photograph: 喜界町の保護蝶 オオゴマダラ
鹿児島県・奄美群島の最北東に位置する喜界島は、隆起性サンゴ礁でできた美しい離島。今でも年間数ミリずつ隆起を続ける学術的にも貴重な島で、固有の動植物も多く生息しています。
一島一町の喜界島は「シマ」と呼ばれる33の集落で構成されており、「日本で最も美しい村」にも認定されています。 集落を守るように積まれたサンゴの石垣は、自然と共生してきた喜界島ならではの貴重な文化遺産。島の人々の暮らしの中には、サンゴ礁との深い繋がりを感じることができます。
宝探し気分でシマ(集落)をめぐる
エコツアーガイドと行く喜界島E-Bikeサイクリング
世界で三本の指に入るほどの驚異的なスピードで隆起している喜界島。生きたサンゴ礁の大地には約10万年間の記憶が眠っています。くすっと笑える看板の立つ「蝶ロード」や世界中でここにしか咲かない花「ヒメタツナミソウ」など、ユニークな島の魅力が密かに人気を集める一方で、喜界島方言が消滅危機言語に指定されるなど、これまで培われてきた豊かな島文化が失われつつあります。
そこで立ち上がったのが、喜界島を心から愛する島人(シマッチュ)たち。先人たちから脈々と受け継がれてきた想いを次世代へ手渡すべく、島の案内人を務めています。島の言葉でゆったりと紡がれるこの地の物語。島の宝物を一つ一つ拾っていくように、味わい深い集落の風景や島の記憶をめぐってみませんか。この先の未来にも残したい、きっとそう思わずにはいられないはずです。
喜界島エコツアーガイド 外内淳(とのち すなお)
30代で喜界島に帰郷。黒糖焼酎の酒造メーカー「朝日酒造」に勤務しながら、喜界町の指定文化財などの保護活動や集落歩きボランティアガイド「よんよ~り喜界島」の事務局を務めています。趣味は集落巡り。旅先での宝物探しが大好きで、集落のたたずまいに先人の記憶を感じると心躍ります!