【ガーデニング】クレマチスで庭づくり!特徴・歴史・飾り方について
主役や脇役の草花や中低木の植物とともに、華やかにガーデンを演出するクレマチス。つる性植物なので、窓辺やフェンス、トレリス、オベリスク、アーチなどといったものと組み合わせが自由で、仕立て方次第で庭のどんな場所でも活躍します。
この記事では、クレマチスの特徴や魅力から、庭での使い方や飾り方まで、詳しく紹介します。
クレマチスとは
キンポウゲ科センチニソウ(クレマチス)属のクレマチスは、北半球の温帯地域を中心に約250〜300種が自生します。ギリシャ語で「つる、巻きひげ」を意味するKlemaという言葉が由来で、名付けられたようです。
花・葉・実の形態が季節ごとで違い、色や姿の変化を楽しめ、丈夫で育てやすいです。
日本で愛されるクレマチス
日本でクレマチスの人気が高いのは、日本に自生するカザグルマがヨーロッパへ渡り、中国など世界の原種と交配して改良されて戻ってきたため、どことなく和の雰囲気があり、親近感が得られるからといわれています。
クレマチスの歴史
テッセンやカザグルマなどの原種を改良したり、交配したりして誕生したクレマチス。1569年ごろからイギリスで、自生種のビタルバとスペインから持ち込まれたビチセラとで品種改良が始まったことをきっかけに、アメリカなどの世界中で広がったとされています。
日本では1836年ごろにシーボルトがカザグルマを母国へ持ち帰り、それまでにはなかった大輪の品種が作出されるようになったようです。
その後、終戦以降日本でもクレマチスの品種改良が進み、1960年代に白王冠・江戸紫・天晴といった生まれ、1980年代になると、人気で銘花といわれる柿生が誕生したといわれています。
クレマチスの基本情報
- 英語名:Clematis
- 学名:Clematis
- 別名:テッセン、カザグルマ(いずれも別の種類)
- 科属名:キンポウゲ科センニチソウ(クレマチス)属
- 特性・形態:落葉性多年草、つる植物
- 樹高:20〜300m
- 原産地:クレマチスと呼ばれるものは園芸品種、テッセン・カザグルマは北半球に広く分布
- USDA zone:7a〜9b
- 耐寒性:とても強い
- 耐暑性:強い
- 耐陰性:あり
USDA zone とは
United States Department of Agriculture Plant Hardiness Zone(米国農務省 植物の耐寒性地帯)の略。
米国農務省
が開発した、寒さの段階を13のレベルに分け、植物の耐寒性レベルを数値とマップで明瞭化した指標です。造園やガーデニングをするうえで、植物がどの地域で、どれくらいの寒さまで耐えられるのかを確認するために使います。日本では気象庁の観測データを元に、都道府県市町村ごとにレベル分けされています。※指標は、植物を屋外で育てたときの目安。
参考:
Japan Plant Hardiness Zone
クレマチスの庭での使い方
バラとは違ってつるがやわらかく、思うように庭の演出がしやすいクレマチス。つる性質を利用すれば、空間を多様に彩り、個性のあるおしゃれな庭をつくれます。
フェンス・ラティスで飾る
平面を利用して立体的にクレマチスを楽しめるフェンスやライティスは、スタンダードな場所でガーデニング初心者におすすめの飾り方です。同じ系統の品種を植えたり、系統の異なる品種で開花時期をずらしたりすることで、色や形の変化を季節ごとで長く楽しめるようになります。
格子状にワイヤーを張ったり鉄柵を設けたりすることで、フェンスだけでなく壁面やコーナーなどにも有効利用できますよ!
庭木・ポール・オベリスクで飾る
直線のラインにクレマチスを絡み付けることで、立体的ですっきりとまとめることができます 。大きな庭木にワイヤーなどを使って絡ませながら登らせ、クレマチスをサポートしましょう。群れ咲く花の柱が、見応えある空間を演出します。
壁面・アーチに絡み付ける
平面と曲面の両方で立体的にクレマチスを楽しむなら、壁面やアーチにつるを絡み付けるのものおすすめ。植え付ける場所のスペースがなくても、上部に広い空間があればクレマチスは元気良く育ち、花を咲かせます。 花の少ない株元は、草花類などグラウンドカバーを植えて華やかにすると良い です。
メインとなる花壇で寄せ植えする
メインの花壇となる場所には、草丈の伸びにくいクレマチスやコンパクトにまとまる品種を脇役として、季節の草花と寄せ植えすると、ブリティッシュガーデンのようなおしゃれな空間を演出できるでしょう。
インテグリフォリア・ブルーベリーや篭口(ろうぐち)などを花壇の手前に植えると、花形の変化だけでなく、葉姿や葉色の変化も楽しめ、より人を魅了するような空間を演出できます 。
花壇やコンテナに植える
庭が狭かったり、飾れる良い場所がなかったりする場合は、植木鉢やコンテナにクレマチスを植えて庭に飾るのものおすすめです。身近にクレマチスを観賞しやすく、好みの場所へ移動しやすいです。
ほかの植物と寄せ植えを楽しんだり、大株に仕立ててボリューム感を出したりできるので、個性を出すことも可能。
コンパクトにまとまる品種や暑さ・寒さに弱い品種は、季節ごとに移動させて管理するのがベストです。
半日影になる場所に植える
基本的に日当たりの良い場所で育つクレマチスですが、半日ほど日が当たる広い空間があれば、開花を楽しめます。管理の仕方によっては、北側を向いた庭や、日当たりが悪い庭でも育てられ、枯らさずに花を観賞できるでしょう。
葉が重ならないようにこまめに剪定(せんてい)や誘引をすれば、日当たりや風通しが良くなり、生長の流れにも勢いが付きます。
まとめ
つるがやわらかくて、自由に装飾がしやすいクレマチスは、品種を選べば季節ごとの葉・花・実の変化を長く楽しめ、オリジナルティーの高いおしゃれな庭を演出できます。鉢植えで楽しむだけなら大丈夫ですが、目的意識を持って使いこなす場合だと、花だけで選ぶと失敗することも。
系統の特性をしっかりと理解し、つるの伸び具合、草姿、花形とのバランスなどを見ながら品種を選ぶことも大切です。
やってみよっか?