれる、国の重要な役割を担う琉球王国の最高神女・聞得大君の創造神との契りである就任の儀式が執り行われた、 最も格式の高い霊場 として知られています。
その時代は男子禁制 とされており、斎場御嶽の入口にあたる「御門口(うじょうぐち)」からは権力の高い国王であっても女装に着替えていたと伝えられています。
沖縄を代表するパワースポット
沖縄の御嶽で特徴的なのは、本州の神社仏閣と違って神殿などが建てられていない点です。 周囲の自然などに存在する樹木や巨石などから感じるパワーを崇める という信仰の仕方が多いのです。現在でも琉球王や聞得大君の聖地巡拝の行事を伝えるための 「東御廻り(あがりうまーい)」の参拝地 として、多くの人々が訪れています。「東御廻り」とは沖縄民族の祖先と呼ばれるアマミキヨが住み着いたとされる知念、玉城を巡拝する行事です。
世界遺産に登録
2000年にユネスコの世界遺産に登録された 「琉球王国のグスク及び関連遺産群」は、首里城跡(しゅりじょうあと)をはじめとする、5つのグスク(城跡)と4つの関連遺跡の合計9つから成る文化遺産 です。斎場御嶽も関連遺跡の一つとして登録されています。
県南部の南城市に位置
沖縄県本島の南部、 南城市に斎場御嶽は位置 しています。南部は歴史深い場所から豊かな自然、ショッピングスポットまで観光地が集まっている場所で人気です。
住所:沖縄県南城市知念字久手堅地内
那覇市、那覇空港からの行き方
アクセス方法は 車、タクシーもしくは路線バス になります。時間に限りがあるのであればレンタカーやタクシーで高速道路を走り、ゆっくりドライブも楽しみたいなら一般道を通ったり、路線バスを使うと良いでしょう。
路線バス
那覇空港からゆいレール「旭橋駅」に向かい、「那覇バスターミナル」からバスに乗車します。「斎場御嶽入口」で下車し、その後徒歩約10分で到着します。 所要時間は約1時間30分 です。那覇市内からバスを利用する場合は「県庁南口」から乗車します。
タクシー
料金は片道8,700円ほど です。時間帯や道順、混雑状況によって金額が変動します。人数が多いのであれば割り勘できて良いかもしれません。
レンタカー
マップコードは「33 024 282*63」です。 那覇空港から高速道路を利用した場合の所要時間は約50分 です。豊見城・名嘉地ICから豊見城東道路に入り、南風原南ICで降ります。国道331号へと進むと左側に見えます。 一般道331号線沿いを道なりに進んで行く場合は所要時間は約1時間20分 です。
駐車場の場所
車でアクセスする場合も 収容台数約150台の無料駐車場 があるので安心です。駐車場は南城市地域物産館と知念岬公園にあります。 駐車場からは徒歩7分~10分程度 で到着します。
斎場御嶽の観光情報
事前に知っておきたい チケットの値段や見どころ、滞在時間 などを紹介します。 見学時に大切なマナー もあるので要チェックです。
入場チケットの値段
大人(高校生以上) 300円、小人(小・中学生) 150円 です。20名以上の団体の場合は1人200円です。身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人は、無料です。券売所窓口で手帳の提示が必要となります。
販売場所
駐車場もある、 南城市地域物産館で購入が可能 です。チケット販売時間は 3月〜10月が17:15 まで、 11月〜2月が16:45 までです。
もしくはツアーに含まれているものもあります。
営業時間
3月〜10月は9:00~18:00(最終入館17:30) 、 11月〜2月は9:00~17:30(最終入館17:00) です。
斎場御嶽は休館日の他に、静寂の確保、自然保護の観点から毎年2回 旧暦5月1日~3日、旧暦10月1日~3日を休息日 としています。
観光の前に知っておきたいこと
「備えあれば憂いなし」という言葉どおり、事前の準備があれば安心してより観光地を楽しめます。行く前に知ってもらいたい事項をいくつか紹介します。
マナーを守って参詣
沖縄の代表的な観光名所なので、観光客も多く忘れてしまいがちですが、 聖域の場であるので常識のある行動と心構えが必要 です。観光客のマナーの悪さから、客数を減らすために再び「男性規制」とし女性のみ入場可能になるという検討がされていたこともあります。今でも地元の人たちの信仰の中心として重要な拝所です。 祈りを邪魔しないようにして、大声での会話も慎みましょう。
また、 御嶽内の石や草木にも大切な意味があるとされているので、登ったり、持ち帰ったりするのは厳禁 です。
天気
亜熱帯地域である沖縄は 1年を通して過ごしやすく、冬も本土より暖かく なっています。気温だと冬でも10℃以下になることがあまりないのが特徴です。しかしながら、 降水量も多く、突然雨が降り出すこともある ので折りたたみ傘は必須です。 6月~10月にかけては台風の接近、そして上陸にも注意が必要 です。
トイレの場所
斎場御嶽の場内にはトイレは用意されていません。 チケットの販売場所、そして駐車場がある「南城市地域物産館」や、入場口手前のトイレを利用してください。
服装
石畳で滑りやすく、足元が悪い場所もあるので、 滑りやすいヒールやサンダルでの入場はできません 。歩きやすい靴を履きましょう。また、急な傾斜や階段も場内にあるので、 車イスやベビーカー等では入場はできません 。
滞在時間の目安
目安としては、 約1時間~1時間30分程度 です。急いで訪れる場所ではないので、ゆっくり時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。
見どころ
御嶽内には数カ所見どころがあります。事前に確認して、要所を抑えましょう。
6つの拝所
御嶽の中には6つのイビ(神域)があります。
1.大庫埋(ウフグーイ)
「大広間」や「一番座」という意味を持ち、全面の石畳が敷かれた場で祈りを捧げます。
2.寄満(ユインチ)
「台所」という意味ですが、ここでは料理ではなく「豊穣の満ち満ちた所」として解釈されています。貿易で栄えた当時の琉球王国に世界中から交易品が集まったという場所です。
ここで見れる、上部のつららのような石は鍾乳石で、斎場御嶽がかつて鍾乳洞だったことを示しています。
3.シキヨダユルアマガヌビー 4. アマダユルアシカヌビーの壺
鍾乳石から垂れている霊水を受け止めるために置かれています。
5.三庫埋(サングーイ)
1つの斜めの巨岩が、垂直に立っているもう1つの巨岩に寄り添って、三角形のトンネルを作り出しています。そのトンネルをくぐった真正面にあるのが三庫埋です。
6.チョウノハナ
三庫埋(サングーイ)の右側にある岩の上のことです。その空間の地下から金の勾玉などの鎮め物が発見されたことで、最も厳かで神聖な場所であったと言われています。
6つのうちの大庫理、寄満、三庫理は、首里城内にある部屋と同じ名称です。琉球王国の象徴である当時の首里城との深い関わりを意味すると解釈されています。
御門口(ウジョウグチ)
斎場御嶽への参道入り口 です。この門の右側には香炉が6つ置かれていますが、6つのイビの分身とされています。神事をする人しか入れなかったため、その他の人はここで祈りを捧げたと伝えられています。
久高島
三庫理を奥に進んだ左側に久高島を望むことができます。
久高島(くだかじま)は、 琉球の始祖アマミキヨが最初に降臨した「神の島」 と言われています。首里城と斎場御嶽、そして久高島は地図上でつなげるとほぼ一直線に位置しています。五穀発祥の地としても知られ、歴代の琉球国王も参拝に訪れていました。
自然そのものが神聖とされている久高島を訪問する際は、マナーにも気をつけたいところ。初めて訪れるなら、まずはツアーでのご参加が安心です!足元の危ない場所や、祠がないために通り過ぎてしまいそうな場所も、地元ガイドと一緒なら見逃すことなく観光できます。
ガイドツアー
斎場御嶽をもっとよく知れるガイドツアーを開催しています。 土日祝限定の定時ガイドは、09:30~16:00まで定期的に行っていて、大人(高校生以上)300円 です。
予約ガイドは、09:00~16:00で1人~10人まで2,000円、11人からは1人増えるごとに100円追加 です。
ガイドを利用する利点は、斎場御嶽に伝わる神話や歴史、精神文化などを深く説明してくれる点です。少しでも興味があったら参加してみましょう。
緑の館・セーファ
斎場御嶽の入口にある資料館 です。 斎場御嶽の歴史的背景や、沖縄の精神文化を紹介 しています。斎場御嶽に入る前には経由する場所なので知識のなかった人も情報を得てから見学することができます。子どもと来たときにも短いビデオを放送しているのでわかりやすいかもしれません。
手相占い
斎場御嶽内ではありませんが、 向かう途中にパワーストーンの露店が広げられていて、その定員さんが手相占い をしてくれます。当たっても当たらなくてもパワースポットで占ってもらう体験は格別です。記念として一度占ってみてもらってはいかがでしょうか。
周辺の観光スポット
斎場御嶽周辺には他にも観光スポットがあります。時間を調整してぜひ訪れてみてください。
知念岬公園
斎場御嶽の観光前後にドライブで寄れるおすすめの場所です。 広大な太平洋を知念岬から眼下に一面を堪能 することができます。展望台からの波風を感じながらゆったりとした時間を過ごしませんか。初日の出を望む場所としても有名です。 斎場御嶽からは車で約5分以内 です。
ニライ橋、カナイ橋
ここも 斎場御嶽へのドライブ場所として絶景を見ることができるスポット です。全長660mの大きなカーブのある道です。道の途中での駐停車は禁止されているので、写真撮影をしたい場合はトンネルの上にある展望スペースに向かいましょう。 斎場御嶽からは車で約6分 です。
あざまサンサンビーチ
知念半島の安座真港隣接の人工白砂ビーチ で、南部のビーチでは圧倒的な透明度を誇っています。売店、シャワーやロッカー等の設備も整っています。屋根付きの東屋では手ぶらバーベキューも可能なのが魅力的! 斎場御嶽からは車で約5分 です。
斎場御嶽近くのランチがおすすめのお店
斎場御嶽には食事処は無いので、事前に調べていきましょう。周辺のおすすめランチスポットを数カ所紹介します。
せーふぁキッチン
南部の恵まれた自然から採られた新鮮な食材を使ったメニューを販売 しています。日替わり定食や定番のタコライスなどの沖縄料理も嗜むことができます。お店は2階にあり、海を一望できるカウンター席もあります。最高のロケーションに癒やされること間違いなしです。
海のイスキア
住宅である一部と庭をシェアしているカフェ になっています。海が目の前に一面広がっている景色を眺めながら、開放的にランチを楽しめます。個人宅というところから沖縄に住んだらどういう雰囲気なのかも伝わってくるのではないでしょうか。もちろんしっかりとしたランチメニューも軽食も用意されています。
カフェくるくま
平日のランチにも列ができることのある人気のタイレストラン です。高台にあり、海を眺める景色も抜群です。テラス席も多く設置されています。本場タイ人が調理したカレーはボリュームもあり美味しいと大人気です。辛さも選べるので子どもにも安心です。
斎場御嶽周辺のおすすめホテル
沖縄本島南部に拠点を置けば、多くの有名観光地へのアクセスがとても便利です。斎場御嶽付近のおすすめホテルを紹介します。
百名伽藍
神の島、久高島を望むことのできる絶景ホテル で、最上階の貸切露天風呂は宿泊者が無料で利用できます。赤瓦や琉球石灰岩など沖縄の素材を使用した造りの客室で、沖縄に住んでいるような雰囲気を味わえます。 全客室、海が一望できるのも魅力 です。久高島を眺めながら宿泊してさらにパワーを感じられるでしょう。
ファミリーロッジなんじょう
一棟貸し別荘の宿泊施設で、斎場御嶽までは車で約3分の好立地 です。大人数の友達や家族での滞在に適しています。バーベキューグリルも備わっているので賑わいながら、かつ他の宿泊客を気にせずにゆっくりできます。オーシャンビューも眺められ、ビーチもすぐそばです。
ユインチホテル南城
源泉かけ流しの天然温泉 があり、その他にも パノラマオーシャンビューレストランや屋内外でスポーツが楽しめる豊富な館内設備やサービスがあるファミリー向けのホテル です。滞在中、旅行で疲れていてもここでは快適で癒やされるように造られています。ルームタイプも多く、様々な客層で利用できます。
沖縄に旅行するならツアーの参加がおすすめ!
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※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。
※首里城の最新情報・復興状況は 公式ウェブサイト をご確認ください。
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