ポンペイ遺跡のアクセス方法&観光情報|古代ローマの奇跡を探る! image

ポンペイ遺跡のアクセス方法&観光情報|古代ローマの奇跡を探る!

18世紀ごろに発掘された古代都市ポンペイ。イタリア南部に位置し、古代ローマの市民の生活を紐解く重要な巨大遺跡として知られ、世界遺産にも認定されています。この記事ではポンペイ遺跡の歴史やアクセス方法、周辺のスポットなどを紹介します。

ポンペイ遺跡とは

イタリア語で「Pompei」、ラテン語では「Pompeii」と表記されるポンペイ遺跡。日本が弥生時代のころ、南イタリアでは大規模な噴火が起こり、山の付近一帯が壊滅し、多くの人々が巻き込まれました。まずは遺跡の歴史と都市の位置情報を見ていきましょう。

位置情報

イタリア南部のカンパニア州 に位置し、ナポリ湾に面するポンペイ。主にナポリやアマルフィなどの南イタリアの主要な観光都市から訪れる人が多くいます。

歴史

2020年現在から2,000年以上も前の古代ローマ時代。地方都市のポンペイは ローマ帝国の商業都市 として機能し、2万人ほどの人口を抱えていました。貴族たちのリゾート地としても栄えていましたが、 西暦79年8月24日にヴェスヴィオ火山の噴火 が発生。 火砕流によって一晩から2日ほどで都市が地中に 埋まってしまい、逃げ遅れた人々は2,000人にも上るといわれています。それから1,700年ほど経った18世紀に入ると、井戸を掘っていた農民が大理石の柱を発見し、付近の調査が始まります。そして 1748年、古代の都市遺跡としてほぼ完全な状態でポンペイが発掘 されました。驚くべきは、劇場などの公共施設や市場、道路標識や神話などが描かれた壁画など、 豊かな文明都市としての姿がそのままの保存状態で発見 されたことです。遺跡の劣化を止めるため、ポンペイの修復作業が行なわれることとなります。

被害に遭った人たちの遺体は消失していましたが、火山灰の空洞の部分に石膏を流し、石像として再現 することに。悲劇の瞬間がリアルに映し出され、子供を助けようとした母親の像など、避難者の一瞬のできごとを切り取ったような石像が多く残されました。

出土品はナポリの国立考古学博物館【Museo Archeologico Nazionale di Napoli】に展示 されていて、遺跡を再現した模型などもあります。

ポンペイ遺跡の観光情報

アクセス方法

・ナポリからの行き方

ナポリ中央駅から ヴェスヴィオ(ヴェスヴィアーナ)周遊鉄道 に乗り、「ポンペイ・スカーヴィ駅(ヴィッラ・デイ・ミステリ駅)」へ。 所要時間は35分ほど です。 私鉄(チルクンヴェスヴィアーナ)を利用するのであれば、約45分 かかります。 ローマから行く場合はナポリやサレルノを経由 して電車で2時間~4時間、バスで3時間ほどです。

・アマルフィからの行き方

アマルフィ海岸バスでソレントやサレルノ を目指しましょう。 ソレントまで約1時間30分、サレルノまで約1時間15分 かかります。 ソレントからはヴェスヴィオ周遊鉄道 でポンペイ・スカーヴィ駅へ。駅から秘儀荘側の入り口まで歩いて3分ほどです。 サレルノからはFS線トレニタリア を利用してポンペイ駅まで行き、10分ほど歩いて円形劇場側の入り口から入場できます。

入場料金

入場料は 15ユーロ(約1,800円)で、18歳未満は無料 です。エルコラーノなどの5か所共通チケットであれば22ユーロ(約2,600円)で回ることができます。チケットはネット予約で買うことも可能です。現地でチケットを購入すると、遺跡の地図をもらうことができるので事前に確認しておくとよいでしょう。また、 10月から3月までの第1日曜日は年齢問わず入場料が無料 に。混雑で入場制限がかかることがあるので訪れる際は注意してください。

見学の所要時間

ポンペイ遺跡は 66ヘクタールほどの広大な敷地を誇り、主要スポットを観光するだけで3時間ほどかかる といわれています。移動も考えると、ナポリ滞在に1日加えて訪れるのがよいでしょう。エルコラーノ遺跡もポンペイの3分の1ほどの広さがあるため、滞在時間が短い場合は観光ルートやポイントを事前に考えて回りましょう。移動量が多いため、大きな荷物は駅や遺跡の入り口にある預かり所に保管しておくのがベストです。 営業時間は4月~10月までは9時~19時30分(土日は8時30分から)、11月~3月は17時まで となっています。時期を問わず、 終了の1時間半から2時間前までには入場 するようにしてください。

日本語ガイド

ポンペイ・スカーヴィ駅側の入り口であるマリーナ門 では、8ユーロほど(約960円)で 日本語音声ガイド を借りることができます。また、朝から昼過ぎまでの限られた時間で参加できる 有料のガイドツアーもあり、公認ガイドが案内 してくれるサービスも。ポイントがいくつもあるため、 現地オプショナルツアーなどを活用して効率よく見学 するのをおすすめします。もちろん、英語の音声ガイドも選べます。

おすすめの観光シーズンと服装

遺跡内は 日陰の場所が少ない ため日差しを浴びやすく、石畳の道が続きます。1年でもっとも気温が上がる 8月は避けたほうがよい でしょう。降水量が多い9月~11月は折りたたみ傘が必須で、歩き回るのには向いていません。3月は寒さが残るため、 4月~7月までが観光のベストシーズン といえます。

帽子やサングラス、スニーカーなどを持って行き、脱ぎ着しやすく動きやすい服装 で臨みましょう。水分補給も重要で、遺跡内の飲み物は高額のため入場前に買っておくのを忘れずに。5月ごろまでは朝晩の気温差があるため、 羽織りやすい薄手の上着があると安心 です。

ポンペイ遺跡観光の見どころ

内部には、役者や剣闘士たちが描かれた絵画、立派なモザイクタイルの床、娼婦などが働いていたとされる娼館など、さまざまな建造物や美術品が点在。 遺構の数々を見ていくと、当時のローマ人の日常を想像でき、タイムスリップしたような気分 を味わえます。全て回ると非常に時間がかかるので、主要スポットに絞って見ていきましょう。

アポロ神殿

まず最初は、ポンペイ・スカーヴィ駅側の マリーナ門から3分ほど 進んだ先にある神殿跡へ。芸術と太陽の神アポロを祀っていた場所で、正面にはアポロ像のレプリカが設置されています。

フォロ(公共広場)

アポロ神殿からすぐの場所にあり、 当時の政治や経済の中心地となった広場 。紀元前2世紀ごろに造られたとされるユピテル神殿跡や凱旋門などの建物も残っています。

スタビアーネ浴場

フォロから徒歩5分ほど進んだ先には、 ポンペイ最大かつ最古の公共浴場 であるスタビアーネ浴場があります。男女別の温浴室や水風呂、脱衣所があり、 ドーム型の見事な屋根や美しい装飾も必見 です。この浴場がある アッボンダンツァの大通り【Via dell Abbondanza】 には居酒屋や商店が点在。街の活気を集めたような風景が残る繁華街です。通りは車道と歩道が区別され、飛び石がある横断歩道もあります。その間隔は、馬車が通ることができる幅であったともいわれています。

大劇場

約5,000人の観客を収容できる屋外の劇場で、悲劇や喜劇が上演されていました。その時代に 演劇が親しまれていたことがわかる重要な娯楽施設 です。

円形闘技場

スタビアーネ浴場から500mほど東に歩いた先にある闘技場は、ローマにある古代遺跡のコロッセオよりも前に建てられました。観客席が3層にまで分かれていて、ほぼ原型のまま残されています。

悲劇詩人の家

一般的な市民の邸宅跡で、 玄関の床に描かれた犬のモザイク画が有名 です。この画に書かれている「猛犬に注意」という注意書きは広く知られています。 付近には富裕層の生活様式が残るポンペイ最大の豪邸「ファウノの家」 も。牧神ファウヌスのブロンズ像が飾られたアトリウム、花壇などが備えられた中庭があり、当時の豪華な暮らしぶりを知ることができます。 裕福な商人が住んでいたとされる「ヴェッティの家」 も2つの家から近い場所に位置。身分によって異なる住宅の様子を知ることができます。

秘儀荘

ワイン醸造所もあったとされる 大邸宅 で、ギリシア神話の酒神として知られる ディオニュソス信仰の入信儀式をモチーフにしたフレスコ画 があります。等身大の人物が並ぶ彩色された壁画は、遺跡内でも重要な見所のひとつです。

おすすめルート

3時間で回るなら、アポロ神殿からフォロ、大劇場、大通りから円形闘技場に進み、ファウノの家と秘儀荘 をおさえましょう。時間に余裕があれば、スタビアーネ浴場やヴェッティの家、悲劇詩人の家も人気なのでぜひ立ち寄ってみてください。

この他、遺跡内で見られる奇妙なスポットとして挙げられるのは、街の社交場に佇む二人掛けのトイレ。奴隷とその主が使用していたとされ、壁には奴隷が書いたとされる「見事だ」という落書きが残されています。また、 遺跡の周辺にはお土産屋さんや飲食店、リーズナブルな値段で宿泊できるホテルなどが点在 。遺跡内にもレストランがありますが、せっかくなので街歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

ポンペイ遺跡近郊のおすすめ観光スポット

エルコラーノ遺跡(ヘルクラネウム遺跡)

ヴェスヴィオ山の西側、 ナポリとポンペイの間に位置する古代遺跡 。ポンペイと同様、ヴェスヴィオ火山の噴火によって埋まってしまった場所で、 人口5,000人ほどの港町 だったといわれています。1997年には「ポンペイ、エルコラーノ及びトッレ・アヌンツィアータの遺跡地域」という名称で 世界文化遺産にも登録 されました。

青の洞窟

カプリ島にある人気観光スポット のひとつで、ガイドブックの表紙にもよく使われている有名な海食洞。島内は観光客で混雑するため、 先にカプリ島を観光してナポリに戻り、ポンペイ遺跡に向かうのがよい でしょう。ナポリを拠点にした方が船の便も多く、移動もスムーズ。カプリ島からナポリは高速船で45分ほど、ナポリからポンペイは電車で40分ほどです。

アマルフィ海岸

海運都市として中世に栄華を極めたアマルフィ。バロック様式のドゥオーモやエメラルド色に輝く洞窟など、魅力あふれる名所がそろいます。 ソレント半島の南に位置する断崖絶壁 のアマルフィ海岸は、 パステルの色合いが映える街並み が有名な写真スポット。 ポンペイ遺跡まではソレント、もしくはサレルノを経由して1時間30分前後 で行くことができます。

ポンペイ遺跡&近郊の名所観光は現地オプショナルツアーが便利

保守作業が長く行なわれ、地震や人災、一部が倒壊するトラブルに見舞われながらも、現代まで残されてきた「古代ローマの奇跡」ポンペイ。オーディオガイドを借りて個人で観光するのもいいですが、ツアーを予約しておけば計画的に主要スポットを回れます。ベルトラの現地オプショナルツアーは、列車チケットやバス移動がつくプラン、ナポリや青の洞窟観光とセットのツアーなど目白押し!イタリア旅行をより充実させてくれる遺跡巡りを満喫しましょう。

※1ユーロ=約120.36円(2020年2月4日時点)

※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。

やってみよっか?

ログインなしで「いいね!」
あなたに合った情報が探しやすくなります



余暇のアイデア人気ランキング

特集連載

あなたにおすすめ

「いいね」すればするほど、あなたの好みに合った余暇プランがピックアップされます
ログインなしで「いいね!」
あなたに合った情報が探しやすくなります