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4月上旬より5月分発売!【東京】「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展をよりディープに楽しむ方法

今年はファッション系の美術展が目白押し。中でも見逃せないのが、東京都現代美術館で開催中の「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展です。

フランスのパリを皮切りに世界を巡回している大回顧展で、オートクチュールの壮麗なドレスの数々に、小物やアクセサリー、製作時のデッサンなどが展示されていて、まさに女性の夢と憧れがつまった圧倒的な美を感じることができます。

チケットが入手困難となっていますが、次回5月分の販売は4月上旬に行われるので、ご興味のある方は是非ご予約のうえおでかけください。

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「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展とは?

2017年7月にクリスチャン・ディオールのブランド誕生70周年を記念して、パリの装飾芸術美術館で始まった展覧会で、キュレーターはフロランス・ミュラー。

ロンドン、上海、成都、NY、ドーハと巡回し、日本での開催は6か所目になります。

その国ごとに構成が作り直されているのが特徴で、今回は、日本との関係に焦点があてられ、建築家・重松象平による空間デザインをはじめ、高木由利子の写真など様々な日本人アーティストとのコラボワークも見られます。

《基本情報》

  • 日程:2022年12月21日(水)~2023年5月28日(日)まで
  • 開館時間:10:00~18:00
  • 休館日:月曜
  • 料金:一般 2,000 円/大学生・専門学校生・65 歳以上 1,300円  ※中高生以下無料
  • アクセス:【電車】半蔵門線[清澄白河駅] 徒歩9分、東西線[木場駅] 徒歩15分、都営大江戸線[清澄白河駅] 徒歩13分、都営新宿線[菊川駅] 徒歩15分【バス】都営バス[東京都現代美術館前]下車すぐ【公式シャトルバス】GINZA SIXから運行 ※要予約

チケット予約について

4月分の予約が3月1日に始まったのですが、3月3日には予約枚数終了となりました。

私が予約をしたのは2月9日だったのですが、この時も、はじめにサイトを見た時には完売状態。ですが、2時間ほど、定期的にリロードを繰り返しているうちにキャンセルが出て、運良くチケットを取ることができました。

予約時間の1時間前までキャンセル可能ということで、予約したものの直前にキャンセルをする人が一定数いるようです。

一応、当日券もありますが、10時発売開始で土日は30分程度で売り切れとなっているようです。当日狙いの方は、10時前に行かれることをオススメいたします。

チケットのご予約は こちら から

展示構成

展示室は14のテーマに沿って分かれていて、1~5が1階、6~14が地下1階の二部構成 になっています。☆が日本オリジナルの展示。

  1. ディオールのニュールック
  2. ディオールと日本 ☆
  3. 歴代デザイナー別の作品展示
  4. 高木由利子の写真・モノクロ ☆
  5. ディオールのアトリエ
  6. ディオールのCMと雑誌
  7. コロラマ
  8. ディオールの庭
  9. ディオールとスター達・香水
  10. 高木由利子の写真・カラー ☆
  11. ディオールの夜会
  12. レディ ディオール
  13. ディオールと世界
  14. ディオール展の最後に

日本での開催のために撮りおろされた元デザイナーで現フォトグラファーの高木由利子の写真については、会場で流れていた映像がDior公式youtubeにあがっていました。

「静と動」を一枚の写真に表現するために、シャッタースピードを8秒にし、4秒間静止したのち4秒動くという撮影方法を取ったそうです。

「2.ディオールと日本」のコーナーでは、大丸で開かれた日本で初めてのファッションショーやカネボウ(当時の社名は鐘淵紡績株式会社)との共同クリエーション、皇室との関係(美智子妃殿下のウエディングドレスを製作)が紹介されていました。

こちらは、youtube用に新規に作られたものですが、フロランス・ミュラー(赤い服の女性)がホストを務めていて、ラストは、ディオールの言葉として「日本は伝統と現代性の融合が素晴らしい」と伝えています。

ちょこっとコラム

「クチュリエ」とは、夜会服に代表されるオートクチュールのデザイナーの意味なので、プレタポルテや男性服部門の展示はありません。また、ミュージアムショップの奥では、無料で見られる「過去のランウェイをまとめたムービー」が上映されています。

予習・復習ガイド

私は予約時間が16:30と遅く、限られた鑑賞時間を有効に使うべく、いろいろと下調べをしました。

すでに行かれた方のwebサイトやyoutubeを複数見てからでかけたので、その中から、これは必見!というものをご紹介します。

パリ版のメイキング映像(約60分):Dior公式チャンネル

キュレーターのフロランス・ミュラーを中心に、各セクションがどのように準備を進めたかのドキュメンタリー。展示品や歴代デザイナーについての説明、ドレスの修復作業や会場設営の様子などが詳細に描かれています。(日本語字幕あり)

特別潜入レポート!(約9分半):シトウレイチャンネルNEW!!!

世界を舞台に活躍するファッションフォトグラファーが解説つきで会場内をレポートしています。

きものとDiorの意外な関係(約12分):ゆりあときものチャンネル

着物好きだからこそ気づくことができる日本の伝統的な技法や反物への言及は驚きの連続。展覧会に合わせて、バッグがレディ ディオールなのも素敵です。

歴代のデザイナーたち

クリスチャン・ディオールが創業したのは、1946年。戦後まもない時期でした。裕福な実業家の家に生まれた彼は、芸術志向が強く、父親の反対を押し切ってアートの道へと進みます。画廊などを経営したのち、服のデザインをはじめ、41歳の時にブランドを立ち上げました。

歴代のデザイナーは次の7人

  • クリスチャン・ディオール 11年
  • イヴ・サンローラン 3年
  • マルク・ボアン 29年
  • ジャンフランコ・フェレ 7年
  • ジョン・ガリアーノ 15年
  • ラフ・シモンズ 3年
  • マリア・グラツィア・キウリ(2016-)

ディオール御大は、52歳の若さでこの世を去ってしまい、後継者として指名されたイヴ・サンローランは、徴兵のため3年で幕引き。その後、海外店舗を担当していたマルク・ボアンがトップに就任。1961年に「スリムルック」を発表し、モダンな服作りを推し進めます。

マルク・ボアンの在任期間がとにかく長くて、この間にプレタポルテを始めたり、男性服部門ができたり、業務が拡大。

「スリムルック」については、現職のマリア・グラツィア・キウリが2022年春夏コレクションとしてオマージュした作品を作っています。

「Bar スーツ」について

1947年のファーストコレクションで発表されたのが、有名な「Barスーツ」。

「1.ディオールのニュールック」では、メイン展示として「Barスーツ」が通路の真ん中に飾られています。

一般的には

ウエストを絞ったジャケットとボリュームのあるスカートが、アメリカの雑誌『ハーパス・バザー』の編集長によって、驚きと共に「これはニュールックだ!」と言われ、以後「コロール(花冠)スタイル」というディオール自身が呼んだ名前よりも「ニュールック」の方が浸透していく

と解説されますが、これ、現代人にはちょっと「どこが新しいのか?」分かりにくいですよね。

youtubeのメイキング動画の中で、私がハッとしたのが次の3点です。(12:00~の映像)

  • ジャケットのペプラム部分にボリュームを出すためクッションが入っている
  • 戦時中の角張った男性的な服に対して曲線美の復権をした
  • ディオールの言葉で「懐古的」 (昔に戻る、戦前のエレガンスに戻るという意味)

これを踏まえて、会場で「Barスーツ」を見てみると

たしかに、ウエストのシェイプが立体的で、かつ胸元は開いていて明るいオープンな印象がするのです。スカートも布地がたっぷりと使われていて華麗に広がっていますよね?

戦時下で服に使う布の分量まで制限があった事を考えると、 色といい、形といい、「女性の優美さをたたえている」感じ がして、新時代の服と予感したのも分かる気がしました。

師匠と弟子の作品比較

「3.歴代デザイナー別の作品展示」では、各デザイナーたちの代表作が展示されているのですが、後年のジャンフランコ・フェレ(ファッションの建築家と呼ばれた)やジョン・ガリアーノ(鬼才と言われ、舞台衣装のようなデコラティブな作風)は独自のデザイン路線が顕著で、パリのエスプリがきいた服というイメージとは少しはずれます。

それと比べると、創業者であるディオールと、彼が育てた若き才能イヴ・サンローランは、まとっている空気感が似ています。

こちらはディオール本人のオートクチュール。ウエストの細さとスカートの膨らみがひときわ目立ちます。

イヴ・サンローランのもの。ウエストに少しゆとりがあり、いいとこのマダムが日常的に着てそうな雰囲気があります。21歳の若さでブランドを引き継いだだけあって、フレッシュな魅力にあふれていますね。

ラフ・シモンズのコレクションと映画

ラフ・シモンズのなかで、私が一目惚れしたのがこの一着です。

前職が「ジル・サンダー」のデザイナーでミニマリストと言われていたラフ・シモンズですが、ディオールの世界観の中で見事に服作りをしています。壁には、製作時のスケッチや指示書が掲載。このスカートは、こういうテキスタイルの布を買ってきて作る訳ではなく、布を作るところから始めています。

彼は、デビューコレクションからオリジナルの布を製作する意欲が強く、その様子が映画『ディオールと私』の中にも象徴的に描かれています。

映画「ディオールと私」(1時間29分):2015年

ディオールと私
Photo by Amazon
ディオールと私

1946年に創設され、今や誰もが憧れる世界的ブランドとなった〈クリスチャン・ディオール〉。そんな老舗ブランドの初めてのコレクション発表は1947年。それから65年後の2012年、新しくデザイナーに就任したのは、オートクチュール(高級注文服)未経験のラフ・シモンズ。彼の抜擢はパリ・ディオールのアトリエで働く経験豊かな105人のお針子たちにとっても新たな挑戦の始まりとなった

2012年のラフ・シモンズ デビューコレクションに密着したドキュメンタリー。

メゾン・ディオールのオートクチュール製作の裏側をつぶさに記録しています。一枚のデザイン画あるいはコンセプトブックから、白い仮布(トワル)で立体化し、細部がどう詰められて一体のドレスができあがっていくのか。工房内の役割分担や人間関係も映し出す、傑作です。

トワルと完成したオートクチュール

トワルは通常、私たちの目には留まりませんが、 「5.ディオールのアトリエ」では、このトワルが四方の壁にずらっと展示されています。 まさに白一色の世界で、ため息がこぼれます。

そして、このトワルからパターンを作り、最終的な布が選びだされ、裁断・縫製を行い、ビーズや刺しゅうなどの装飾を施し、ショーのためにヘッドピースが作られて、コレクションが完成です。

こちらは、2017年春夏コレクションで発表された 桜や鯉など日本的なモチーフで作られたドレスたち。 この年は、日本でもショーが開催され、GINZA SIXの屋上庭園で特別コレクションがお披露目されました。

最後に

いかがだったでしょうか?ディオールと日本の関係は、 クリスチャン・ディオールの生家に浮世絵が飾られていた ことから端を発します。 具体的に葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」をドレスに落とし込んだジョン・ガリアーノをはじめ、後を引き継いだデザイナーたちも、それぞれのアプローチで、日本を意識したオートクチュールを仕立てています。

着物や帯だけではなく、伝統的な和の技法にも興味を示した彼らのあくなき探求心が、現在にいたるブランドの牽引力だと感じました。

こんなにたくさんの作品が東京に集まることは今後ないだろうと思いますので、皆さんも是非、この絶好の機会にご自分の目で味わってみてください。

出典・参考

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