【ギリシャ】第2の都市テッサロニキ|ビザンティン建築が残る城壁の街を巡る image

【ギリシャ】第2の都市テッサロニキ|ビザンティン建築が残る城壁の街を巡る

テッサロニキはギリシャ北部の海沿いの街で、爽やかな潮風を感じられる中央マケドニアの首府

ギリシャの南部の首都アテネに次ぐ2番目に大きな都市で、都会的な街ではありますが、紀元前315年に設立されたキリスト教初期の布教の拠点の街で、ビザンツ帝国の首都コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)と深い繋がりがある都市です。

街のあちこちには世界遺産にも登録されているビザンティン時代の遺跡や教会が残っています

この記事では、世界遺産や街のランドマークなどのテッサロニキの観光スポットを紹介します!

<豆知識>テッサロニキ観光の際に知っておきたい歴史用語

マケドニアとは?

歴史上「マケドニア王国」と呼ばれた地域と、現在「マケドニア地方」と呼ばれる地域があります。ややこしいので簡単にまとめてみました。

「マケドニア王国」

紀元前7世紀に古代ギリシャ人によって建国された歴史上の国のこと で、現在のギリシャ北部を中心とする地域のこと。

アレキサンドロス大王の活躍により勢力を拡大していきましたが、その後の度重なる戦争の故、マケドニアは4つの共和国に分割され紀元前148年にローマの属州の1つとなっています。

「マケドニア地方」

現在のマケドニア地方は東ヨーロッパのバルカン半島中央部の地域を指し、 主にスコピエ(北マケドニアの首都)やテッサロニキ(ギリシャ領内マケドニアの中心都市)が主な2大都市 とされています。

僅かながらブルガリア領、アルバニア領、セルビア領もマケドニアの一部に含まれています。

尚、現在「北マケドニア」と呼ばれる北マケドニア共和国は、東南ヨーロッパのバルカン半島南部に1991年に建国された共和国のことです。

ビザンティン建築とは?

テッサロニキを訪れるには知っておきたい「ビザンティン建築」。

ビザンティン建築とは、東ローマ帝国(ビザンツ帝国、ビザンティン帝国)の勢力下で興った建築様式 のことを指し、5~6世紀頃からコンスタンティノープル(旧称ビュザンティオン)、現在のトルコのイスタンブールを中心に興りました。

正方形またはギリシャ十字形の平面、ドーム、金地の華麗なモザイク、大理石の張石などがビザンティン建築における特徴で、この建築建築がテッサロニキではよく見られます。

世界遺産に登録されている建築物

テッサロニキの教会建造物は4〜15世紀にかけて作られたものが多く、建築様式は、初期キリスト教時代、中期ビザンツ時代、パレオロゴス朝ルネサンスなどに分かれます。建造された年代によってさまざまな建築様式が見られるのが特徴。

「テッサロニキの初期キリスト教とビザンティン様式の建造物群」として世界遺産登録されている建造物は計15か所 あります。その中でも、初期キリスト教美術の傑作と称される見どころとなるものを厳選して紹介します。

ロトンダ

ロトンダは世界遺産指定の建物の中でもっとも古い4世紀のもの

当時のローマ皇帝ガレリウスの霊廟となることを意図して建設されましたが、実際には使われずに後に教会として改装され、 テッサロニキ最古の教会 とされています。オスマン帝国に征服された後はモスクとして使用されミナレットが建設、現在ではモニュメントとなっています。

アギオス・ディミトリオス教会

ギリシャでは街ごとに崇められる守護聖人がおり、各教会にはその聖人の骨が埋められているといわれてます。

ディミトリオスはテッサロニキの街の聖人であるため、テッサロニキ市民から最も崇拝されている聖人であり、由緒ある教会です。

ギリシャ正教会の聖堂で ギリシャ最大のバシリカ式教会堂 があるのが特徴。絢爛豪華なシャンデリアがあり、美しい建築様式が見どころ。火災によるダメージのため再建されていますが、6世紀から7世紀かけて作成されたモザイクが残っています。教会の地下には浴場跡もあります。

ビザンティン浴場

ビザンティン時代の浴場遺跡の中で最も保存状態の良い、ビザンティン浴場。

12世紀後半から第二次世界大戦のある194 0年頃まで利用されていたとされる浴場 です。

ビザンティン時代には男性と女性が交互に使用していましたが、オスマン帝国時代には浴場は男性と女性の区画に分かれ、「城塞の浴場」として知られていました。

テッサロニキには数々の浴場があったとされていますが現存しているものは少なく、ビザンティン浴場は唯一保存状態が良いものとして残っています。現在は博物館および文化空間として公開されています。

ビザンティンの城壁

最初に城壁が建造されたのは紀元前315年とされていますが、現在に残る城壁は紀元前4世紀に作られた もので、長さは約8km。初期の城壁の要素が取り入れられつつも古代ローマの遺跡から取った石や大理石が使用されています。

ビザンティンの城壁はテッサロニキの現代の市街地を囲うように伸びていますが、城壁の大部分は19世紀後半に行われた街の拡張によって取り壊されてしまっています。 現在では約4kmが現存し、城壁の高さは8.30mから10.50m に及びます。

城壁の防御塔からは、テッサロニキの街並みとテルマイコス湾を見渡せる街1番のビュースポット です!

テッサロニキ考古学博物館

テッサロニキやマケドニアなど、テッサロニキ周辺で発掘された古代ローマから後期ローマの時代の彫刻や装飾品などが展示されているほか、マケドニアの黄金など、特にマケドニア王国時代のコレクションが豊富!

ギリシャの中でも大きな博物館で、テーマごとに9つの部屋に分かれて展示されています。

街のランドマーク

アリストテレオス広場

テッサロニキの市内中心部、海沿いの大通りに面するところにある広場で、周りにはレストランやカフェが立ち並んでいます。

散歩や待ち合わせスポットとして利用され、イベントなどにも利用されるスポット。広場の周りにはお土産屋さんやバス停なども多く、とても広い広場なので街の目印となる場所です。

The White Tower

ホワイトタワーはテッサロニキの街のランドマーク的存在 。6階建ての塔で直径は23m、高さ27mの円柱形の主塔の上に、直径12m、高さ6mの櫓が乗っています。

ホワイトタワーはオスマン帝国時代の初期にあたる1530年以降に建てられたと考えられており、既存のビザンティン建築の上に再建されました。かつては砦や刑務所として使われてたこともある塔ですが現在は展示センターとして使用されています。

タワーの最上部には展望台があり、街や海の美しい景色を眺めることのできる展望スポットですよ

アレクサンダー大王像

アレクサンダー大王は紀元前336年頃のギリシャ北部の古代王国「マケドニア王国」の君主で、ペルシア帝国を滅ぼして東西に及ぶ大帝国を建設した伝説的な英雄

大帝国の実現により「ヘレニズム文化」と呼ばれるギリシャの文化や考え方が各地へと広まり、東西文化の交流や民族の融合が盛んになったとされています。

ウォーターフロント テッサロニキ

テッサロニキの 海沿いの遊歩道は市民の憩いの場であり散歩の定番コース !約5kmにも及びコンサートホールから港までの海沿いに遊歩道が続きます。

潮風を感じながらのんびりと過ごすのに最適な場所で、 遊歩道沿いには数え切れない程のレストランやバーが軒を揃えています 。朝から昼はカフェ&レストラン、日が暮れるとバーへと変わり、 朝から晩まで賑わいの絶えないスポット です。

港からは バー併設の遊覧船も運航 しており、お酒を楽しみながらテッサロニキの街を眺められるとあって観光客に人気です。

傘のモニュメント

遊歩道を歩いているとひと際目立つのが傘のモニュメント。いくつもの透明な傘が並べられているモニュメントは テッサロニキで人気のフォトスポット です。

日中は青い海を背景に、夕焼け時にはオレンジ色に染まる空を背景に、時間によって雰囲気も異なります。

様々な魅力の詰まったギリシャ北部の都市

テッサロニキの街は現代的な街でありながらも、古代からの遺跡が残り、また港の海の雰囲気も感じられる魅力が詰まった街です。

メイン通りであれば徒歩での観光も可能!街を掘り起こすと遺跡が出てくることから、まだ電車や地下鉄などは発達していませんが、市内の移動にはバスやタクシーの利用が便利です。

首都アテネとは気候も街の雰囲気も違うテッサロニキの街を訪れてみませんか?

出典・参考

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