三嶋大社は、三嶋大明神として大山祇命と積羽八重事代主神を祀る神社です。かつての伊豆国一宮として栄え、近代には官幣大社という高い社格を得ています。静岡県三島市の中心部に位置しており、JR三島駅から南方向に徒歩で10分程度の、豊かな森に囲まれた一角が境内地となっています。車で参拝に向かう場合には、東名高速道路の沼津ICから一般道で20分程度であり、伊豆縦貫道を使ってのアクセスも可能です。四季折々の花や植物も見どころの一つで、春はソメイヨシノや枝垂桜、秋にはキンモクセイが咲きます。1月の初詣、4月の花見、11月の七五三シーズンには大変混雑するので、周辺の駐車場を使用したり、余裕をもって行動することをおすすめします。
歴史
三嶋大社は、創建年代について確かなことはわかっていませんが、平安時代初期に編纂された『延喜式』神名帳にはすでに記載されている式内社であり、鎌倉幕府の事跡をまとめた『吾妻鏡』の治承4年(1180年)のくだりには、源頼朝が奉幣をしたのちに山木攻めで勝利したことが記載されています。このため、幾世代にわたって武家の戦勝祈願が多く、戦国時代にはたびたび兵火を受けながらも、後北条氏らの援助によって再建を果たすなどしています。
見どころ
三嶋大社の社殿の前には、樹齢1200年を超えるといわれる天然記念物のキンモクセイがあり、季節になるとさわやかな香りが境内を包みます。また、本殿の建築は江戸末期の慶応年間のもので、総けやき造りのすぐれた彫刻が特徴です。相生松や腰掛石など、源頼朝ゆかりの神社としての数々の伝説を残す遺物もみられます。宝物殿には国宝に指定されている北条政子奉納の梅蒔絵手箱をはじめとする多数の神宝が収められ、随時公開されています。