フランス・ロワール川流域探訪【アンボワーズ編】
パリを流れるセーヌ川をはじめ、フランスには多くの大河が流れています。その中のひとつ、ロワール川の流域には多くの古城が建っています。
この記事ではその中のひとつアンボワーズ城を中心に、アンボワーズの街についてもご紹介します。
アンボワーズ城の歴史
アンボワーズ城はもともとアンボワーズ家に所有されていた城で、15世紀にアンボワーズ家からシャルル7世の手に渡り、以降フランス王家に愛される城となりました。上の写真からもわかるようにロワール川を見下ろせる高台にそびえたっており、城からの景色は絶景です。
「フランス・ルネサンスの父」とよばれるフランソワ1世はアンボワーズ城で育ち、彼が1515年に国王に即位して以降、アンボワーズ城は最盛期を迎えました。 フランソワ1世はレオナルド・ダ・ヴィンチなどの芸術家を保護し、城の近くに住まわせました。この際にレオナルド・ダ・ヴィンチが生活していたのが後ほどご紹介するクロ・リュッセです。フランソワ一世の統治下で栄えたアンボワーズ城でしたが、カトリックとプロテスタント間の戦争であるユグノー戦争中にアンボワーズで1200人ものプロテスタントが処刑されたことを契機に王宮はアンボワーズ城を離れ、それ以降、王宮がアンボワーズに戻ることはありませんでした。
アンボワーズ城の見どころ
ここからはアンボワーズ城内の見どころについてご紹介します。
- 美しいルネッサンス様式
上記の通り王族の住まいとして愛されたアンボワーズ城は、ルネッサンス様式でつくれており、城の各所に美しい意匠を見ることができます。また場内では王族の居住場所が再現されており、当時の豪華な家具や調度品、タペストリーなどを見ることができます。
- レオナルド・ダ・ヴィンチが埋葬されているサン・デュベール礼拝堂
フランソワ1世に寵愛されたレオナルド・ダ・ヴィンチは、異例なことにアンボワーズ城に埋葬されました。それがサン・デュベール礼拝堂です。アンボワーズ城の庭園に建つ小さな礼拝堂ですが、内部は繊細な意匠やステンドグラスが施された美しいつくりになっています。
- 庭園とそこから見下ろすロワール川の景色
アンボワーズ城を登っていくと、ロワール川流域とアンボワーズの街を見渡すことができます。周囲には大きな建物がないため、天気がいい日には遠くの風景まで楽しめますよ。
アンボワーズ城の開館時間や入場料などは オフィシャルサイト をご覧ください。(日本語対応あり)
城下町、アンボワーズの見どころ
城以外のアンボワーズの見どころについてもご紹介して行きたいと思います。
天才が晩年を過ごした場所 クロ・リュセ
冒頭の記述の通り、 クロ・リュッセはフランソワ1世がレオナルド・ダ・ヴィンチが居住地として与えた城 です(城と言っても大きな洋館といった見栄えです)。
アンボワーズ城から徒歩10分程度と近くにあるので、アンボワーズ城に訪れたら合わせて観光できますよ。
ご存知の通り、 芸術家以外にも様々な顔を持っていたレオナルド・ダ・ヴィンチですが、クロ・リュッセでは彼の発明家、軍事工学家としての側面をみることができます。 例えば以下の写真。
これは自走しながら周囲に砲撃をうつという、いわば戦車の前身のようなものです。戦車が登場したのが第一次大戦以降といわれているので、その数百年も前に原型となるものを創造しているレオナルド・ダ・ヴィンチの先見の明には驚かされます。
これ以外にも数多くの発明品が敷地内に展示されており、どれも現存する武器のベースになったようなものばかりで、改めてレオナルド・ダ・ヴィンチの才能の豊かさが感じられると思います。
これぞフランス!週末マルシェ
フランスでは週末になると各地でマルシェ(市場)がたち、買い物客で賑わいます。 アンボワーズも例外ではなく、冬場以外の週末にはロワール川沿いの遊歩道やアンボワーズ上の城下でマルシェが開かれ、観光客や地元の方々が多く訪れます。野菜や果物などの農作物をはじめ、フランスらしくチーズの出店も見られます。
食べ物だけでなく、手作りの陶器や日用品なども売られており、見ているだけでも楽しい時間を過ごせます。また、移動式の遊園地が併設されていることもあり、大人も子供も楽しむことができるのもマルシェが愛される理由の一つだと思います。
下の写真は8月のアンボワーズの様子です。アンボワーズ城下には雑貨を中心としたマルシェが開かれていました。
古城めぐりツアーの紹介
アンボワーズ城と、アンボワーズの街についてご紹介してきましたが、興味をもっていただけたでしょうか。 フランスに旅行される際には、少し足を延ばして訪れてみてはいかがでしょう。一味違う楽しみ方ができますよ!
VELTRAではアンボワーズ城を含む、ロワール古城をめぐるツアーをご用意しています。 アンボワーズ城、クロ・リュセに加えて近隣のシャンボール城、シュノンソー城を1日でめぐることが出来る行程になっているので、効率的に観光したい方におすすめです。
詳しくは以下のリンクからご覧いただけます。
それでは最後までご覧いただきありがとうございました!
出典・参考
やってみよっか?