<長野>絶景の北アルプスキャンプ場4選【登山経験者向け】
キャンパーなら一度は憧れる絶景地でのキャンプ。日本の屋根と呼ばれる3000m級の山々が連なる北アルプス連峰でキャンプできたら・・・。
「いつかは挑戦してみたい!」
「絶景地で朝日や夕日、夜景を見てみたい!」
登山初心者でもチャレンジしやすい北アルプスでおススメのキャンプ場をご紹介します。一歩を踏み出す「やってみよっか」になれば、幸いです。
※この記事は、多少の登山経験がある方向けに書きました。登山靴やレインウェアなどを着用・装備し、キャンプ場まで歩く必要があります。荷物はバックパックに背負います。登って降りる体力と安全に登山するための知識が必要ですので、 登山が全く初めての人は、まずは日帰りの登山を数回経験して、ある程度登山に慣れてからチャレンジしてみてください。
経験者からファミリーまで楽しめる「徳沢キャンプ場」
前穂高岳東壁の絶景が目の前に
上高地 バスターミナルから約7㎞、アップダウンがほぼないフラットな登山道を歩いて約2時間。静かに流れる梓川沿って進んでいった先に、徳沢キャンプ場があります。道中の景色ももちろん素晴らしいので、楽しみながら歩けます。
この徳沢キャンプ場が素晴らしいのは、なんと言っても、眼前に迫りくる前穂高岳東壁の眺め。その荘厳さに思わず息を飲むことでしょう。この景色の中で一夜を過ごすため、わざわざ日程を伸ばして徳沢キャンプ場に泊まる上級登山者も多いと聞きます。
ふかふかの芝生の上での楽しみ方は無限大
北アルプスのキャンプ場としては珍しいのですが、この徳沢キャンプ場は芝生。柔らかいので薄目のマットでも寝心地が最高です。水はけも良いので設営場所を選びません。
徳沢キャンプ場から5分ほど歩いたところにある 「徳沢ロッヂ」では、外来入浴が可能 です。重い荷物を背負って歩き疲れた、頑張ってくれた身体を癒してあげましょう。
受付場所である 「徳澤園」では、インスタントラーメンなどの軽食類も販売 している売店があります。また、 キャンプ用品のレンタルも各種取り揃え てくれています。
徳沢でのキャンプにおススメの時期は、夏場の比較的暖かい日です(標高約1560mの谷間に位置しているので、朝夕は夏でも肌寒くなります)。人気のキャンプ場なので、混みあいそうな日に行く場合は、注意が必要。早めに到着するなど対策してください。特に 紅葉の季節は激混みなので、ご注意 を…(ちなみに上高地に入れるのは、4月末頃~11月初旬頃です。)
ロープウェイ利用!天空の「西穂山荘テント場」
標高約2367mで雲上キャンプ
ロープウェイで途中まで行けるので、登山初心者にとって挑戦しやすいキャンプ場。森林限界付近、約2367mに位置しています。
新穂高温泉から新穂高ロープウェイに乗ったあと、 山頂駅から1時間半 歩いて登れば西穂山荘に着きます。キャンプ場はその西穂山荘のテラスのすぐ下にあります。
3000m級の北アルプス大パノラマ
到着して、まず正面に見えるのは、雄大な霞沢岳。ここから眺める以上に美しく見える霞沢岳を私は知りません。
また、キャンプ場から西穂高岳方面へ約15分登り丸山という丘陵地帯へ出ると、正面には穂高連峰のダイナミックな峰々、岐阜側には笠ヶ岳と双六岳へと続く稜線、振り返れば焼岳に乗鞍岳、遠くには北陸地方の白山などが望め、足元には上高地と大正池が広がります。
こんな 広大な景色を堪能できるキャンプ場 はそうそうありません。
西穂山荘には軽食などが買える売店があり、お昼ごはんの営業もしているので、食事を軽量化したい場合は、ここで購入することも考えましょう。
なお、このキャンプ場では水が大変貴重なため、お風呂やシャワーがありません。ご注意ください。
バスで楽々アクセス!立山にある「雷鳥沢キャンプ場」
室堂から徒歩45分のお手軽「絶景キャンプ」
立山縦走などに向かう登山者の拠点でもある、雷鳥沢キャンプ場。 標高2277mに位置 しています。立山黒部アルペンルート室堂ターミナルから徒歩約45分のところにあります。ターミナルから近いのも初心者にとっては安心。近くの 雷鳥沢ヒュッテでは日帰り入浴が可能 なのも、高い山にあるキャンプ場としては嬉しいポイントですね。
立山連峰の雄大な景色の中で
このキャンプ場の最大の魅力はなんと言っても、立山連峰や大日連山を見渡す雄大な景色です。まるで日本に居ることを忘れてしまうかのよう。季節ごとの様々な高山植物に囲まれ、美しい山脈を静かに眺める時間は最高の贅沢です。
あまりの景色のすばらしさに、縦走目的の登山客はもちろんですが、この景色を目的として来るキャンパーも増加中。特にファミリーキャンパーにも人気のようです。大人も子供もスマホで写真を撮ることを忘れ、この雄大な山々を自分の目に焼き付けようと静かに佇んでいる姿が多くみられます。
番外編:北アルプスと言えば「涸沢野営場」
※番外編としたのは、 初心者にはやや距離が長く、急な斜面もある からです。しかし、はじめに書いた徳沢キャンプ場で経験を積み、ステップアップとして挑戦するにはちょうど良い距離のキャンプ場です。それより何より、絶景というのなら「どうしてもここは外せない!」と、誠に勝手ながらエントリーさせて頂きました。
山岳庭園「涸沢カール」
上高地から16km、約6時間ほどの距離にある涸沢という場所にあるキャンプ場。アルプスを愛する登山者ならば一度は訪れるであろう涸沢。
その最大の魅力は、日本最大級の「涸沢カール」です。
カールとは、氷河の浸食作用によって山肌が削り取られ、お椀のような形をしている谷のこと。
日本にはいくつかカールがありますが、
この涸沢カールは標高が約2300mの場所にあります
。その周囲を3000m級の山々の前穂高岳~奥穂高岳~涸沢岳~北穂高岳が囲むため、最大で900mもの標高差を持っています。このダイナミックな景色はここでしか味わえない!と言っても過言ではないでしょう。
絵画のような山岳風景
涸沢で特に有名なのが紅葉です。 「涸沢の紅葉を見ずして、涸沢を語ることなかれ…」 とはまさに。鮮やかに色づくダケカンバやナナカマド、山々の力強い岩肌、突き抜けるような青い空…。まるで自分が絵画の中に取り残されたような感覚に陥ります。
この自然の織りなす美しさは、世界に誇れる日本の宝でしょう。
ただし注意点があります。この美しさだから、みんなが来たいのは当たり前。紅葉の最盛期にはキャンプ場は大混雑します。設営場所が無くなるのを防ぐため、早めの到着が必須。朝のトイレなども大変混むので工夫が必要です。
なお、このキャンプ場も水が大変貴重なため、お風呂やシャワーがありませんので、ご注意ください。
北アルプスでキャンプしてみよう!
このほかにも、北アルプスなどの山岳地では、キャンプできる場所がたくさんあります。今回ご紹介したキャンプ場から始めて、順々にステップアップしていけば、2~3泊してやっと行けるような秘境のキャンプ場などにもチャレンジできるようになるでしょう。山の上でのキャンプ、きっと虜になりますよ・・・!
やってみよっか?