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【福井】北陸エリア唯一の現存12天守~丸岡城~

福井県坂井市の丸岡城は江戸初期の天守が残る、北陸エリアでは唯一の現存天守です。古い天守であり、日本海側の気候の違いもあり、屋根をはじめ様々な仕様に違いがあります。

現在は金沢までの北陸新幹線ですが、福井への新幹線延伸を来年に控えてますます便利になる福井のお城を見に行ってみましょう。

北陸唯一の現存12天守~丸岡城

丸岡城アクセス

福井駅から直通路線バスが出ています。

車なら武生インターかひとつ北側の鯖江インターから丸岡インターで下りればまもなくなので、トータルでも1時間程度です。丸岡城には駐車場があります。

バスは福井駅前から1時間に2本出ています。乗車時間は約50分です。

また、いよいよ 来年には北陸新幹線の延伸 が迫っています。国宝への申請も準備されていますので、新幹線開通に合わせて国宝になったら、混雑するでしょう。

丸岡城の見どころ

丸岡城は大阪城や名古屋城のように巨大な城郭ではありません。言い換えれば、手に取るように見学しやすいというメリットがあり、 時には作った人の個性まで感じられます

特に 天守にはつくった人の思い入れやセンスや工夫が息づいています 。 大きさ、色、デザイン、ほかの建造物との組み合わせなど、それぞれ個性があります。おもしろいのが、地域性の違いです。地形や地質など土地固有の自然条件や産出物などによって、城の姿は変わります。 環境に応じて、土地にマッチした姿に成長するのです。

丸岡城天守の場合、屋根瓦にひと工夫されています。城の建物には一般的な土瓦が用いられますが、寒冷地域につき凍って割れてしまうため、 地元特産の笏谷石(しゃくだにいし) でつくられた瓦が採用されているのです。

グレー一色に染まる石の屋根なのに、冷たさや重苦しさを感じさせないのが、笏谷石です。 ブルーグリーンの色味と独特の風合いが古式の天守に趣を添えます。濡れると青みが冴えて、雰囲気が変わります。 城を訪ねるなら晴れの日がいいものですが、丸岡城はあいにくの雨でも少しうれしいです。 むしろ、わざわざ雨の日を狙って行きたくなります。雨の日に行きたい天守ナンバーワンです。

笏谷石は福井市内の足羽山で採れる火山礫凝灰岩で、加工しやすいのが特長です。 足羽山の古墳からは笏谷石の石棺が出土しており、1500年前の古墳時代から石棺や石門として重宝されました。今でも福井市内を歩くと、神社の鳥居や家屋の塀に用いられています。石材を加工する職人は、戦国時代に一乗谷城を拠点とした朝倉氏の保護を受けて発展したとか。まさに、地元が生んだ名産品といえそうです。

北陸エリアで唯一の、現存天守

丸岡城の天守は、北陸唯一の現存天守です。 城域のほとんどが埋め立てられ天守だけが残っている印象ですが、それがまた天守の存在感を引き立てています。 天守は質素でクラシカルです。つつましい印象ですが、決して地味ではありません。荒々しい野面積(のづらづみ)の石垣も古い時代の積み方で独特のオーラがあります。天守の重厚感と寒冷地らしい工夫に注目するのが、 この城の楽しみ方です。

最近わかってきた、天守の年代

2015年度から本格的な学術調査が行われ、さまざまな天守の謎が解き明かされました。大きな話題となったのが、 天守の創建年代 の解明です。

丸岡城は、1576年頃、柴田勝家の甥である柴田勝豊が、勝家の居城である北ノ庄城の支城として築城しました。天守も勝豊が創建したとされていましたが、調査により、本多成重が城主を務め、丸岡藩が立藩した寛永年間頃に建てられたことがわかったのです。

丸岡城には、1613年に福井藩の家老として本多成重が城主となり、 1624年に福井藩から丸岡藩が独立 した歴史があります。必ずしも立藩を機に天守を築くわけではありませんが、犬山城の天守を増築した成瀬氏が、同じように尾張藩の付家老だったのも興味深いところです。

成重は2代福井藩主・松平忠直の後見役、付家老として徳川家康から越前に派遣された人物です。父の本多重次は三河三奉行のひとりで、成重自身も幼少時、家康の次男・結城秀康が 羽柴秀吉の養子となった際に大坂へ同行しています。

丸岡藩成立と丸岡城整備の関係は今のところはっきりしませ んが、成重の存在と丸岡藩成立が天守造営の背景にあったことは間違いなさそうです。 成重が天守を造営したという文献はありませんが、城の整備や天守の建設は十分にありえそうです。

創建時の天守は、二重三階の望楼型。 現在のような縁はなく、屋根がついていました。創建当初の屋根は瓦ではなくひわだ葺で、同じく本多氏時代に石に改修されたことも判明しました。

所在地、拝観料などの情報は公式ウェブサイト等をご確認ください。

新幹線で行きやすくなる福井

北陸新幹線の新駅は福井県北部のあわら市と現在の福井市、さらに南には越前市と敦賀市にできる予定ですが、丸岡城へはあわら市からが近くなります。

開通すれば、駅と丸岡城との直通バスもありえます。東京など関東方面からは金沢から30分程度で行けます。

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