キャニオニングとは?基礎知識から人気体験スポットまで徹底解説!
夏の人気アクティビティ、キャニオニングをご存知ですか?川で行われるウォータースポーツの一つで、"究極の川遊び"と称されることも。
今回はキャニオニングの基礎知識からおすすめの体験スポットまでご紹介します!
※2022年9月6日に公開済みの記事を更新しました
INDEX
そもそもキャニオニングとは?
キャニオニング(canyoning)とは川の上流部で行うウォーターアクティビティの一つで、舟などに乗らずに自分の体で川下りを楽しむスポーツです。ウェットスーツにヘルメット、ライフジャケット、専用のリバーシューズを装備した状態で行います。
岩場をウォータースライダーのように滑り降りたり、水辺に飛び込んだり、天然のプールで浮いたり泳いだり。時にはロープとハーネスを使って沢下りをしたりターザンロープで水に飛び込んだりと激しめのアクティビティです。
川での水遊びとなるので、夏を中心とした春先〜秋口までがシーズン。ただし沖縄など気候の暖かい場所では冬でも体験できるツアーがあります。カヌーやカヤックなどのその他のリバーアクティビティと比べてキャニオニングを取り扱っているツアー会社は少ないので、トップシーズンである7〜8月は夏休みもあるため予約が殺到します。
体験してみたい場合は早めの予約をおすすめします。
体験ツアーの値段の相場は大体が〜1万円くらいです。ツアーの場所によってはカヌーやラフティング、シュノーケルがセットのツアーもあり、このように他のアクティビティも体験できる場合は1万〜1万5000円くらいになります。
どのツアーにもプロのインストラクターがつき、ガイドをしながら川下りを楽しむので初心者の方でも参加がしやすくなっています。
キャニオニングの歴史について
キャニオニングの発祥は1870年代のヨーロッパといわれています。ヨーロッパではレジャーとして個人で楽しむ人も多いのに対し、日本では体験ツアーとして楽しむことがほとんどです。
日本国内では1998年にキャニオニングがスタート。ニュージーランド出身のマイク・ハリス氏が初めてキャニオニングツアーを始めました。マイク氏がオーナーを勤める「キャニオンズ」は群馬県みなかみ町にあり、夏のキャニオニングだけでなく冬のアクティビティも行うなど、みなかみ町で体験できるアウトドアを中心にツアーを行っています。
その後テレビ番組でキャニオニングが紹介されたため瞬く間に全国で認知が高まり、日本でも人気のアクティビティとなりました。
シャワークライミング、ラフティングとの違いは?
キャニオニング同様、川で行うアクティビティには「シャワークライミング(shower climbing)」や「ラフティング(Rafting)」があります。
まずはシャワークライミングとキャニオニングの違いについて。キャニオニングが川下りをするのに対し、シャワークライミングは「沢登り」を目的とします。シャワークライミングはいわば水が流れる場所でロッククライミングをしているようなもの。常に水を感じながら滝などを登っていきます。こちらも春先〜秋口まで楽しめますが、暑い夏の時期には特に気持ちのいいスポーツです。
そしてラフティングとキャニオニングの違いは、両方とも川下りスポーツですが、キャニオニングでは自分の体を使うのに対し、ラフティングではゴムボートに乗って楽しみます。
日本における体験ツアーでは、キャニオニングとシャワークライミング両方の要素を同時に取り入れているものも多く、滝を登ってから滑り降りたり、滝壺にジャンプして楽しんだりするような体験ツアーは「キャニオニング・シャワークライミング」と並列して記載されることもよくあります。
キャニオニングは初心者や子供にもおすすめ!
キャニオニングは自分の体のみで川下りをすることから、初心者や子供には一見難しそうなアクティビティですが、そうではありません。
レジャーとして開催されている体験ツアーの中には小学生からの参加が中心ですが、中には2〜3歳から参加できるものもあります。激しい流れのところには行かずに川の穏やかな流れのところで歩いたりとトレッキングを楽しむコースです。
その場合は「キャニオニング・シャワークライミング」という記載ではなく「リバートレッキング」というツアー名になっていることもあるので注意して探してみましょう。
また、キャニオニングのツアーはガイドやキャニオニングに必要な道具がセットになっていることが多いので、初心者の方はツアーの参加をおすすめします。
キャニオニングに必要な道具や準備は?
キャニオニングにおすすめの服装
キャニオニングの服装はヘルメット、ウェットスーツ、スライダーパンツ、ライフジャケット、手袋、リバーシューズなどで基本的に肌の露出はあまりありません。岩場でウォータースライダーをしても怪我をしないような服装になっています。
これらはツアー料金の中に全て含まれていることがほとんどなので、自分で用意する必要はありません。
自分で用意する服装は、ウェットスーツの下に着る水着、もしくは濡れても良い下着を持っていきましょう。ツアーの時期によっては水が冷たいため速乾ウェアを準備した方がよいこともあります。
その他ツアーによっては水着で泳ぐ時間があったり、他のリバーアクティビティとセットになっていることもあるので、ツアー詳細に書いてある持ち物や服装を必ずチェックするようにしましょう。
キャニオニングに必要な持ち物
必要な持ち物としては一般的な川遊びや水遊びの際に用意するものとほとんど変わりません。大きめのタオルや着替え一式、夏の時期なら日焼け止めなどです。
アクティビティ中は激しく水に濡れることがあるので、コンタクトの方はゴーグルを、メガネの方はメガネバンドを持っていくといいでしょう。コンタクトの方は万が一外れてしまった時に備えて、予備のコンタクトも持っているとより安心です。
また、キャニオニング中はシューズの間から細かい砂利が入ってくることも。気になる方は濡れても良い靴下を持参するといいでしょう。
ヘルメットを被るので髪の長い方はヘアゴムも必須です。髪は低い位置で結ぶようにしましょう。
ツアーによっては温泉とセットになっているツアーもあります。その場合はボディーソープやシャンプーなどのケア用品も持っていくとよいでしょう。
キャニオニングの開催シーズンと人気の時期
キャニオニングの開催シーズンは川に入れる季節が前提となるので、だいたい春先から秋口のシーズンで開催され、人気の時期は夏休み時期の7月〜8月やシルバーウィークとなっています。ただし体験ツアーの場所によってその時期が少しずつ異なるので、場所ごとに詳しくみてみましょう。
北海道の道央や道北に位置するニセコや富良野は夏季限定で7月〜8月の2ヶ月間のみツアーが開催されています。同じ北海道でも道東の知床では、リバートレッキングツアーは6月〜10月末まで開催されています。
関東の群馬県みなかみ町や東京都奥多摩では4月後半〜10月中旬くらいまでが開催シーズンとなります。同じ関東圏内でも栃木県鬼怒川では6月上旬〜9月下旬と夏場のみとなるので開催時期はこまめにチェックしておきましょう。
また、奥多摩は都心から一番近い体験スポットとなるので、最も需要が高まるシーズン(夏休み・お盆休みを含む7月〜8月、シルバーウィークを含む9月)は予約が殺到します。
甲信越の長野県白馬では7月中旬〜9月上旬、関西の滋賀県では5月〜10月末まで、四国地方では6月中旬〜10月上旬、九州地方では4月下旬〜10月下旬となります。
このように地域ごとでの開催シーズンの差はもちろん、キャニオニングを行う川が山の上流にあるのかどうかでも開催時期が変わってくるので、きちんとHPなどで確認しておきましょう。
温暖な沖縄県では通年で体験できることがほとんどです。
キャニオニングが楽しめる体験スポット
大自然の中で悠々と楽しめる 北海道
富良野(北海道)
富良野近郊の渓谷では、水量が多いため天然のウォータースライダーや飛び込みが楽しめるのがポイント。ライフジャケットとウェットスーツを装着してのツアーなので、10歳からでも参加ができます。
都心からのアクセス良好が魅力 関東地方
日本でのキャニオニングツアーの発祥である群馬県みなかみ町をはじめとし、栃木県や東京都、神奈川県にもキャニオニングスポットがあります。
みなかみ町(群馬県)
日本で最初のキャニオニングツアーを始めた場所なのでガイドさん達も経験豊富なのが特徴。しっかりサポートしてくれるので、初心者や小学生でも安心して参加できますね。また、みなかみ町には世界的に有名な激流スポットもあるので、経験者の方でも存分に楽しむことができます。
利根川の最上流域にあたる水上エリアは温泉でも有名なので、キャニオニングの後に温泉宿で宿泊したり、なかには宿泊もセットのツアーもあるので、目的にあった過ごし方ができるのも魅力です。
北軽井沢(群馬県)
地図に載っていない秘境の滝へと向かうリバートレッキングのツアーがあります。浅瀬の川を歩くので小学生や愛犬とも参加が可能です。
川にはイワナやヤマメがたくさん生息している場所です。
奥多摩(東京都)
奥多摩・青梅は東京でありながら豊かな自然が残っている地域になります。ここでの特徴は開催時期が4月下旬〜10月下旬と比較的長い期間開催されているので、新緑の緑と紅葉の景色を見ながらキャニオニングを楽しめることです。
都心から一番近い場所で体験できることから夏休みシーズンは予約がすぐに埋まることも。
こちらのツアーでは屋外に温水シャワーや施設内にキッズスペースも完備。マリン系のツアーではなかなか撮れない写真もオンラインアルバムで無料プレゼントしてくれます。
清流でのリバーウォーキングもおすすめ 甲信越地方
甲信越では山梨県でのキャニオニングがおすすめ。
自然豊かな道志村の清流でリバーウォーキングとキャニオニングが楽しめます。横浜市の水源でもある道志川は滝や沢もあり、6歳の子供からでも挑戦できます。
ゴールをしたあとは道志の澄んだ水でつくるドリップコーヒーを楽しめます。
関西からもアクセス抜群 東海地方
東海地方では4月〜10月あたりまで長い期間キャニオニングを楽しむことができます。大阪や名古屋からも近場のため、日帰りで楽しめるのも特徴です。
伊豆(静岡県)
天城山が水源の川で本格的なキャニオニング体験ができます。水量も豊かなので天然のウォータースライダーはもちろん、滝壺に飛び込んだりと色々な自然のアトラクションを楽しむことができます。
アトラクションはロープを用意したりと、参加者のレベルに合わせて楽しめるよう工夫されているので、自分のレベルにあわせて挑戦できます。
水晶谷(三重県)
水晶谷の透明度抜群の清流で泳いだりもぐったりできる初心者向けのツアーです。5歳から参加できるので、家族で天然のプールを満喫できます。
また、こちらのツアーではガイドさんがデジカメで撮影してくれた写真を無料でプレゼントしてくれるのも嬉しいサービスです。
お子さまから楽しめるツアーが魅力 関西地方
吉野(奈良県)
紀伊半島の中部に位置する吉野は雨量が豊富で日本有数の林業地帯です。山岳地帯があるため川のレジャーも盛んでキャニオニングとシャワークライミングが両方楽しめます。
吉野の原生林の中で楽しむウォータースライダーは水遊びだけでなく森林浴も楽しめる場所です。
こちらのツアーでは吉野熊野国立公園周辺の天川でのキャニオニングなので、天然のウォータースライダーやプールを楽しめます。
近江(滋賀県)
滋賀県東部に位置する東近江は大阪から車で1時間半ほどで行けるキャニオニングとシャワークライミングの人気のエリアです。もともと滋賀県は琵琶湖などもあることからウォーターアクティビティは盛んな場所となっています。近江の他には高島や大津でも体験ができます。
神崎川上流の渓谷はエメラルドグリーンの透き通った川や沢を囲む岩が白いのが特徴。別世界のような美しい景色の中で川と戯れてはどうでしょうか。
また、開催時期は3月〜8月と早めに始まります。春休み、GW、夏休みと行けるチャンスが多いのがいいですね。
高島市(滋賀県)
高島市の八ツ淵の滝でシャワークライミングとお子様向けミニスライダー、ミニ飛び込み場が楽しめるツアーがあります。お子様に楽しんでもらえるように組まれたツアーなので、家族で夏の思い出作りができます。
リバースポーツが盛ん 四国・九州地方
四万十川(高知県)
清流でしられる四万十川ではキャニオニングだけでなくカヌーやSUP、ラフティングなどのリバースポーツが盛んです。観光名所の沈下橋も川から眺めることもでき、ツアーによってはくぐり抜けたあとに記念撮影もできます。
ここでご紹介するツアーはカヌー、SUP、ラフティングのツアーに滑床キャニオニングの半日コースをつけ、丸一日ウォータースポーツを楽しめます。
滑床渓谷、薬師谷渓谷(愛媛県)
国立公園の「滑床渓谷」や「薬師谷渓谷」では初心者から上級者まで楽しめるキャニオニングが体験できます。半日と1日コースから選ぶことができ、上級者の方には1日コースがおすすめです。
今なら温泉チケット、ツアー記念写真もプレゼントしています。
本州ではできない体験ができる 沖縄県
沖縄県ではキャニオニングだけでなくリバートレッキングも盛んでより広い年代で楽しめるツアーが多くあります。
西表島
イリオモテヤマネコなどの珍しい動物が生息する西表島はほとんどが亜熱帯の原生林となっており、その中で楽しむウォーターアクティビティは人気のツアーです。
ツアーはキャニオニングだけでなくカヌーやカヤックとセットになっていることも多く、本州では体験できないマングローブなどの自然を存分に楽しめることでしょう。
やんばる
沖縄本島最北端に位置するやんばる国立公園で体験できるキャニオニングは、西表島のマングローブの原生林とは違った景色でアクティビティを体験できます。
ヒカゲヘゴと呼ばれる亜熱帯植物が生い茂る場所での川遊びや滝壺にジャンプするのはジャングルで遊んでいるかのような気分になります。ここでのツアーの一推しは滝壺でのシュノーケリングができること。沖縄の綺麗な海とは違った水中散策もぜひ楽しんでみてください。
自然と一体化できる最高の体験を
川下りを自身の力で楽しむキャニオニングは、子供から大人まで楽しめるウォーターアクティビティです。川に直接入ることから体験ツアーの時期は春〜秋と限られてきますが、都会からのアクセスが良いエリアもたくさんあります。特別な持ち物の準備は必要ないため比較的参加しやすいスポーツです。
大自然を体で感じ、童心に返って思いっきり楽しめるアクティビティなのでご家族や友人、恋人と一味違った旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか。
やってみよっか?