紅葉の「京都・嵐山」へ
平安貴族さながら
優雅な舟遊び体験
Talk#37. Arashiyama

京都を代表する人気観光地の「嵐山」。
古くから風光明媚な名勝として愛され続ける嵐山で、平安時代から貴族の遊びとして親しまれてきた「屋形船遊覧」の魅力とは。


◆ VELTRA NM: ベルトラ国内事業部所属。
旅行中にその土地の美術館に立ち寄り、その場所でしか見れないアート作品を見ることが好き。

豊かな自然に囲まれた
「京都・嵐山」

世界遺産や歴史ある寺院など、観光名所が多い京都。特に京都市内は、日本らしい景観や伝統的な文化を維持していて、海外の旅行客にも人気の観光地です。

京都市内の数ある観光エリアのなかでも人気が高い「嵐山」は、豊かな自然に囲まれていながら、京都駅からのアクセスもよく、京都旅行の定番の観光スポット。

桂川にかかる「渡月橋」や、手入れされた竹林が道の両脇に続く「竹林の小径」、「龍安寺」「天龍寺」などの寺院や、嵐山散策のお供にぴったりの食べ歩きグルメも多く、紅葉や桜のシーズンにはたくさんの観光客が訪れます。

車窓から保津川渓谷の絶景を楽しむことができる「嵯峨野トロッコ列車」や、亀岡から嵐山まで川を下る、スリル満点の「保津川下り」も、嵐山を代表する人気のアクティビティです。

©PIXTA

四季を愛でる
嵐峡めぐり

春夏秋冬、どの季節でも美しい表情を見せてくれる嵐山の自然。

桜が咲き誇る春、新緑や若葉が芽吹く初夏、紅葉が彩る秋、雪化粧をした冬…どの季節も美しい表情を見せ、天候や時間によっても異なる表情を魅せてくれます。

そんな京都・嵐山で、特におすすめしたいのが、嵐山の屋形船遊覧。

ダイナミックな保津川の渓流下りとは異なり、大堰川をゆったりと楽しむのが嵐山屋形船の魅力です。

木々が水面に映りゆらめく様子、爽やかに吹き抜ける風、鳥のさえずりや、草木が揺れる音…嵐山の美しい自然を感じ、さながら平安貴族のように嵐山を川面から愉しむことができます。

四季折々の絶景をめぐる舟旅。
©PIXTA/嵐山通船

平安時代から続く
歴史ある舟遊び

嵐山の屋形船遊覧の歴史は、今から1200年以上前の平安時代に遡ります。西暦805年頃から、貴族の遊びの一つとされていたと言われていて、現代では夏の風物詩として親しまれている「嵐山鵜飼」も、当時は公家の遊びとして行われていたそうです。

次第に一般にも親しまれるようになり、明治45年(1912年)に、当時の船頭が、現在屋形船を運航する嵐山通船を立ち上げたことから、現在の屋形船の運航に繋がっています。

毎年7~9月に開催される嵐山鵜飼の様子
©嵐山通船/PIXTA

いざ優雅な舟遊びへ

屋形船の乗船場は、渡月橋の上流側の北と南の2ヶ所。屋形船に乗り込んだら、ゆっくりと静かに大堰川(おおいがわ)の上流へ進んでいきます。出船して少し経つと、渡月橋やメインストリートの賑やかな印象から雰囲気が変わり、爽やかな空気に包まれます。

屋形船に揺られながら、ゆったりと自然を眺めたり、船頭さんとお話をしたり、写真を撮影したり…楽しみ方は人それぞれ。ひとりでもグループでも、忙しい日常から離れて、優雅な舟旅をお楽しみください。

鮮やかな紅葉の色が水面にも映ります
©PIXTA

屋形船の動力は竹の竿一本
熟練の船頭さんの巧みな技術

屋形船に乗船する際に、注目していただきたいポイントが、昔ながらの屋形船と船頭さんの伝統技術。

嵐山の屋形船で使われるのは木の和船(わせん)で、船にエンジンやモーターはついていません。屋形船の動力となるのは、竹の竿一本のみ!

熟練の船頭さんが竹の竿を使い、自由自在に舟を動かします。乗船する時は、船頭さんの巧みな竿さばきにも注目です!

嵐山通船代表 小島社長

嵐山通船の代表取締役社長であり、自らも現役の船頭として活躍されている小島社長はこう語られました。

「竹竿一本で操る舟は嵐山の屋形船だけ。この伝統的な技術を世界に広げたい」

キャリア40年以上のベテランで、嵐山や大堰川、鵜飼の歴史にも詳しく、平安時代から続く、屋形船の伝統を継承されています。

>> 名物船頭・小島社長の紹介ページはこちら

そんな小島社長のおすすめは「中秋の名月(十五夜)」の夜の遊覧だそうです。

渡月橋の上に、月が上がる姿は、涙が出るくらい美しいのだとか…。もし乗船される時は、そんな話もぜひ聞いてみてくださいね。


屋形船での特別なひととき
鵜飼・五山送り火を鑑賞して


屋形船から見る五山の送り火
©PIXTA

日中の運航の他にも、季節や行事にあわせた特別運航も行っている嵐山の屋形船。

ベルトラでも、今年の8月16日「五山送り火」が開催される夜に、嵐山鵜飼と送り火を両方見ることができる、ベルトラ限定の乗船プランを販売し、当日は100名を超えるお客様にご参加いただきました。

私自身も当日はスタッフとして、お客様のご案内を行ったあとに、屋形船遊覧にご一緒させてもらいました。

幻想的な雰囲気に包まれた夜の大堰川。出船してすぐに稲光と雷の音が聞こえ、たちまち大雨に…。送り火が中止になりそうなくらい、強い雨に見舞われましたが、見事に雲が通り過ぎ、無事に鑑賞することができました。

雨の中でも燃え盛る鵜飼のかがり火の迫力や、渡月橋の奥に見える大文字の送り火の光に、ぐっと心が熱くなりました。

お客様からも参加後の体験談を通して、「感動した」「二度とない経験をさせてもらった」とコメントをいただき、もっとたくさんの人にこの伝統ある嵐山屋形船を体験してもらいたい!と強く感じた1日でした。


船内でのお食事に
おすすめの軽食

貸切屋形船を事前予約しておけば、船内にテーブルを用意してくれるので、軽食やお弁当をテイクアウトして持ち込むのもおすすめです。

・木乃婦の「季節の折詰弁当」

世界中のレストランを紹介するガイドブック・ミシュランガイドの「京都・大阪2023」にも掲載された名店。四季の素材をふんだんに使用した「季節の折詰弁当」は、厳選された食材を詰め込んで丁寧に仕上げられたお弁当。

・喫茶AOKIのサンドイッチ

五条大宮の交差点より徒歩3分の場所にある昔ながらの喫茶店。落ち着いた雰囲気が人気で常連客も多く、地元民に愛されるお店です。喫茶AOKIの人気メニュー、関西風の卵焼きをサンドした「たまごサンド」が人気。ひとつひとつ丁寧につくられたサンドイッチは、どこか懐かしい味わいがする逸品です。

・会えたらラッキー! 船上コンビニ

"船上コンビニ"と呼ばれる「琴ヶ瀬茶屋」は創業100年以上の伝統を持つ売店船。水上で御手洗団子やイカ焼を販売しています。出会えるかどうかは乗船してみてからのお楽しみ!


今こそ「京都・嵐山」へ

ここ数年は、新型コロナウイルスの影響により、国内旅行ですら行けない時期が続いていましたが今年は、3年ぶりに開催される祭事や伝統行事・イベントも多く、京都にも活気が戻ってきています。

観光地として世界的にも有名な京都ですが、まだまだ知られていない場所や、心を揺さぶるようなたくさんの体験があなたを待っています。

その場所でしか出来ない体験をしたり、地元の人との交流も、旅の醍醐味!もしかしたら、今後の人生の何かを変えるきっかけになるかもしれません。

秋の深まりとともに、紅葉が色づく京都。「京都には行ったことがない」という方も「修学旅行以来行ってないかも…」という方も「他の季節には行ったことがある!」という方も、京都・嵐山へおでかけいただけたら嬉しいです。


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