オーストラリア最後の銘醸地「グラニットベルト」の魅力~美味しい食と、人々の温かさに触れる場所~
「グラニットベルト」、それは今オーストラリアで非常に注目度が高まる場所です。
ワインやローカルフードに舌鼓を打ち、美しく稀有な自然に圧倒され、人々の温かさに触れる。そんな素晴らしい体験が出来るこの場所「グラニットベルト」の魅力を、グラニットベルト・アンバサダー佐藤さんと訪れた筆者がご紹介します!
グラニットベルトってどんなところ?
グラニットベルトについて
グラニットベルトは、オーストラリアのクイーンズランド州に位置するワイン産地です。スタンソープやバランディアンなどの町を中心に広がっており、その名前は地域特有の花崗岩(granite/グラニット)が豊富な土壌から由来しています。この場所の花崗岩の歴史は2億年前にも遡り、はるか昔から特別な土壌を形成してきたのです。
グラニットベルトは涼しい気候が特徴で、冬には雪が降ることもあるほど。
寒暖差のある冷涼な気候
は様々なワイン用ぶどうの栽培に適しています。この地域では、主にシラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどに加えて、ヴィオニエ、テンプラニーリョ、ヴェルデーリョなどのイタリア系代替品種も栽培されています。涼しい夜と暖かい昼に恵まれた気候は、フレーバー豊かで鮮やかなワインぶどうの育成にぴったりなのです。
そんなワイン作りに適した土地であるにも関わらず、グラニットベルトワインは、
実はこれまでワイン産地として冷遇されてきました
。やはりオーストラリアといえば南の地域にあるワイナリーが有名で、アデレードのバロッサバレー、メルボルンのヤラバレーやシドニーのハンターバレーなどがありますが、それらのワイナリー地域のイメージが先行し、
温暖な気候であるクイーンズランドのワインは嘲笑の的
ともなり、この地のワインメーカー達は虐げられてきたのです。
150年前から住み始めたイタリア系移民たちの手により、この場所でのワイン作りが始まりました。
2億年の歴史がある花崗岩
を含む土壌から成るブドウは、数は多くありません。
少量であるからこそ凝縮されたブドウが成り
、それを使って作られるワインには、歴史と人々の思いが込められているのです。
ようやく日の目を浴び始めたグラニットベルトワイン。現地へと足を運んでみて分かった確かなその魅力を存分にお伝えします!
必見!グラニットベルトのおすすめスポット
グラニットベルトには多くの人の情熱が詰まったワイナリーはさることながら、地元でしか味わえないローカルナチュラルフードも多く存在します。
ここでは、筆者が自信を持っておすすめするスポットの一部をご紹介します。
こだわりの詰まったブティックワイナリー
Balancing Heart Vineyard
2017年のオーストラリアン・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた、その道40年の経験を持つマイク・ヘイズが手掛けるワイナリーで、その特徴は徹底的なケミカルフリー/ヴィーガンな栽培方法にあります。「 自分は母なる大地の補助役に過ぎない 」と語る彼からは、ワイン作りと自然への尊敬と愛が伝わってきます。ワイン愛好家には必ず立ち寄ってほしいワイナリーの一つです。
Tobin wines
トビン・ワインでは、ワインを作るというよりも、ワインを育てることに焦点を置いています。畑、ブドウの木、そしてブドウの品質に対する完璧を追求することに敬意を払い、毎年各品種ごとに100〜160ケースに限定され生産されています。 「素晴らしい味と香りを作り出すのは、ワインメーカーの才能だけではありません。すべての仕事は、ブドウ畑で行われます」とトビン・ワインのワインメーカー、エイドリアン・トビンは言います。
Jester Hill Wines
マイケルとアン・バークご夫妻が営む家族経営のワイナリーであるジェスター・ヒル・ワインズでは、まず彼らの温かい歓迎から始まります。彼らは以前は医師だったそうですがワインをこよなく愛しており、たまたま自転車で訪れたこの土地をとても気に入り購入し、そこからワインメーカーへと転身。彼のきめ細やかなこだわりと、コンサルタントワインメーカーのスティーブン・オリバー氏のサポートにより、2014年にはWinestate誌の年間シラーズ部門で準優勝を果たし、他にも数々の賞を受賞し、オーストラリアブティックワインメーカーショーでもゴールドメダルを受賞しました。
新鮮なローカルナチュラルフード
Sutton’s Farm リンゴ園
砂糖を一切加えていないのに、驚くほど甘い…! でもスッキリとした甘さでとっても飲みやすいんです。ジュースのほかにも、リンゴ以外のフルーツを使ったジャムも数多く、さらにはギフトボックスや手作りソープまで販売されていて、お土産にばっちりです。
The Folly Truffles トリュフ農園
こちらではトリュフ畑の見学が可能!トリュフがどんな風に生えているのか、見たことありますか?実際に土の下に眠るトリュフを見ることが出来ますよ。 トリュフを使った調味料 も購入出来るのですが、これが 本当に美味しい! 私はお土産にトリュフマスタードとトリュフチリソースを。トリュフの香りがしっかり付いていて、一緒に試した友人も絶賛!おすすめのお土産です。
Stanthorpe Honey 養蜂場
ご自宅の周りで養蜂を営んでいるスタンソープ・ハニーさん。ハチの巣箱から取り出したばかりのハチの巣を、なんと その場で巣箱から試食も可能 !こんな体験はなかなか出来ません。ご自宅のお庭にはワイルドフラワーが咲き誇り、そこから作られる 種類豊富なハチミツは格別なお味 。その場でハチミツやハニーコームの購入も可能です。
Aussie Beef Steak House ステーキハウス
昔のオーストラリアにタイムスリップしたような、 懐かしく温かい雰囲気が漂うステーキハウス 。店内は平日でもローカルの人々で賑わっています!お肉は地元の肉屋から直接仕入れており、とっても新鮮。 分厚く豪快なオージービーフ ながら、その 柔らかさは絶品 !ぜひご賞味あれ。
どうやって行くの?滞在方法は?
都市からの距離感、移動方法
ブリスベンからグラニットベルトへの所要時間は、おおよそ2.5〜3時間で、ゴールドコーストからは2〜2.5時間ほどです。レンタカーを借りてドライブしてみても良いですね。少し長距離になりますので、またワインや現地の魅力をしっかり堪能するためにも、宿泊することをおすすめします。
ホテル・滞在場所情報
Ridgemill Estate Cabin(リッジミル・エステート・キャビン) はブティックワイナリーでもあるので、 美しいブドウ畑の中に泊まることが出来る ユニークな場所です!キャビンはとても綺麗で、大きなベッドにバスルーム、エアコンやテレビも完備され、暖炉も付いているので冬場も温かく過ごせます。さらに、宿泊にはワインが1本付いてくる嬉しいサービスも♪ 朝起きた時の鳥のさえずりと、美しいワイン畑の景観に癒されること間違いなしです。
グラニットベルト・アンバサダー佐藤さんと行く、グラニットベルトツアー!
少し距離もある場所ですので、
自分で運転していくにはちょっと不安
が残るかもしれません。でも大丈夫、
ブリスベンやゴールドコーストからツアーに参加することが可能
です!
Granizo代表の佐藤泰士さんは現在、グラニットベルト・アンバサダーとして活動をしていらっしゃいます。クイーンズランド州で最大規模の生産量を誇るSirromet Winesにて15年に渡り生産、販売、マーケティングを手掛けていらっしゃいました。その間、2017年全豪ベストワインメーカーオブイヤーに選ばれた豪州ワイン業界のレジェンド、マイク・ヘイズ氏に従事し、3シーズンに渡ってワイン作りのフィロソフィーを学んだ後、現在はご自身でグラニットベルト産ワインのコンサルティング、輸入、ワインツーリズムを手掛けていらっしゃいます。
グラニットベルトのこと、ワインのことを知り尽くす彼だからこそ出来るツアーには、ワイン好きのみならず、
佐藤さんの人柄に惹かれるリーピーターのお客様が多く
、その
高いホスピタリティーに定評があるガイド
さんです。
彼のツアーに参加すれば、ブリスベンやゴールドコーストなどの大きな都市からの送迎付きで、グラニットベルトの魅力をたっぷり味わうことが可能!
経験から来る深い知識とワインと食への大きな愛
を、ぜひ堪能されてはいかがでしょうか。
8月から催行開始:グラニットベルトワイン「シロメィワイナリー」を訪れるツアー
人々の愛とこだわりが詰まった場所、それがグラニットベルト。
今回取り上げた場所はごく一部!まだまだたくさんの魅力が詰まっている、オーストラリア最後の銘醸地と謳われる「グラニットベルト」。
素晴らしい食文化もさることながら、訪れた場所での人々の温かさに驚かされた場所でもありました。その土地を愛し、自分たちが作るものを愛している人々が生み出す価値は、実際に触れてみてこそ分かる、圧倒的な魅力に繋がっています。
都会の喧騒から少し離れて、素晴らしい「食」と「人」に会いに、ぜひ訪れてみてください。
グラニットベルトのワインについて詳しく知りたい方は こちら
出典・参考
やってみよっか?