北陸でかにを食べよう~富山のかにセリ見学と深紅の「高志の紅ガニ」を味わう!
冬といえばかに、かにといえば北陸といっても過言ではないほど人気の北陸かにグルメ。毎年解禁を楽しみにしている人も多いのでは?!
実は富山・新湊市場では、「かにセリ」を一般見学することができちゃいます!昼間開催だから見学しやすく、市場内で茹でたてのかにを食べることもできますよ。紅色のかにがずらりと並ぶさまは圧巻!他にはない体験ができること間違いなし。
北陸エリアのかに事情【福井・石川・富山】
北陸で食べられるかにの種類
北陸で獲れるかにの種類は大きく分けて2種類。
よく知られているのが【ズワイガニ】で、エリアとオス/メスで呼び名が異なります。福井で獲れるオスのズワイガニは越前ガニ、メスはせいこ蟹、石川で獲れるオスのズワイガニが加納ガニ、メスが香箱ガニと呼ばれます。
そして今、福井・石川に負けじと富山がブランド化に力を入れているのがもう一つの品種があります。それは、 深紅色が美しい【紅ズワイガニ】 。
生の状態でも真っ赤な体と足の細長さが特徴で、ズワイガニよりも深海に住んでいます。水っぽく旨味が少ないとされていた品種ですが、富山県食品研究所の分析により、 水揚げ直後は旨味・甘みともにズワイガニにも負けない味わい であるとわかりました。新鮮な紅ズワイガニには甘み成分のグリシン、うまみ成分のグルタミン酸が豊富に含まれています。
このかに、1年に1センチほどしか大きくなりません。メスは甲幅6~7センチで産卵期を迎え、2年に1度、約4万個の卵を産みますが、成体まで育つものは少ないとされています。貴重な資源のため、漁が許されているのはオスのみ。しかも、 9~11年かけてようやく成体となった甲幅9センチ以上のオスのみが漁の対象という貴重なかに です。
富山湾は漁場が近い!富山産のかにの強み
紅ズワイガニは水揚げ0日が一番おいしい!分析が裏付けた結論を地元の人たちはわかっていたのか、富山湾から早朝に漁獲されたあと、すぐに漁港に運ばれそのまま昼セリにかけられます。活きの良さを保ったまま流通にのり、その日のうちに消費者の食卓へ。
これも、沿岸近くに深い海底谷があり、紅ズワイガニの好漁場となるからこそ。「天然のいけす」と呼ばれる富山湾ならではです。漁獲から水揚げまでの時間はなんと6~12時間。各漁港では、水揚げ後の加工・出荷のスピードにもこだわり、持ち前の鮮度を最大限に生かせるように気を配っているといいます。
新鮮なままゆで上げた紅ズワイガニは、豊かな甘みと旨味を味わうことができます。
富山県産の紅ズワイガニ「高志の紅ガニ(こしのあかがに)」とは
富山湾で獲れる紅ズワイガニは「高志の紅ガニ」とネーミングされています。なかでも、①重さ1キログラム以上、②甲幅が14センチ以上などの規格を満たすものは 「極上 高志の紅ガニ」 のブランド名で呼ばれ、漁港名・漁船名を記したタグをつけて出荷されます。
加納がに、越前がにも、タグ付きかにといえば高級品のイメージがありますが、高志の紅がにも同様に品質管理がされているんです。
深紅のかにが間近にずらりと並ぶかにセリ
いざ、かにが水揚げされ、セリにかけられる現場へ!
そんな貴重な 高志の紅ガニのセリを見学し、水揚げ直後に茹でたかにを食せるスポットが新湊漁港 です!富山駅から車で30分、公共交通機関では40~1時間ほどの場所にあり、真横には 「新湊きっときと市場」 という新鮮な海鮮を購入できる市場もあります。
きっときと市場の中には白エビ、ほたるえびなど富山の特産品の上にたくさんの大漁旗が!これもめったに見られないもの。なんだかワクワクしてきますよね。
おうちを朝出て間に合う!新湊漁港の昼セリ
競りと言えば早朝と相場が決まっていますが、新湊漁港では、早朝に加えお昼からもセリが行われます。これも漁獲から水揚げまでが早いから。季節によって時間は異なりますが、12時30分ころから開始されます。テレビ局の取材が来たり、バスツアーでも訪れたりと人気の観光スポットになっています。 関東や関西などを当日の朝出発しても問題なく間に合うのが嬉しい! かにセリ見学は事前予約制必須なので忘れないで。
ついたらまず、きっときと市場のカウンターで受付をし、歩いて別棟にかにセリを見に行きましょう!
ずら~っと並んだ紅がにの赤い絨毯を前に、漁港のセリ人は、独特の抑揚のある声を響き渡らせ ながら、かにセリを進めていきます。
見学客は、2階に設けられた見学席からセリの様子を見守ります。セリ人と買い手の真剣なやりとりなんてなかなか見ることができないもの!プロのセリはとっても真剣な時間ですので静かに鑑賞をしてください。動画撮影は禁止されているのでご注意を。
ちなみにセリ声というのは聞き取れるようになるまで修行が必要で、なかなか解読できないとのこと。初めて生で聞くセリ声は不思議なお経のようで、耳に残りそうです。
近くで見ると愛らしいかにのお顔たち。実際のセリでは上から眺めることになります。この後おいしくいただいちゃう…ごめんなさい!
セリ直後!獲れたて・茹でたてのかにを食す@新湊かに小屋
かにセリを見学したら、お隣の 「新湊かに小屋」 で実際にセリでおとされたかにを食すのがおすすめです(要予約)。ただし新鮮なかにを茹であげるのに、20分ほど時間がかかります。小屋の中はすぐそこで茹でられているかにの豊かな香りが充満していて食欲がかきたてられるはず!
紅ズワイガニはとても深い海の底に住んでいるため、水温も安定していてお味は通年変わらないそうです。かに味噌の濃厚な味わいが富山県産紅ズワイガニの一番の魅力!どんどん値上がりしているという ズワイガニよりもリーズナブルに楽しめ、味わえる期間も長い ため、旅に組み込むには最適です。
かに小屋の中ではかにを丸ごと一杯、とんと目の前に渡されます。お店のおばちゃんが丁寧にかにの剥き方を教えてくれるので、がんばってむいて食べましょう!どうしても苦労している場合は手伝ってくれることも。
新湊かに小屋では、紅ズワイガニのまるごと一杯以外にも、富山の紅ズワイガニと白エビを使った紅白丼など、新鮮な海鮮類を味わうことができますよ!
富山には魅力的なツアーがいっぱい!
富山県を始め、北陸には日本文化を堪能するスポット、美味しいグルメ、息をのむ大自然の絶景がたくさんあります。冬ならではのツアーもありますので、ぜひ、予約をしてご旅行をお楽しみください。
満席になる可能性もあるので早めのご予約を
紅ズワイガニが食べられるのは4月頃まで。北陸の冬の味覚、かにを食べに行ってこの冬を楽しみましょう!
やってみよっか?