【長野県】蕎麦切り発祥の地・木曽路を満喫!一度は食すべきお蕎麦屋さん5選
お汁にちょんと浸してズルズルっと一気にすすり、口中に広がる香りと味わい、そして喉ごしを楽しむ蕎麦。
蕎麦の名産地は数多くありますが、蕎麦切り発祥の地・長野県 木曽路を知らない方は意外と多いのでは?
木曽路の歴史あるお蕎麦屋さんの中から「一度は食すべき!」5選を紹介します。
木曽路ってどこ?
木曽路とは、江戸時代に整備された五街道のひとつである 中山道の俗称 です。中山道は江戸と京都を結ぶ約540kmの街道で、 長野県の木曽を通るので「木曽路」 と呼ばれていました。
また、中山道には69の宿場があり、そのうちの 11宿が木曽に置かれていました 。その区間もまた 「木曽路」 と呼ばれており、今回はこの意味で「木曽路」の名前を使用します。
現在の地理で言うと、長野県塩尻市の贄川(にえかわ)宿から長野県木曽郡を通って、岐阜県中津川市の馬籠(まごめ)宿までの道中を指します。
画像は木曽路の宿場町の一つ、奈良井宿。情緒ある街並みが美しいですね。
「蕎麦切り」って何?
さて、「蕎麦切り発祥の地」と聞いて「ふふん、なるほど」と思った方もいるでしょうが、「ん?蕎麦切りってなんだ?」と思った方も多いのではないでしょうか。
蕎麦の始まりは、そば粉を水やお湯で溶いて茹でた「そばがき」が一般的でした。
そして江戸時代の初期、 晴れの良き日のおもてなしとして細く切られた蕎麦=「蕎麦切り」 が誕生しました。
この蕎麦切り発祥の地が、 木曽路 と言われているのです。
1636年刊「中山日録(ちゅうざんにちろく)」では、尾張家に仕えた儒学者、堀杏庵の 中山道の木曽・贄川宿の蕎麦切りの食べ方 についての記述がありました。
1706年刊「本朝文選(ほんちょうもんぜん・のちに「風俗文選」と改題)」には、 「蕎麦切りといっぱ もと信濃の国本山宿より出て あまねく国々にもてはやされける」 とあります。(本山宿…長野県塩尻市。木曽路の入り口の宿場町)
※蕎麦切り発祥の地については諸説あり、「塩尻」(1704~1711)には「蕎麦切りは甲州よりはじまる」との記述も。
また、江戸初期に「京都や奈良で蕎麦切りを食べた」との記述のある文献もあります。
現在では 長野県の木曽路、山梨県甲州市が発祥の地の有力説 として残っています。
こんなに説があるとは、昔からお蕎麦は日本各地で食べられていたのですね♪
どうして木曽路のお蕎麦は美味しいの?
さて、日本全国で食べられているお蕎麦。
特に長野県には数多くの蕎麦の名産地があります。
ではなぜ、長野県の蕎麦、そして木曽路の蕎麦は美味しいのでしょうか。
蕎麦の美味しさには2つのポイント があります。
まず1つめは
「蕎麦粉のおいしさ」
。
長野県の気候の特徴は昼と夜の寒暖差が大きいこと。
そして蕎麦畑に適している水はけのよい山地の地形が特徴です。
それにより
でんぷんが熟成した蕎麦
を育てることができるのです。
2つめのポイントは 「水のおいしさ」 。蕎麦切りは、主に蕎麦粉と水から作られます。そして茹で上がった蕎麦を締めるのも水。
蕎麦のおいしさは水のおいしさで左右される と言っても過言ではありません。
広大な自然から湧き出る木曽路の美しい水は、蕎麦づくりには欠かせないのです。
妻籠(つまご)宿の湧き水。裏の山から湧き出る美しい自然の恵みです。
一度は食すべき!木曽路のお蕎麦屋さん
では、木曽路の蕎麦を3つに分けてご紹介します。
木曽路の「そば街道」
木曽路は別名 「そば街道」 とも呼ばれ、数多くのお蕎麦屋さんが軒を連ねます。
くるまや本店
福島宿にある有名な老舗のお蕎麦屋さん。開店前から地元民や観光客が並びます。
太めのしっかりした蕎麦と甘い汁 が特徴。せいろに冷、温とメニューも豊富です。
特に人気なのは 「天ざるそば」 。 1日に8名様限定で、要予約 です!
【くるまや本店】
- 住所:長野県木曽郡木曽町福島5367-2
- 電話:0264-22-2200
つけもの茶屋
福島宿を開田高原に向かう途中にある、つけもの屋さんの中のお食事処。
御嶽山(おんたけさん)に見立てた「やまそば」 が人気です。なんと 盛りそば2人前分 !でも不思議とペロリといけちゃうんですよね~。
あとこちらのお店は1キロカツ丼も人気!お蕎麦が苦手なお子さんと来る場合、親はお蕎麦、お子様はカツ丼と選べるのでそれぞれが楽しめます♪
また、つけもの屋さんなので、 試食用のお漬物が食べ放題 !嬉しいサービスです。
【つけもの茶屋】
- 住所:長野県木曽郡木曽町新開5086
- 電話:0264-25-2121
すんきそば
すんきそばは、木曽の冬の代表的な郷土料理 です。
「すんき」とは「すんき漬け」のことで、 カブ菜を乳酸菌で発酵させた塩を使わない漬物 です。このすんきを、温かい蕎麦にのせたのが「すんきそば」。 冬限定のお蕎麦 です。
おぎのや
藪原宿にある、風格漂う静かなお蕎麦屋さん。築130年の古民家を使った店内は、懐かしさと趣を感じます。
蕎麦打ち名人・高橋邦弘氏に師事した店主 の打つ蕎麦は、 確かなこだわりが感じられる 納得の一品。
定番は、ざるそば。シンプルであり、蕎麦の味を一番に味わえます。
そしておすすめは冬季限定の以下のそば。
- すんきせいろ
- すんきそば
- すんきとうじそば
すんきの酸っぱさと蕎麦の深みが相まって、癖になる味わい です。こちらは 11月末~3月末日まで 。冬に木曽を訪れるなら是非!
すんきそばは、おぎのやさん以外のお蕎麦屋さんにもあります。是非いろんなお店をチェックしてみてください♪
開田そば
木曽路を高山方面へ曲がると現れる木曽町の開田高原。 木曽の蕎麦を語る上で、開田高原の蕎麦は外せません 。
開田高原は御嶽山の裾に広がり、標高1,100~1,300mに位置します。
昼夜の寒暖差の大きさ、水はけのよい火山灰地、御岳山の豊かな水から「開田そば」は生まれました。 代表的な信州そばの1つ です。
時香忘 (じこぼう)
開田高原の入り口にあるお蕎麦屋さん。「幻の蕎麦・時香忘」の看板に誘われ、入り口をくぐり長い木の橋を通ると、そこは木の香りのする落ち着いたおしゃれな店内。
メニューは、蕎麦と蕎麦がきのみです。木曽地域の古くからの手法である 「おやまぼくち」という山菜をつなぎに使っている のが特徴です。
メニューは日によって変わりますが、おすすめは 「極粗挽き寒ざらし熟成 夜明け蕎麦」 。 歯ごたえと舌ざわり、蕎麦の香り、喉ごしがたまらない 一品です。
そして蕎麦湯も独特。まるで蕎麦がきのような蕎麦粉たっぷりのどろっとした蕎麦湯は、この店ならではです。
「朝打った蕎麦がなくなり次第閉店」なので、お早めに!
【時香忘】
- 住所:長野県木曽郡木曽町新開芝原8990
- 電話:0264-27-6428
古民家宿 ふもと屋 日帰り蕎麦処
開田高原では、開田そばを使った 「とうじそば」 も有名です。
蕎麦を「投じ籠」に入れ、野菜やきのこなどを煮た鍋に浸して温め、お汁と具をかけて食べる とうじそば。寒い冬はお腹から優しく温まります。
ふもと屋さんのとうじそばは、 具だくさんで甘めの汁 が特徴。お揚げさんもネギも甘くて美味しい♪
初めての方には店員さんが丁寧にやり方を教えてくれます。
日帰り蕎麦処|開田高原 古民家宿と蕎麦処 ふもと屋【公式サイト】
開田高原育ちの蕎麦粉で打つ自慢のお蕎麦。昼間はお食事処にて、お食事のみご利用のお客さま向けの蕎麦処を営業しております。
さあ、木曽路の蕎麦を味わおう!
いかがでしたか?そろそろ蕎麦の口になってきたのでは。ここらで思いっきりすすりませんか?
蕎麦好きの方も、うどん派の方も、是非一度は蕎麦切り発祥の地・木曽路のお蕎麦を味わってみてください!
やってみよっか?