【音楽でめぐるヨーロッパ旅行】有名な歌や好きなメロディが生まれた場所へ旅しよう image

【音楽でめぐるヨーロッパ旅行】有名な歌や好きなメロディが生まれた場所へ旅しよう

「今年の夏は久しぶりに海外旅行へ」と考えている方も多いと思いますが、初めから「この国だ!」と決まっている場合もあれば、「さて、どこがいいかな?」からスタートする時もありますよね?

今日は、どこかに行きたいけれど場所は決まっていない貴方に、‟音楽でめぐるヨーロッパ旅行”のご提案です。

歌の中には、タイトルや歌詞に地名が出てくるものが色々あります。

「あの歌に出てくる、あの場所ってどんなところなんだろう」 という好奇心を育てるのが今回の企画。

それでは、‟音楽でめぐるヨーロッパ旅行”スタートです。

出発地はフランス(パリ)

地名が入った曲として、真っ先に浮かぶのは、パリのシャンゼリゼ通りを歌った 「オー・シャンゼリゼ」 ではないでしょうか?

地図で見るとこのあたりです。

全長約3キロメートル。東のコンコルド広場から西の凱旋門までまっすぐにのびる大通りで、パリ市内の観光では必ずと言っていいほど通る場所です。自転車レースの「ツール・ド・フランス」のゴール地点だったり、12月31日には歩行者天国となって新年のイベントが開かれることでも有名です。

Les Champs-Élysées「オー・シャンゼリゼ」

私は1979年生まれで、小さい頃からこの歌は流れていたので、昔からある歌だと思っていましたが、実は1968年リリースのジェイソン・クレストの 「Waterloo Road」 が原曲でした。オリジナルは、ロンドンにあるウォータールー・ロードが歌の舞台です。それをフランス人歌手がシャンゼリゼ通りに置き換えて、日本ではこちらの方が有名になったんですね。

ロンドンのパンクカルチャーに繋がる、ちょっと気だるげな感じが何とも癖になる歌です。ウォータールー・ロードがどこにあるかというと…

オベリスクのあるセント・ジョージ・サーカスの交差点に繋がる主要道路のひとつ。近くにウォータールー駅やカンタベリー大司教の公邸・ランベス宮殿もあり、ロンドンの中心地です。

では次は、ロンドンへ!

イギリス(ロンドン・リヴァプール)

London Bridge Is Broken Down「ロンドン橋落ちた」

ロンドンの歌といえば、 「ロンドン橋落ちた」が有名 ですよね。こちらは正真正銘、イギリスに古くからある童謡。ロンドン橋が落ちたため、色々な材料で橋を再建しようとする内容なのですが、時代や場所によって歌詞にバリエーションが存在します。

Wikipediaを見ると

London Bridge is broken down ,Broken down, broken down.
London Bridge is broken down,My fair lady.

が良く知られる歌詞と出ていますが、私の記憶では、 falling down でした。こちらはアメリカで普及した歌詞のようです。

ロンドン橋の崩壊は実際に起きた話で、堅牢な石橋が建設されるまでは幾度も「落ちては再建」を繰り返しています。これについては、詳しくまとめているサイトがありましたので、現在のロンドン橋の姿と共に、橋の歴史をご覧ください。

Penny Lane「ペニー・レイン」

イギリスの地名が入った曲といえば、 ビートルズの名曲 。出身地のリヴァプールにある通りの思い出を歌っています。

Penny Lane, there is a barber showing photographs
Of every head he's had the pleasure to know
And all the people that come and go
Stop and say hello

歌詞に出てくる床屋(Tony Slavin)や銀行跡地は現存していて、ビートルズの聖地となっています。

Googleマップでも、道路標識を 「ビートルズによって有名になったランドマーク」 と解説。近くにある元孤児院「ストロベリー・フィールド」と共に足を延ばしてみてはいかがでしょう?

アイルランド(ダブリン)

リヴァプールの姉妹都市は、いくつかありますが、アイルランドの首都ダブリンもそのひとつです。今回は、変化球で、映画をご紹介。

『ONCE ダブリンの街角で』

2007年公開の映画で、ダブリンの街角で出会ったストリート・ミュージシャンの男性とピアノを愛するチェコ移民の女性が、音楽を通して互いにひかれ合っていく姿を描いています。主演の2人がプロのミュージシャンということもあり、 主題歌の「Falling Slowly」はアカデミー賞歌曲賞を受賞

映画の中に、美しいダブリンの街並みがふんだんに出てくるので、旅行の前の予習にもってこいの作品です。

2011年にミュージカル化され、今年の8月には、日本でコンサート形式の上演があります。

イタリア(ソレント)

コンサートと聞いて、思い出すのが三大テノール。中学の同級生がパヴァロッティのファンで、彼女の影響でテレビのコンサート中継をよく見ていました。その際の定番曲が、 「帰れソレントへ」 です。

Torna a Surriento「帰れソレントへ」

ナポリ民謡(カンツォーネ)の代表曲で、イタリア歌曲を習いに行くと、たいてい初級として教わります。歌の舞台は、ナポリ湾とサレルノ湾の間にあるソレント半島。

壮大な景色で知られていて、その美しさが歌詞でこう表現されています。

《芙龍明子 訳詞版》

うるわしのソレント海原(うなばら)はるかに
夕もやたなびき 思い出誘う オレンジの香り
ほのかにただよい 森の緑にも 風はささやく

今でも「♪うるわしのソレント」と歌えるので不思議に思ったのですが、中学校の音楽の教科書に載っていたからでした。

ソレント半島の近くには、世界遺産となった風光明媚なアマルフィやポンペイ遺跡があるので、歴史好きとしても一度は行ってみたいエリアです。

Funiculì funiculà「フニクリ・フニクラ」

観光とカンツォーネの関係で、忘れてはいけないのがこちら。ヴェスヴィオ山にあるケーブルカーの宣伝のために作られた世界最古のコマーシャルソングです。 ケーブルカーのことをイタリア語で「フニコラーレ」といい、「フニクリ・フニクラ」はその愛称。

《青木爽・清野協 訳詞版》

行こう行こう火の山へ 行こう行こう山の上

と歌われている通り、ヴェスヴィオ山は、火山。そのため、1944年に起きた噴火で登山鉄道は破壊されてしまいましたが、この曲は耳馴染みの良いメロディで後世に残っています。

あまりにも体に入ってきやすいメロディのため、ヨハン・シュトラウスが昔からある民謡だと勘違いして、自身の交響曲「イタリアから」に、曲のフレーズを取り込んでしまったほど。のちに、作曲家から裁判を起こされ、敗訴。この曲を演奏するたびに著作権料を支払うことになったそうです。

現在は、ケーブルカーはなく、観光客のために道路が整備され、火口付近には遊歩道が設置されています。

旅のきっかけは何でもOK!

「音楽を切り口にヨーロッパをまわる」という試みをしてみましたが、気になる場所はあったでしょうか?

  • ビートルズマニアだから聖地巡礼
  • イタリア歌曲を習っているから、勉強のため現地へ
  • 映画のラストシーンの場所に行ってみよう

など、旅のきっかけは人それぞれです。気軽に海外へ行ける時代だからこそ、気の向くまま、思いつくままに旅を楽しんでみてください。

出典・参考

やってみよっか?

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