日本で美しいダムと言えば必ず上位にランクインする、高さ95m、幅215mの壮大なアーチ式コンクリートダムです。その下流には奥羽州三名湯の一つ、鳴子温泉が、そして上流には鬼首温泉があり、この2つの温泉を結ぶ仙秋サンライン沿いにダム湖である荒雄湖は位置します。仙秋サンラインは、宮城県鳴子から秋田県湯沢市を結ぶ最短ルートで、この一帯は栗駒国定公園に指定されています。四季問わず見事な景色で人気です。
歴史
昭和32年に完成した国内初の日本人の手による純国産のアーチ式ダムです。宮城県大崎市(当時は鳴子町)を流れる一級河川・北上川水系江合川に国土交通省直轄ダムとして鹿島建設により施行されました。江合川は古くから宮城の穀倉地帯を豊かに潤しましたが、一方では数多くの氾濫による被害を繰り返してきました。そのため、治水、水力発電、大崎耕土の利水を目的とした特定多目的ダムとして作られたものです。荒尾湖は人造のダム湖です。
見どころ
年間季節問わず多くの観光客で賑わいます。一帯が見事なまでにカラフルに染まる紅葉の時期、冬の雪景色、春新緑の時期には雪解け水がダムから豪快に放水される、「すだれ放流」がみられます。5月5日までは鯉のぼりも飾られ、まるで「コイの滝のぼり」のように見えるそうです。「すだれ放流」と「コイの滝のぼり」の写真を撮ろうと、多くの人が訪れ賑わう季節です。湖沿いの道路に休憩ポイントがあるので、一旦車から降りて景色を楽しむこともできます。