【家庭菜園】ほぼ放置でOK!初心者でも始めやすい、庭でのサツマイモの栽培方法
サツマイモは、栄養素を多く含み、デザートのように甘く、老若男女から人気のある野菜です。
スーパーなどで購入できますが、近年は値上がりが進んでいきています。そんなサツマイモ、実は庭でも簡単に栽培できます。
この記事では、ゼロから庭でのサツマイモの栽培方法を紹介します。
サツマイモを庭で育てる
サツマイモは、植物の分類としてヒルガオ科に該当し、同じ科の植物には、アサガオや空芯菜(野菜)などがあります。
原産地はメキシコの砂漠周辺と言われており、 土が乾燥していても、養分が少ない場所 でもよく育ちます。これは、サツマイモの葉で活動している菌が空気中の窒素を固定できるからです。(サツマイモ自身が栄養をつくりだしている)
このようなサツマイモの特性から、 庭の空きスペースなどでも十分に育てられます。 実際、私は庭でサツマイモを育て、サイズはバラバラでしたが満足できる量を収穫できました。畑の土ではなく、パリパリに乾燥する土で育つとは思いませんでした。
早速、庭での具体的な栽培方法について紹介します。
サツマイモの栽培方法
栽培、収穫時期を知る
サツマイモは、5~6月に苗を植え、10~11月に収穫となります。その後、適切に貯蔵することで、年内くらいまで日持ちします。植え付けてから約5ヶ月間、栽培管理する必要がありますが、 簡単な作業のみ(ほぼ放置) です。
栽培場所を決める
まず、庭のどこでサツマイモを栽培するのか、場所を決めます。
庭の場所やその他制約もあると思いますが、以下の2点がポイントです。
①日当たり
栽培場所を決める1つ目のポイントは、 日当たり です。
サツマイモの原産地は、砂漠周辺のため、 日がよく当たる暑い場所 を好みます。そのため、日中に直射日光が当たり続ける場所が好ましいです。
②土質・水はけ
2つ目のポイントは、 土質と水はけ です。
サツマイモは砂漠のような乾燥した場所でもよく育ちます。そのため、 土質は砂質で水はけの良い場所 が好ましいです。
私の庭は、日中日光が当たり続け、パリパリに乾燥した砂質土でした。
栽培スペースを決める
栽培場所が決まったら、栽培スペースを決めます。
- 約1m²の中に、2~3つの苗を1列に植えることができます。
- 収穫量は栽培環境により異なりますが、1つの苗から1〜5本くらい収穫できると思います。
- 配列については、管理のしやすさを考えると、 1列がおすすめです。
- 庭のサイズに合わせて、スペースを設定してみてください。
私の庭では、2列に植えられるような配置、スペースにしました。
土づくりをする
栽培スペースが決まったら、その場所の土づくりを行います。
- まずは、 20cmくらいの深さ まで、スコップなどを用いて耕します。この作業が一番大変です。耕す途中で出てきた石は、極力取り除いてください。
- 土がカチカチに固い場合は、備中鍬という三本の爪がついた鍬を使用すると、作業が捗ります。
私の庭では耕すのみで終了しましたが、 締め固められたカチカチの土 の場合、生育も悪くなるため、 堆肥を混ぜることをおすすめ します。
堆肥を混ぜる場合
- 完熟したバーク堆肥や腐葉土などを1m²あたり10ℓくらい投入して混ぜ込みます。通気性や排水性が良いフカフカな土をつくります。
- 肥料はなくても栽培できますが、生育を良くしたい場合は、サツマイモ専用肥料などを混ぜておくと良いです。
- ただ、肥料の種類として、 窒素成分が多く含まれるものは避けてください。「つるぼけ」 といわれるイモが大きくならない現象が起きる可能性があります。
以上の土づくりは、遅くても苗を植える日(5~6月頃)の 1週間前 には終わらせてください。
堆肥や肥料を土に馴染ませるためには、時間が必要です。
畝を立てる
土づくりを行った直後に、畝(うね)を立てます。
畝とは、簡単に言うと 「野菜のベッド」 のことです。畝を立てることで、水はけや野菜の根の張りが良くなり、野菜の生育が良くなります。
サツマイモの場合、畝の 幅は40~50cm 、 高さは30cm程度(小さなお山) にします。
苗を植える
次にホームセンターなどで苗を購入し、できるだけ早いうちに畝に植えます。
苗は 約30cm間隔 で植え、苗の切り口から 2〜3節分 は土の中に埋めるようにします。植え付けが終わったら、水やりをして作業終了です。
放置する
あとは放置して収穫の時を待ちます。ただ、伸びたツルが邪魔になる場合は、都度ツルを寄せるなどしてください。
私の庭では完全に放置していました。そのため、ツルも伸び放題の状態でした。
収穫する
植え付け後、120~140日程度経過したら、収穫できます。まずはサツマイモが育っているか確認するため、 試しに掘ってみてください。
雨などで土が濡れておらず、乾いた状態の方が掘りやすいです。また、いきなりスコップなどで掘ると、サツマイモを傷つける可能性があります。そのため、まずは 手作業 で存在を確認してから、スコップで周りの土ごと掘り上げると良いです。
貯蔵する
サツマイモは貯蔵することで、さらに甘くなります。
収穫後、乾燥させたサツマイモを新聞紙で包み、発泡スチロールの箱に入れて13~15度くらいの冷暗所で貯蔵すると良いです。
来年も栽培する
通常、同じ場所で同じ野菜(科目)を育てると、連作障害という野菜の生育が悪くなる現象が起きます。ただ、サツマイモの場合は、 毎年同じ場所で育てた方が、品質が良くなる と言われています。そのため、ぜひ来年も同じ場所で栽培してみてください。
実は手間が少なく育てやすい!サツマイモを栽培しよう
この記事では、庭でのサツマイモの栽培方法を紹介しました。
サツマイモは、原産地が砂漠周辺で暑さや乾燥に強く、ほぼ放置で育つため、初心者の方にも育てやすい野菜です。また、乾燥した場所を好み、肥料の多い土を嫌うため、もともと畑ではない庭での栽培に向いていると思います。
栽培にあたって多少の時間や費用はかかりますが、自分で栽培、収穫して食べる野菜は格別です。ぜひ自宅の庭などで育ててみてください。
出典・参考
- 木嶋利男:野菜の性格 アイデア栽培,株式会社学研プラス[東京都],2018年[146ページ]
- 木嶋利男:驚くほどよく育つ 野菜づくりの裏ワザ,一般社団法人 家の光協会[東京都],2022年[95ページ]
- タキイ種苗株式会社|サツマイモの栽培マニュアル
やってみよっか?