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下市町は奈良県の南部に位置し、古代からの歴史と文化が色濃く残る地域です。「下市の神酒口製作技術」が日本遺産に登録され、伝統工芸が今も受け継がれています。
この地では、お神酒口に吉野檜が使われます。製作体験を通して、神具づくりの技術やその背景にある歴史、そして神棚やその形に込められた古の人々の思いを紐ときます。
職人の思いに触れる神具づくり
神棚を「小さな神社」として捉え、その伝統的な形を守り続ける奈良県下市町の米田神具店。店主の米田さんは、130年以上続く伝統を受け継ぎながら、神具づくりに情熱を注ぎ続けています。
神棚の伝統的な造形に込められた意味や、また、その造形自体を崩さず守り続けること、日本古来より「八百万の神」といった宗教観としてではなく、日本の文化、伝統、風習、手を合わせ、すべてのモノに感謝を込める日本らしさのひとつとして伝えていくことを大切にしています。
「神棚は年配者だけのものではなく、若い世代にも受け入れられるべき」との考え方から、新しい試みにも積極的に取り組み、SNSや神具作り体験の提供を通して、日本文化を国内外に発信し、伝統や技術を後世に継承する大切な役割をになっています。
米田神具店 米田悟
神具職人が減少する中、当店は、神棚・神祭具を手仕事で制作しています。制作体験や神具の講演を通して、皆さんに神酒口をはじめ神棚・神祭具のことを知ってもらい、興味を持ってもらえればという思いで開催しています。神酒口・神棚・神祭具についての歴史や本物の技術を日本にしかない文化・伝統の魅力として、これからも伝え続けていきたいです。