福州園(ふくしゅうえん)は那覇空港から車で15分、ゆいレール(モノレール)では県庁前駅から徒歩5分。那覇のビジネス街と呼ばれる久茂地の交差点を西海岸へ向かうと、異国を思わせる白い壁が左手に見えてきます。その壁の向こうに、中国の影響を多く受けている沖縄の中でもさらに際立って影響を受けたと思われる中国様式の建物が見えてくるのですが、その印象の通り、沖縄と中国の歴史的な関係を物語る、交易のシンボルとされる存在です。
歴史
那覇市の市制70周年および中国の福建省にある福州市との友好都市締結10周年の記念事業として1992年9月に開園した中国式の庭園です。今から600年ほど前に福州人がこの沖縄の久米村に渡来、移住したことを記念して、福州の代表的な風景と建築様式が那覇市久米に、設計から施工まで福州市の職人によって福州市の資材を使用して建設されました。ビジネス街にいることを忘れさせる、緑豊かな施設です。
見どころ
園内の主な建造物は、三山(千山、烏山、屏山)、二塔(白塔、烏塔)、一流(ミン江)など、福州を代表する風景を模したもので、園内は明・穏・華の三部空間で構成され、樹木や草花で四季の景観を演出しています。中国的な白壁に包まれた8,500㎡の庭園に入ると、周囲の住宅街とはまったく別の空間が広がり、各所に点在する建物は、完全な中国様式で透かし彫りをされた窓の一つ一つが見所です。 四季を表現した各エリアの途中には人工の滝もあり、その下の通路を進めば滝の裏からの景色が楽しめ、暑い季節に来たときには園内で一番涼を感じられる場所でもあります。滝の上にある階段を上ると、園全体を見渡せる展望台になっています。