【長野県】別名”信州の鎌倉” 上田・別所温泉めぐり♪ おすすめの宿4選と周辺観光スポット
長野県上田市にある別所温泉は「信州の鎌倉」と呼ばれ、温泉とともに散策も楽しめる人気観光地です。
別所温泉はなぜ「信州の鎌倉」呼ばれるのか、その理由と別所温泉のおすすめの観光スポットをご紹介します。
信州の旅へ出かける際は、是非参考にしてくださいね。
別所温泉の基本情報
別所温泉の歴史
別所温泉は長野県上田市に位置し 信州最古の温泉 ともいわれ、伝説では約1500年前に日本武尊が東征の際に発見したと伝えられています。
記述としては、平安時代の清少納言による枕草子に 「湯は七久里の湯、有馬の湯、玉造の湯」 とあり、この「七久里の湯」が現在の別所温泉だという説があります。
別所温泉のある塩田平は古代には信濃国の政治・文化の中心地でした。鎌倉時代に信濃守護職として赴任した 北条氏の別院(別荘)という意味から「別所」と名付けられた といわれています。
鎌倉時代に信濃守護職として赴任した北条氏は、鎌倉幕府滅亡まで塩田北条氏として三代に渡って治め、その際に 鎌倉の文化を持ち込み別所の繁栄に大いに貢献 しました。そのことから別所温泉は 「信州の鎌倉」 とも呼ばれるようになったのです。
その後は地元の豪族村上氏~武田氏~真田氏と領主が移っていき、戦国時代には真田氏がこの温泉を大変気に入っていたという記録も残っています。真田氏が上田城に居館を移して以降は豊かな田園地帯となり、現在に至っています。
このような歴史があるからこそ「信州の鎌倉」と呼ばれる別所温泉は豊かな田園に囲まれながら、歴史のある文化財が多く残る趣のある風景であり、今でも多くの観光客が訪れる人気観光地となっています。
別所温泉までのアクセス
電車で行く場合
別所温泉には上田駅から 「上田電鉄別所線」というローカル電車 が走っています。
のどかな田園地帯を走り抜けるこのローカル電車は、レトロな駅舎や懐かしい車両でノスタルジックな気分に浸ることができることが大きな魅力です。
長野新幹線またはしなの鉄道上田駅から上田電鉄別所線に乗り換え、終点の別所温泉駅まで約30分で行くことができます。
車で行く場合
上信越自動車上田菅平ICから上田バイパス経由で約20kmで着きます。
駐車場は温泉街入口に複数の有料駐車場があり、1回500円です。
別所温泉の寺社仏閣巡り
「信州の鎌倉」といわれる別所温泉には、歴史ある寺社仏閣が多数あります。その中でも代表的なものを紹介します。いずれも徒歩で移動できる距離にありますので、散策で寺社仏閣巡りを楽しんでください。
北向観音堂
平安時代初期の825年に円仁(慈覚大師)によって開創された天台宗の寺院です。
古くから厄除け観音として信仰を集めていて、長野市にある 善光寺と向かい合うように本堂が北を向いていたことから「北向観音」 と呼ばれています。
善光寺とあわせて参拝することで、さらにご利益があるともいわれています。
また境内には「縁結びの木」と言われる 樹齢1200年以上の「愛染カツラ」 の木や、2本の杉が根元からつながっている 「夫婦杉」 、恋愛の神様である「愛染明王」を安置している 「愛染堂」 などがあり、恋愛成就や夫婦円満のご利益があることから 恋愛のパワースポット としても人気があります。
常楽寺
北向観音堂の本坊で、825年に建立されました。鎌倉時代には天台教学の拠点として栄えました。
最初に目に飛び込んでくるのは茅葺屋根の本堂で、本堂内に安置されている御本尊は 「妙観察智弥陀如来(みょうかんざっちみだにょらい)」 という国内でも珍しい阿弥陀様です。
本堂の裏手の北向観音の霊像が出現したとされる場所には、重要文化財の 石造多宝塔 が保存されています。
安楽寺
建立時期は正確な明記はありませんが、鎌倉時代には記録が残っている曹洞宗のお寺で、長野県では最古の禅寺といわれています。
見どころは境内の奥へ進んだ森の中に佇む 「八角三重塔」 で 日本で唯一の木造八角塔 であり、松本城とともに長野県の建造物として初めて 国宝に指定 されています。
真田幸村ともゆかりのあるお寺で、真田太平記では幸村が別所温泉を訪れた際の常宿として登場しています。
別所温泉の外湯めぐり
別所温泉の温泉街には 3つの外湯(共同浴場)と2つの足湯 があり、外湯は200円、足湯は無料で利用することができます。日帰りで訪れた方も温泉街を散策しながら、外湯めぐりを楽しむのもおすすめです。
外湯(共同浴場)
- 真田幸村の隠し湯「石湯」 定休日:第2・4火曜日
- 慈覚大師ゆかりの湯「大師湯」 定休日:第1・3木曜日
- 木曽義仲ゆかりの湯「大湯」 定休日:第1・3水曜日
いずれも営業時間は18時~22時までです。
足湯
- 足湯「ななくり」 定休日なし、営業時間:18時~21時
- 足湯「大湯薬師の湯」 定休日なし、営業時間:18時~21時
別所温泉おすすめの宿
別所温泉の泉質は弱アルカリ性の単純硫黄泉です。お湯からほのかに硫黄の香りがしますよ。 湯上りに肌がすべすべになるので「美肌の湯」 としても人気です。その他、疲労回復や老化防止にも効能があるとされています。
別所温泉は全体的に大型のホテルはなく、歴史のある小さなお宿が数多くあります。
今回は別所温泉の中でもおすすめの旅館を4件紹介します。
七草の湯
全客室16室の小さなお宿です。源泉かけ流しの温泉で、 展望露天風呂からは塩田平の景色を一望 することができます。
客室は展望露天風呂付き、和室、洋室など5つのタイプのお部屋があり、全館畳敷きの館内で女将がセレクトした和小物などのおしゃれなお土産が用意されています。
かしわや本店
創業130年の歴史があり、多くの文人や墨客に愛された老舗旅館 です。
客室は露天風呂付き、内風呂付など全15室で、湯量豊富な岩風呂、大理石風呂、檜風呂など趣の異なった温泉を楽しむことができます。
旅館花屋
大正6年創業で、文化庁登録有形文化財にも指定されている老舗旅館 です。
6,500坪の広大な敷地に別所温泉の宮大工たちが手掛けた日本建築 が見事です。和と洋が融合した大正モダンを感じる館内で非日常のひとときを過ごすことができます。
全36室ある客室は、武家屋敷を移築・改装した貴賓室、露天風呂客室などの他、いずれも宮大工がこだわった日本建築の客室で、調度品も当時の趣のある物を設えています。
玉屋旅館
創業150年、全18室の老舗旅館 です。2015年に客室がリニューアルされ、和モダンな和洋室ベッドルームや純和室でゆっくりと過ごすことができます。
源泉かけ流しの温泉やプレミアム牛肉の懐石料理など、贅沢なひと時を過ごすことができます。
別所温泉周辺のおすすめスポット
別所温泉のある塩田平には温泉街の周辺にもおすすめの見どころがあります。
前山寺
別所温泉から車で10分ほどにある真言宗の寺院です。塩田北条氏の祈祷所でもありました。
見どころは 室町時代に建立された三重塔 で、二層目と三層目に縁と勾欄(こうらん)がないため 「未完成の完成塔」 といわれています。三重塔は 国の重要文化財 にも指定されています。
また藤を始めとした花の名所としても知られています。
生島足島神社
創建時期は不明ですが、 平安時代の延喜式にもその名が残っている由緒ある神社 です。
武田信玄や真田氏をはじめ、歴代の上田城主からも厚く崇敬されていました。 武田信玄の起請文、真田正幸の朱印状 など国の重要文化財に指定された古文書が所蔵されています。
無言館
窪島誠一郎氏により運営されている、 第二次世界大戦中に戦場に散った画学生たちの残した絵画や作品、イーゼルや手紙などを収蔵、展示されています。
才能を開かせる前に戦争で散ってしまった若い画家たちの遺作の数々に、観覧しながらすすり泣く方も多くいらっしゃいます。
信州の歴史を感じる旅に出よう
「信州の鎌倉」と呼ばれる別所温泉は、古くは信濃国の中心であった場所であり、数多くの歴史建造物が残っています。
また「美肌の湯」といわれる別所温泉に浸かったり、趣のある温泉街を散策しながら歴史散策もお楽しみいただける魅力あふれる観光地です。
田園地帯の囲まれた風情のある地で、歴史を感じる旅へ出かけてみませんか。
やってみよっか?