【王子神社と王子稲荷】北区王子で押さえておきたいパワースポットをご紹介 image

【王子神社と王子稲荷】北区王子で押さえておきたいパワースポットをご紹介

東京都北区王子には王子神社と王子稲荷があり、大晦日の夜には関東八ヶ国の稲荷のお使いであるおきつね様が関東総司の王子稲荷にお参りするという言い伝えがあります。また、渋沢栄一氏ゆかりの地である旧渋沢庭園には国の重要文化財に指定された大正期建物「晩香廬(ばんこうろ)」と「青淵文庫(せいえんぶんこ)」が、当時のままの姿で残され、同氏の博物館とともにその栄華を讃えています。

今も昔も桜の名所である飛鳥山もあり、王子神社や王子稲荷を中心とした信仰の場だけでなく江戸庶民の娯楽の場としても発展し人気を博しました。都内に唯一残る都電も走り、新幹線もみえたりと、鉄道ファンの穴場スポットでもあります。今回の記事では、目立たないながらもいたるところにパワースポットが点在する王子周辺をご紹介したいと思います。

【王子神社】熊野信仰の神社として創建

王子駅から坂を上りきったあたりに王子神社はあります。

御祭神は伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、速玉之男命(はやたまのおのみこと)、事解之男命(ことさかのおのみこと)の五柱で、「王子大神」とされております。 領主豊島氏が紀州熊野三社より王子大神をお迎えして 、改めて「若一王子宮」としてお札参りをした後、熊野にならって景観を整えたといわれています。 その時からこの地は王子という地名となり ました。

徳川時代に入ると家康公は王子稲荷神社とともに 朱印地二百石を寄進し、将軍家祈願所と定めました 。二百石というのは当時としては広大な社領だったとのことで、その後も代々将軍の崇敬篤く「王子権現」の名称で江戸名所の1つとなります。戦前は多くの巨木がありましたが、戦災でほとんどを焼失。樹齢600年とも伝えられる大イチョウ1本だけが今も生き残り、 東京都の天然記念物にも指定 されています。開運除災、子育大願の神社としても有名な神社で七五三などに参拝する方をよくお見かけします。他にも、家内安全や身体健全、交通安全にもご利益があるとされています。初詣もたくさんの人出で賑わいます。

東京十社のひとつでもある神社

また、明治元年11月8日に定められた 准勅祭社として東京十社にも選ばれ 、以来、東京の北方守護として鎮座しておられます。

現在、王子神社を含めた都内の元准勅祭社を巡る、「東京十社めぐり」という企画も催されています。専用の絵馬なども用意され楽しく回れるようですよ!

境内には毛髪関係の神社も!

また、王子神社境内には「関神社」という、 全国でも数少ない「髪の祖神」が祀られている 神社があります。

御祭神は百人一首でも有名な蝉丸公です。

髪の毛が逆立っていたことから「逆髪姫」と呼ばれ嘆き苦しんでいた姉のために、かもじ・かつらを作ったという伝説が残されています。あの蝉丸?と驚きましたが、この話は能の演目『蝉丸』の中でもよく知られています。

この神社は髢、鬘や床山業界の方々の信仰厚い神社で、かつら屋や床山など、毛髪関係のご職業のお店の名前が周りの石柱に刻まれ、ずらりと並んでいます。

また蝉丸公は琵琶の名手でもあるため、 「音曲諸芸道の祖神」としても崇敬 され、武芸上達のご利益もあるとのこと。

戦災で焼失しましたが、毛髪関係のご職業の方や舞踊、演劇などの関係業界の御尽力により、昭和34年に再建されました。毛髪報恩のための毛塚も建立されています。

音無親水公園は水遊びと憩いのスポット

境内中ほどにある階段から下に降りると、音無親水公園があります。ここは 日本の都市公園100選にも選出 されている公園で、春には桜が、秋には紅葉が園内を彩り地元の人にも愛された憩いの場となっています。夏には水遊びスポットとしても子連れの方に人気のある公園です。

【王子稲荷神社】落語「王子の狐」にもでてくる稲荷神社はココ

さて、この王子神社からも、そう遠くない場所に王子稲荷神社があります。

神社運営の「いなり幼稚園」が境内にあり神門が幼稚園の入口となるため、幼稚園の開園時間はこの門は閉ざされています。すぐ隣りにかなり急な坂道があるので参拝にはその坂道を登っていきます。

古くから 東国三十三国稲荷総司との伝承を持つお稲荷様 です。関東稲荷総社として崇敬を集め、江戸時代には徳川将軍家から庇護され王子神社とともに王子両社として崇められていました。王子神社が改名したのち、村名もかわり、「岸稲荷」から「王子稲荷」となりました。 江戸庶民からも絶大の人気があった神社 だったことは広重の浮世絵などからもうかがい知ることが出来ます。

本殿外拝殿・内拝殿は、幣殿とともに江戸時代後期の築で、 11代将軍徳川家斉が寄進したもの なのだとか。様々な装飾に現在も徳川将軍家の威光が伝わり、じっくりと眺めたいところです。また、境内には石灯籠・常夜灯も数多くあり 御石様や御穴様など見どころも満載 です。

さて 落語の落語「王子の狐」 をご存知でしょうか。このお稲荷様はその噺の舞台にもなったところです。

狐に化かされる人間という話はよくありますが、ここでは人間が狐をだますというのですからさすがは落語。噺の中に登場する 料理茶屋「扇屋」は今でも存在するお店 で、厚焼き玉子が美味しいと有名です。

伝承をもとに行われているイベントは毎年大人気

毎年大みそかの夜 関東一円の稲荷神社から狐が王子に集まり 、行列を作って王子稲荷に参拝したという言い伝えがあり、この時できる狐火で翌年の農作物の出来栄えを占ったといいます。この「王子狐の行列」でおきつね様が 衣装を改めた場所とされているのが装束稲荷神社です。 王子駅や王子稲荷から少し離れた場所にあります。また、この伝承をもとに大晦日の夜には町おこしイベントとして行われ、毎年多くの人出で賑わっており、年々人気を集めています。

この装束稲荷神社は古くから「王子稲荷神社」の摂社とされ、当時榎の大木があったこともあり「装束榎」と呼ばれていました。昭和二十年四月十三日の大空襲の際、東南より延焼して来た凄まじい火をここで完全に喰い止めて西北一帯を火難から救ったということは有名な話です。その後社殿を建て直し現在も信者に親しまれ崇められております。

その他にも、 初午の「凧市」で授与される「火防守護の凧守」 も火防守護の御神徳があるとして大変人気があります。初午のお祭りの時にはかなりの人でごった返し、歩くことが困難になるくらいの人出となります。

【旧渋沢庭園・渋沢資料館】日本経済の基礎を築いた渋沢栄一

2024年には紙幣が新しくなりますが、その一万円札の顔である渋沢栄一氏は晩年この王子に住んでいました。飛鳥山には 旧渋沢庭園、渋沢史料館などもあり、「晩香廬(ばんこうろ)」と「青淵文庫(せいえんぶんこ)」 も当時のままの姿で残されています。

1840年に生まれ1931年に91歳で亡くなった実業家で、江戸時代から昭和にかけて激動の日本を駆け抜け活躍されました。2人の兄がいましたが、2人とも早くに亡くなったため、三男である栄一氏が長男として育てられました。父の教育方針のもと、 武家の子と変わらないくらいの教養を身に付け 、生家は農家出身ながらも農閑期には江戸にでて知見を深めたそうです。その後、徳川慶喜に武士として仕えるなどそれまでの「尊皇攘夷思想」を大きく転換していきます。パリ万博の時にはヨーロッパへ同行し、その視察は後の渋沢氏に多大なる影響を与えました。

帰国後は、「商法会所」を設立したり大蔵省の官僚を経て第一国立銀行(今のみずほ銀行)の総監役になりました。数多くの企業の設立にも尽力し、教育機関や社会公共事業も積極的に支援しました。生涯を通して約600の団体を支援したことから 「近代資本主義の父」ともいわれています

渋沢氏に選ばれた北区王子の地

渋沢氏はあらゆる事業を発展させるには知識の発達と、それを促す書物や新聞の原料となる紙、特に印刷が安価で簡単にできる洋紙が不可欠と考えていました。そこで洋紙に関わる会社の設立を計画しました。

工場用地の選定のため、豊富な水量のある川、交通の便など、原料や製品の運搬に便利な条件を兼ね備えた土地を求め東京中をさんざん探し回ってやっと見つけた地が王子でした。石神井川とそこからつながる千川があることで、きれいな水がいつも十分に確保できると考えたのです。

王子が東京の市街にほど近く便利で、用水と水運に恵まれていた ことから日本の製紙産業発祥の地として選ばれました。

2024年新しいお札

2024年に新しくなるお札の顔ぶれは「渋沢栄一」「津田梅子」「北里柴三郎」。これらのお札も王子の国立印刷局で刷ることになります。渋沢氏はまさかこの王子の地で自分の顔が1万円札になるなんて思いもよらなかったのではないでしょうか。

周辺のグルメ・観光スポット

ココフルカフェ

西ヶ原駅近くにあるお店で2階のカフェもいごこちがよく、テイクアウトのサンドイッチもケーキもどれもとてもおいしい!お店人たちがいつも楽しそうなのもいいなあと思っています。

  • 住所:東京都北区西ケ原1-27-34
  • アクセス:JR京浜東北線 / 上中里駅 徒歩5分  東京メトロ南北線 / 西ケ原駅 徒歩6分
  • 営業時間:11時30分〜17時

お金と切手の博物館

国立印刷局敷地内にある博物館で無料の施設です。世界中のとても珍しい切手やお札もあり面白い展示です。お札の歴史や偽造防止技術など総合的に学べます。ここの展示で外国のお札はかなりカラフルなことに驚きました。

  • 住所:東京都北区王子1-6-1
  • アクセス:JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子駅」徒歩3分 都電荒川線「王子駅前」徒歩3分
  • 営業時間:9時30分~11時

ベーカリーカフェ「明治堂」

装束稲荷神社のほとんどすぐ前にあるお店。週末のお昼はいつも大変混雑していて地元の人たちに愛されたおいしいパン屋さんです。2Fにはカフェもあります。種類も豊富なので飽きのこないスポットです。

  • 住所:東京都北区王子 1-14-8 明治堂ビル1F
  • アクセス:JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子駅」徒歩3分 都電荒川線「王子駅前」徒歩3分
  • 営業時間:
  • [月~土]1Fベーカリー:6:30~19:00・2Fカフェ:09:00~17:00(L.O)/[祝日] 1Fベーカリー:6:30~18:00・2Fカフェ:休

何年もの先まで見据えた功績

人々の幸せを考えるということは宗教の世界でよく耳にするものではありますが、それを実際に成し遂げた人ということでは渋沢氏の功績は計り知れないものと思えます。

また、現在の東京が何百年先までも発展するよう、もともと荒れ地だった東京の土地を基礎から築いた徳川家康公。この2人が関わったとされる王子のパワースポットに是非とも足を運び、その偉大なる力を感じていただけたらと思います。

出典・参考

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